2017.10.03 07:55|アイルランドで畑仕事
今夜のディナーは、買ってきた乾麺に炒めた野菜をたくさん入れて食べました。それに具が春菊だけのあっさりスープ。
炒めた野菜は玉ねぎ、にんじん、ニンニク、ショウガ、インゲン、キャベツ。ショウガを除いて、すべて自分たちで育てた野菜です。些細なことですが満たされた気持ちになる瞬間です。

「インゲン」と書きましたが、この季節の我が家のインゲンは正しくはベニバナインゲン、英語名をRunner Beansといいます。
9月が旬のベニバナインゲンを今年はたくさん植えたので、ほぼ毎日のように我が家の食卓にのぼるのです。

ベニバナインゲン2017 (4)

ベニバナというからには紅色の花が咲く。わけなのですが、ここ2週間ほどで気温が下がり花はつかなくなりました。

豆類はあっという間に大きくなるので、ちょうどいい大きさのインゲンを収穫するには毎日の収穫が欠かせません。

ベニバナインゲン2017 (3)

つる性なので互いに絡み合って収穫も一筋縄ではいきません。
全部とり終わったと思っても、ちょっと違う角度から見ると束になったインゲンがまだまだ見つかるのです。

ベニバナインゲン2017 (2)

見逃していると巨大なインゲンがお目見えしたりします。大きくなり過ぎると筋っぽくなっておいしくありません。

正面から見るだけでは見つからないインゲン。違う視点から観察すると、多くのインゲンが発見できます。反対側に回ってみたり、横から眺めてみたり、しゃがんで下から覗いてみたり。
まるでものの見かた、人の見かたそのものだなあ。
一人でベニバナインゲンの収穫をしている時間、よくこんなことを考えます。

ベニバナインゲン2017 (1)

時間をかけて、視野を広げていろいろな角度から見てみること。
すると、抱え切れないほどの収穫があるのです。

リンゴの木とプリンス2017 (1)

ね、プリンス。

望月えりか @Twitter (心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています)
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2017.09.29 09:51|アイルランドで子育て
今年の6月に3年ぶりに日本に帰国し、3週間という短い間でしたが母国日本を満喫しました。
滞在中、嬉しいことがありました。
11歳の娘のリラが、初めて日本語を「自主的」に書き始めたのです。

子どもたちの日本語 (2)

平仮名だけですよ。
今までも日本の母が送ってくれたドリルなどをやらせたことはあるけれど、ここまで興味を示してくれたのは初めてでした。
日本滞在も後半にさしかかると、私の父と平仮名を書きながらしりとりをしています。

アイルランドに戻ってきてからも、平仮名の並んだラベルなどを見ると「ちょっと待って!読んでみる」と(英語で)言っては挑戦を続けています。単語として知っている日本語もあるので、読み進める途中で分かることも多いようです。

私は普段、自分の子どもたちに日本語で話しかけます。ところが、子どもたちも幼少時には日本語で返してくれていたのに、学校に行き出した途端あっという間に英語にとって代わってしまいました。今でもくじけずに日本語で話していますが、子どもたちは100%英語で返事をしてきます。

私たち親子の会話は想像がしにくいかもしれませんが、例えばこんな感じなのです。

私「おかえりー。学校どうだった?」
ショーン「Good. Eddy didn't come to school today so I was playing with Tom.」
私「そうなの?エディーどうしたんだろうね」
ショーン「I don't know. Maybe he's sick or something. I don't know」
私「ふーん」

ま、返事が返ってくるということは私の日本語を理解しているということなので、とりあえず良しとしています。

成長に従って、子どもたちの語彙はどんどん増えていきます。日本語の単語の意味をいちいち説明するのが大変なことも多く(面倒・・と言うのかもしれません)、私の日本語は英単語がかなり混入した日本語であったりします。
また、英語を話す第三者が会話の中にいる時は、その場の全員が分かるようにとどうしても英語で話してしまいます。

