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2016.10.03 19:49|アイルランド人
日曜日にゲーリックフットボールの決勝戦が行われ、今年もダブリンが優勝を果たしました。
決勝戦まで幾度となく這い上がるものの優勝を逃し続けているメイヨー(Co. Mayo)をまたしても破り、2年連続の優勝を遂げたダブリン。新聞などのメディアではもちろんトップニュースで報道され、ダブリン州の旗であるブルーがよく目立ちました。

ダブリンきらい?

さて、去年ダブリンがケリーを破って優勝した時もそうでしたが、アイルランドで「ダブリン vs ○○」という大きなゲームがあると必ず不思議な現象が起こります。例えば今年は「ダブリン vs メイヨー」だったのに、これがいつの間にか「ダブリン vs そのほかのアイルランド地域」になっているのです。あくまで国民感情としての話ですが。

ダブリンはアイルランドの首都、ということは誰しもご存知と思いますが、ダブリン市はダブリン州、County Dublinの州都でもあります。130万人以上の人口を抱えるダブリン州。アイルランド共和国の全人口のうち、ゆうに4分の1以上がダブリンに住んでいることになります。

政治や社会、音楽、アート、ファッションなどなど、最先端のものはすべてがダブリンを中心に回っているかのようなアイルランド。
ダブリンに暮らす人々には感じにくいかもしれませんが、地方の人間にとってダブリンはそんな風に映っているようです。

伯母が結婚してダブリンに住んでいるとか、息子がダブリンの大学に行っているとか、ダブリンは地方の人々にとっても重要な都市です。ダブリンに親戚のいないアイルランド人はいないのではないでしょうか。それなのに、ダブリン人と地方に暮らすアイルランド人の間には、途方もない距離感があるようなのです。

地方のアイルランド人たちがダブリン人をけなしていう呼び名があります。その名も「Jackeen(ジャキーン」。
これはJack(ジャック)という男性の名から来ている俗語で、スラングの一種ですね。ジャックはイングランド人の総称で、それに「小さな」という意味の「~een」をつけて「ミニチュア版イングリッシュ野郎」というような意味になります。ひどいですね~。
歴史的にも文化的にもダブリンはアイルランドで最もアングロ化(イギリス化)していることから来ている言葉のようです。ダブリンの人の様子を見ていてもこの傾向はうかがえて、これが地方の人々がダブリン人を「自分たちと違う人間」と意識する理由のようです。
実際私の身近にいるアイルランド人(地方人)がダブリン人たちのことを「あいつらはアイリッシュじゃないからな!半分ブリッツ(イングランド人をけなして言う呼び名・・)みたいなもんなんだから!」と言っているのを聞いたこともあります。うわー、大変大変。

「ダブリンに住んでるからってアイルランドを知ったような顔するなよ!本当のアイルランド精神はアイルランドのカントリー(地方、田舎)にあるんだからな!」と思っている地方のアイルランド人は多いはずです。まあまあ、おさえて!

そんなわけで、前述のダブリン対メイヨーのゲーリックフットボールの試合は、こんなアイルランドの地方人たちの感情を反映していたのですね。「ダブリンに勝たせてなるものか!メイヨー、俺らの分まで頑張っておくれよ!」と。
ちなみに、JackeenはダブリンのGAA(ハーリングやゲーリックフットボールなどの国技を統括する組織)の選手たちとそのサポーターを総称する際にも使われるそうです。悪意があるのかないのか・・・。

ダブリンきらい? (2)

ダブリンへのコンプレックス。一言では例えようのない複雑なものがあります。
アイルランドという国は小さいですが、一歩国の中に入りこむといろいろあるものです。くわばらくわばら。


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2015.06.25 10:02|アイルランド人
ドイツ系の低価格チェーンスーパー、アルディ(Aldi)は、ここアイルランドでも全国的にビジネスを展開する大型のスーパーマーケットです。比較的規模の大きな町には必ず店舗を構えています。

広報活動も盛んにおこなうアルディのテレビコマーシャルが、今とても面白いのでご紹介したいと思います。
シリーズで流れるコマーシャルは3つ。「100%アイルランド産の新鮮なお肉を取り扱っていますよ」というメッセージのコマーシャルですが、これになぞらえてアイルランドの典型的な国民の姿(=100%アイリッシュ)を上手く重ね合わせており、見るたびに夫と一緒に苦笑しています。

一つ目はこちら。



コマーシャルのタイトルは「As Irish As Not Wanting To Cause A Fuss」。つまり自分のために周りの人に騒ぎを起こしてほしくない、迷惑をかけるなら自分が我慢する方がずっとまし、というアイルランド人によく見られる社会的な振る舞いを表現したものです。
屋外でバーベキューを楽しむ中、煙がなぜか一人の男性の方向に。周りの友人が心配するも「大丈夫!心配しないで!」と頑なに席を動かない男性。アイルランド人ですね~。

