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支えよう、地域の個人商店

2018.03.23 09:28|地域コミュニティー
エニスの町の出身の夫パットさんが、ある日こんなことを言います。
「肉屋のドンなんだけどさ、このところ商売があがったりみたいなんだよ。テスコの中に新しい肉屋ができて、そっちにお客を取られてるっていう噂でさ。ドンのところは僕のママも昔からひいきにしてる肉屋だし、だからサポートしてあげないといけない」

果物や野菜も扱うお肉屋さん。いつの間にかエニスに行くたびにドンのお店で買い物をするようになりました。

子どもたちの新学期になると、科目ごとにノートを用意しなければいけません。この時期には大手のスーパーでお得にまとめ買いができるようにパッケージされたノートが売られています。つい「あら、安いじゃない」と手に取ってしまいます。

すると、パットさんに注意されました。「ノートを買うんだったらスクエアのケイシーズに行って。あの家族は昔から文具の商売をしているし、家族経営のローカルビジネスを僕たちは支えてあげなくちゃいけないんだから」と念を押されます。

この姿勢。この精神。

パットさんだけでなく、この「地元の商店を支える」「地域のお店で買い物する」という精神は、アイルランドに暮らしていると肌で感じます。

地元で買い物をしよう (3)

安ければ安いほど、私のお財布にはやさしい。同じ商品を買うのに、わざわざ高いお店で買うなんて愚かだわ。と、自己を中心に買い物をしていた自分が、アイルランドに住み始めて変わってきました。
私たち消費者にとって、ものの値段は大切かもしれません。
でも、安いもの、安い店だけを追っていたら大型店の言いなりです。消費社会の大波に飲まれてしまう。
なじみの顔に会える商店街は当然姿を消していく。

お肉屋さんのお肉はおいしいです。スーパーの棚に並ぶパッキングされたお肉よりも、ずっとおいしいです。
八百屋さんの野菜はおいしいです。大型店の野菜よりもずっと新鮮で、オランダ産でもなくスペイン産でもない、地元の野菜です。

文房具屋ケイシーズに入ると、お店のお父さんがいつものように店番をしていました。お店の奥には80歳を過ぎた彼のお父さんの姿もあります。「やあやあどうも」というあいさつのあと「子どもの新学期に合わせてノートやら文具やらを一式揃えたいんだけど」と学校から配布されたリストを見ながら話すと「どれどれ」とお父さんが一緒にリストを見てくれます。それから、
「10分ぐらい時間をもらえれば、これ全部用意しておくよ」
「本当に?そしたらほかの買い物を済ませてからまた立ち寄れるけど」
「任せてよ」と頼りになる返事をもらい、持っていたリストをお父さんに託しました。
そして再びお店を訪れると、娘の分、息子の分とちゃんと袋で分けられた文房具が待っていたのです。

これをパットさんに話すと
「ね?個人経営のお店で買い物する価値は十分にあるでしょう?スーパーでは絶対にあり得ないサービスだよ!」と得意げに説くパットさん。でも本当に、その通り。

地域の個人商店を支えることは、巡り巡って町づくりに貢献し、回り回って地域コミュニティーを支えます。
安いものを求めるよりも、大切なことがある。自分のお財布から少し余分に出してでも、守りたい地域社会がある。この価値観は財産だなあと思うのです。

アクションを起こすのは私たち。
さあ、地元のお店でお買い物。今日からはじめませんか。

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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