夫のパットさんは日本語を話さないので、子どもたちにとっては私が唯一の日本語スピーカー。近くには日本語学校も日本人会もありません。

そんな環境の中で娘が日本語の読み書きを始めてくれたこと。

この先どうなっていくのかは分かりませんが、都内の紀伊国屋で買った外国人向けの平仮名学習本を、さり気なく見せたりしている母なのでした。

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2017.09.20 08:43|豊かな暮らしを考える
我が家の畑では、台所から出る生ごみもコンポストにしてときどき畑に撒いて使っています。
その結果、畑を耕している時に土の中に意外なものを発見することがあります。間違って混入したプラスチックの小さな蓋、分解されずに残ったシールやセロテープ。

ああ、土に返らなかったのだな。

見つけるたびにそう感じます。

一方で、私の周囲にある自然、植物や動物、鳥などを無意識に眺めていると、彼らは土に返らないものは何も残さないということにも気がつきます。当然のことに思えますが、論理で知るより体験で知るとその本当の意味が分かります。
彼らは地球のサイクルの中で、地球に負担をかけることなく生存している。まるで地球と共存する方法を心得ているかのようです。
土に返らないものを排出しているのは、人間だけなのですね。

歩む道に迷った時、言葉に詰まった時。私の心の師事の一人である環境活動家サティシュ・クマール氏の哲学を聴くようにしています。
彼がシンプルに紡ぎ出す言葉は、私たちの心に語り、問いかけ、いつまでも残ります。

サティシュ・クマール
(インドの平和/環境活動家、Satish Kumar)

クマール氏も「土」のことに触れています。
”私たち人間は、土に生き、土に返る。こんなに当たり前のことを、私たちは忘れていませんか。”
”自分たちのケアをするということは、地球をケアするということなのです。自然というものは遠く離れたところにあるものではなく、私たちそのものなのです。私たちもネイチャーなのです。自然を利用し痛めつけることは、実は私たち自身を傷つけていることになるのです。”

こぼれ種が嬉しい2016 (1)

土に全く触らない生活を送る人にとっては、ピンとこない話かもしれません。
人工的なものに囲まれた暮らしになればなるほど、土の存在は遠く感じられるものです。「土に触るなんて汚い」「手が汚れる」と感じる人も多いのかもしれません。でも、土から離れ、土に返らないプラスチックやいろいろの人工物に依存した暮らしが、実は地球を汚しています。

宮崎駿氏の映画の中に「土から離れては生きられないのよ」というセリフがありましたが、これはアニメ世界の話ではなく私たちのストーリーです。

「土」について考える時間。「土」に触れる時間。
今こそ必要なのかもしれません。

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2017.09.14 08:01|家 族 / 故 郷
リムリックに住む友人が遊びに来た際、ちょうど我が家の台所にあったクッキーをつまんで「このクッキーおいしいですね!」と言います。

ノンタンクッキー (3)

「クッキーのレシピ、見せてあげようか?」とにんまり答える私。
そしてじゃじゃーん、と取り出したのがこちらです。

ノンタンクッキー (11)

ノンタン。
絵本作家キヨノサチコさんの絵本シリーズ「ノンタン」と共に幼少時代を過ごした私ですが、「懐かしい!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
「ノンタンのたんじょうび」は、ノンタンのお友だちがノンタンに内緒でお誕生日パーティーを開いてくれるというストーリーです。ノンタンをかたどったいろいろなクッキーを焼いてノンタンをびっくりさせてくれたうさぎさんやたぬきさん。そのストーリーに合わせて、本の見開き部分にクッキーのレシピが載っています。我が家では、私が子どもの頃からこのレシピを見て日本の母が型抜きクッキーを焼いてくれていたのでした。

ノンタンクッキー (9)

生地さえできてしまえば小さい子どもたちでも思い思いの型で楽しく作れる型抜きクッキー。アイルランドの我が家でも、ノンタンクッキーのレシピが大活躍しています。

ノンタンクッキー (4)