お次はこれ。



「As Irish As The Inability To Take A Compliment」=「褒め言葉を素直に受け入れることができないアイルランド人」ということで、ここでは「そのドレス素敵ね、黒が良く似合うわよ」と褒めた女性に対し、ドレスがまったくもって素敵ではないこと、それどころかひどいドレスだということを懸命に説明する女性の姿を映しています。そうそう、アイルランド人って褒められるとどうしていいか分からなくなる人が多いですね。こんな謙虚な姿が私は好きですが。

最後はこちら。



「As Irish As Never Wanting To Be The First To Hang-up」というタイトルで、「電話を切る時、絶対に先に切りたくないアイルランド人」のことです。
電話を切る間際、「バーイ、バイバイ、じゃあね、すぐにまたね、うん、バーイ」と言いながら、相手が先に受話器を置いてくれるのを待ち続ける女性が登場します。どちらが先に電話を切るかなんて大したことではないのに、こういう細かいところまでどうしても心を配ってしまう悩ましいアイルランド人の姿がよく表現されています。

いずれの3つのコマーシャルでも、描かれているのは他人への心遣いを重視するアイルランド人。自分の存在は最小限に抑えてまずは相手に気を遣う彼らの姿勢は、日本人の気配りをはるかに超えており、未だに驚嘆することがあります。
アイルランド人たちが一様にこうであるわけではありませんが、それでもみんなどこかに心当たりがあるので、このコマーシャルシリーズを思わず吹きだしてしまうんですね。

皆さんの周りにも、こんなアイルランド人がいませんか?



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2014.06.25 06:12|アイルランド人
皆さん、ワールドカップは観ていますか?
ブラジルでの開催という今回のワールドカップは、時差の関係で日本では夜中~朝方に中継されているのでしょうか。
アイルランドとブラジルは時差が3時間(4時間のスタジアムもあるようですが)。
それでもその日最後の試合は開始時間が夜の10時から、最後まで見てしまうと12時で、翌朝は子どもの学校・・なんていう日が何日も続くと完全な寝不足です。

我が家は夫も私も熱心にワールドカップを観ていて、日本戦ももちろん見逃していません。
あ、でも初戦の対コートジボワール戦は、キックオフがアイルランドでは夜中の2時で、リビングルームのソファに横になったのがいけなかったな・・。本田選手の先取点で起きましたね。一番大事な瞬間を逃してしまいました。

先週、フィークルの村のパブでの音楽セッションのために一人で出かけたら、村の中心に入った途端すごい車の数。
「ん?何かイベントでもあったのかな?」と思いながら、どうにか駐車スペースを見つけてパブに入り、そこで会った友人に聞くと「ワールドカップのイングランド戦を観るのにみんなパブに来てたのよ」とのこと。

試合はイングランド対ウルグアイで、結果は皆さんもご存知の通りイングランドがまさかの敗退、しかもこの試合でイングランドの1次リーグ敗退が決定したのでした。
それからは、会う人会う人みんながイングランド戦の話をしています。

特筆すべきは・・・イングランドが負けたことでみんな大喜びしていること・・・!
上機嫌で「いやあ、よかったよかった!」、試合結果は2-1でイングランドの負けだったのですが、「あの1点だって、入る必要なかった!」。

まったく、こんなに悪趣味な話もないわけですが、残念ながらこれが現実なんですね。
ラグビー、サッカー、なんのスポーツであれ、イングランドが出ている時に一般的なアイルランド人がイングランドを応援することは・・・まずないです。
世界のどの地域でも近隣の国とはトラブルがつきものですが、アイルランドとイングランドの関係は特に根が深く、何百年にもわたって抑圧され続けたアイルランド人たちにとって、イングランドは「生涯の敵」のようです。

ワールドカップ2014

私はあくまでアウトサイダーとしてこれを観察しているだけですが、こうしたところにも一般的なアイルランド人気質と呼べるようなものが見られ、面白いなあと思います。

私はこの試合を自宅で観てから外出したわけですが・・・この試合を彼らと一緒に観ていたら、もっとすごいことになっていたんだろうな・・・!くわばらくわばら。



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2014.01.12 07:10|アイルランド人
クリスマス休暇中に、カーロウ州(Co. Carlow)に住む夫の弟夫婦が遊びに来ました。
奥さんのエトナに会うのは久しぶりで、お茶を飲みながらお互いの話をして楽しく過ごしました。
その中で、ロンドンに住んでいるエトナの長男がどうやら日本人の女性と付き合っているらしい、という話になり「まあね、本人ははっきり言わないんだけど彼女の両親は二人ともトーキョーの人らしいのよ。でもお父さんの仕事の都合でロンドン生活が長くて、彼女はほぼイングランドで生まれ育ったみたい」とのこと。

さすが大都会ロンドン、人種も国籍もさまざまな大都市ではこういうこともあるんだなあ、それにしても日本人の女性と・・!な~んて私は思っていたのでした。

弟夫婦が帰ってしまってからこの話を義母にすると、「あら?おかしいわね、私が聞いた話では日本人じゃなくてジャマイカ人と付き合ってるってことだと思ったけど?」と言います。
あれ?ジャマイカ人?

