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霊柩車が通ったら

家族でエニスの町を歩いていた時のことです。横断歩道を渡るところで、子どもが言います。

「あ、向こうから霊柩車がやって来るよ」

町のカテドラルの方向から来たので、葬儀が終わり今から町郊外にある墓地に向かうところなのかもしれません。

霊柩車は花を乗せています。花の下には棺が入っていることでしょう。
その後ろから遺族たちの車が続き、一行は霊柩車を筆頭にゆっくりとした速度で進みます。

「運転してる人たち、みんなお祈りしてるね」と娘。
見ると、霊柩車とすれ違う対向車に乗る人たちは徐行しながらみな車内で胸に十字を切っています。

こんな場面に出くわすと、いくら教会離れが進んでいるとはいえアイルランドはまだまだカトリックの国なのだなあと実感します。

娘がふと「こういう時、パットはお祈りしないの?」と尋ねます。私たちの子どもたちは、私のことはマムと呼ぶのに対し、父親のことは「パット」とファーストネームで呼ぶのです。

パットが子どもたちに話しているのが聞こえます。
「(もうカトリック教徒じゃないから)お祈りはしないけど、死者に対して敬意を示したいとは思うよ。おしゃべりして笑ったりふざけたりはしていたくないでしょう?一度立ち止まって、霊柩車が通り過ぎるまで黙とうしているよ」

Beanieのランプ

霊柩車は、通夜の行われる遺族の自宅や葬儀会場から葬式(ミサ)の執り行われる教会へ、または教会から埋葬される墓地までの間で使用されます。いずれもたいていの場合は地域内で行われるので、距離は短いものです。

町中などで急に交通が遅くなった、前の車が減速して周囲を見渡すとすべての車が徐行に近い運転をしている。何だろう?と思うと前に霊柩車がいることが多いです。
自分が対向車であっても同じこと。道路の反対側を運転していても、それまでと同じ走行速度でどこ吹く風・・ということはありません。死者と遺族に心を配慮し、減速します。

こうしたことは、学校や道徳の時間で教えるべきものではないですね。
社会のモラルというのでしょうか。
家庭内で我が家のように親から話があったり、そうでなくとも社会に生きる中で自然と身につけていくのが理想的なのかなと思います。

それまで爆音で音楽をかけながら飛ばしていた若者も、ボリュームとスピードを落として厳粛します。
いい国に暮らしているなと思います。

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テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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