簡単でサクッと軽い、甘さ控えめのこのクッキーは、我が家の子どもたちだけでなく家に遊びに来る近所の子どもたちにも大人気。大人たちでさえ「どんどん食べちゃう!」というわけで、誰でも笑顔にしてくれる魔法のクッキーです。

ノンタンクッキー (10)

今やスマホやタブレットの画面を見ながら料理をする時代・・・なのかもしれませんが、こんな思い出いっぱいのレシピが一つでも手元にあると心がホッとするものです。ページにシミのついた、セロテープで何か所も修正のしてあるレシピ。
これからも大切にしたいと思います。

余談ですが、アイルランドではクッキーとは呼ばずビスケットと言いますね。クッキーはアメリカ英語でしょうか。
さっきから私も「クッキー」と呼んでいるけれど、日本語の時にはクッキーと呼んで、英語を話している時はビスケット、もしくは砕けてビッキーBickie(s)と呼んでいます。


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2017.09.06 08:05|養蜂
忙しかった先月に手をつけられなかった家事のいろいろをこなす9月。特に畑の収穫が思った以上に大変で、玉ねぎ、インゲン、トマト、ズッキーニにリンゴ、梨と嬉しい悲鳴をあげています。

太陽が顔をのぞかせ、風のない穏やかな午後のこと。私と同じく多忙にしていた夫が「ミツバチの巣箱見てみようかな」と言います。巣箱のチェックも、やらなくちゃと言いながら実現していなかったことの一つだったのです。
友人から借りている養蜂スーツを着込んで出ていったパットさんは、しばらくしてからハチミツのついたフレームを3枚持って帰ってきました!

9月のハチミツ2017 (1)

うほほーい。
ハチミツと蜜蝋の香りが漂います。
さあ、この後どうするの?ハチミツをフレームから収穫するなんて、私にとっては初めての体験です。

9月のハチミツ2017 (7)

まずは、白っぽく見えるキャップ(蓋、ですね)をナイフなどで取り除きます。キャップの下にハチミツがたまっているのが見えるかな?

9月のハチミツ2017 (4)

キャップを外したところ。ハチミツがあふれ出てきます!
あんなに小さなミツバチたちが、ここまで完璧で美しい六角形のハニカム(Honeycomb)を蜜蝋で形成している。まるで魔法のようだと思いませんか?自然は、時に私たちの想像をはるかに超えた驚きと感動を与えてくれます。すごい。

9月のハチミツ2017 (9)

ワックス(蜜蝋)を取り除いて、少しずつ濾して瓶詰めしていきます。

9月のハチミツ2017 (3)

全部で7瓶ほど!やった!

よくハチミツは健康食品であると言われます。美容にも効くし、薬用にもなります。
ただ、市場に出回っているハチミツと名のつくもののすべてにこの効用があるとは言えないそうです。
加熱処理をして脱色、脱臭された精製ハチミツ、水あめなどを人為的に加えた加糖ハチミツ。
これらとは別に、純粋ハチミツというものがあります。加工されていない、加熱もされていない、ミツバチの巣からそのままとれた天然のハチミツのことです。花粉が入っているのでやや不透明なことが多く、低温では結晶化するのが特徴です。

この純粋ハチミツこそが、私たちにとってパワフルな薬となるのです。

9月のハチミツ2017 (2)

うん、確かに不透明な色で、濾している間は酵素のおかげで小さな気泡が無数に出ていました。
正真正銘、純粋ハチミツ。アイルランド産。我が家産。
何にも代え難い贅沢なハチミツではありませんか。

パットさんが今回取ってきたのは3枚のフレームのみ。ハチミツはまだ巣箱の中にあったけれど、全部を取るようなことはしません。ハチミツは何よりミツバチの食糧ですから、勝手ながらおすそ分けをいただいた気分です。
9月はヒース(ヘザー)の花も満開だし、自然界にはまだまだ花が見られます。
今月も頑張ってね、ミツバチ。


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発信者の紹介

望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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