更には、義妹と話していたら「それはねえ、日本人じゃなくて中国人よ。両親は二人とも香港の人だって言ってたわよ。これは間違いないわよ」
むむむ、中国人?

結局義妹が正解で、日本人女性ではなく、ご両親も東京ではなく香港の出身であったことが分かりました。
「ジャマイカ人」がどこから来たのか分かりませんが、結局「付き合っている女性は有色人」ということしか伝わっていなかったことになります。
これっていかにもアイルランド人らしい間違いだなあ!とおかしくなりました。

私自身も似たような経験があります。
まだ息子のショーンが小さかった頃に予防接種をしてくれていたアイルランド人の看護士さんがいて、彼女に「来月は日本に帰省するので、予防接種はこちらに戻ってから予約をしたいんですが」と話したのでした。アイルランドに戻ってからいざこの看護師さんのところを訪れると、開口一番「まあまあ、どうだった?香港は?!」

ごくごく一般的なアイルランドの人々の中には、日本も中国もごっちゃまぜになっている人が多いように思います。また、アイルランドのどんなに小さな町にも中国人の経営するチャイニーズレストランがあったり、中国人のコミュニティーがあったりするので、アイルランド人にとっては東洋人=中国人と思い込みがちなのでしょう。

東洋圏の国々はアイルランド人にとっては馴染みも薄く、文化的にも歴史的にもほとんど接点がないので、おそらく世界地図を出して「日本はどこにあるでしょう?」と聞いても答えられない人が多いのではないかと思います。

初対面で話をしながら、こちらに「どちらの出身ですか?」と尋ねることもなく、私が中国人であることに何の疑いもなく話し続けられ、「あの~、私日本人なんですよねえ」と言うと大慌てで「あ、ごめんなさい、ごめんなさい!」と平謝りされることなどもよくあります。
私のことを日本人だと分かっている知りあいでさえ、何かの話をしていて「その問題、中国ではどうなの?あっ、ごめん!日本、って意味で言ったんだよ!」というように、つい間違えてしまう人もいるぐらいです。

どの国の出身であっても、違う国籍に間違われるというのは決して快いものではありません。でもそれと同時に、アイルランドに暮らしていると日本は確かに遠い国で「そうだよねえ、分からなくて当たり前だよねえ」と彼らの感覚もよく理解できるので、私はたいていの場合は笑い飛ばしてしまいます。

日本人も、ごく一般的にはアイルランドのことはほとんど知りませんよね。
「な~んだ、それじゃあお互いさまだわね」というわけで、今日も明るく「ニーハオ!」と声をかけられる私です。


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2012.10.26 21:34|アイルランド人
数年前に、夫の実家があるエニスの町で殺傷事件がありました。当時19歳と14歳の少年が路上でけんかになり、19歳の青年が14歳を刺し、死亡させた事件です。
クレアではもちろんのこと、全国ニュースでも大きく取り上げられたので憶えている人も多い事件です。その背景には19歳の青年が警察官の息子であったことと、被害者の少年がトラベラーであったことが関係しています。(トラベラーズに関してはこのブログでもいつか取り上げたいと思いますが、今回はこちらをご覧ください)

多くの人々がこの事件に衝撃を受け、多くの花やカードが事件現場に供えられました。今でもオコンネル通りにはひっそりとこの少年を追悼するカードが供えられています。

事件の直後に夫の両親を訪ねたある日のこと。
義母はいつもお昼のディナーのあとに小一時間ベッドに入って休憩するのですが、眠るわけではありません。あいさつをしようと寝室に入ると、義母はいつもどおりベッドに入りお祈りをしていました。ぶつぶつ唱えるお祈りではなくて、自分の大切にしている十字架のネックレスなどを片手にお祈りの本を読みながら時間を過ごすのです。
義母は私に「町で起こった事件のことは知ってるわね?」と聞いてきました。
「うん、本当に悲劇だったわね」と返すと、

「今、亡くなった彼と遺族のためにお祈りをしていたところだったのよ」と言います。

「こんなにひどい話はないわ。刺されて死んでいった男の子、どんな気持ちだったのかしら。残された家族は身を引き裂かれるような思いでしょうね・・」と話す義母を見ると、彼女は泣いていました。

殺人事件をはじめ理不尽な事件や事故は毎日のように起こっています。そんな中で、私たちはいつの間にか「それが世の中さ」と冷めた気持ちになってやり過ごしています。よく知っている町で起こった事件とは言え、この時も私はそんな感覚でいました。そんな中、義母は名前も顔も知らない他人を思い、涙を流している。私にとってはカルチャーショックでした。

このような行為は、カトリック教徒なら誰もがするものではないはずです。
何より義母の素質がそうさせているのでしょう。
でも、そこには確かに「他者を思いやる心」を養うカトリックの教えがあるように感じます。

アイルランドという国が人々に与えるあたたかさ、アイルランド人の親切さというようなものも、ここから来ているのではないのかなとよく思うのです。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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