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タウニーとカルチー

2018.02.08 00:44|アイルランド人
前回の「夫は生粋のエニス人」という記事に思いのほか反響があったようです。
今は冬だし畑仕事も少ない季節。もう少し、この国の人々について書いてみたいと思います。

クレア州の州都エニスの町の出身である夫のパットさん。ここから車で30分ほど行ったフィークルという村に暮らして云十年です。
付き合いのある私たちの友人は当然クレア州の人が多く、とりわけフィークル周辺、東クレア地域の人たちが中心です。
昔からパットと大変親しく、私にとっては親友の一人でもあるフィークル村出身のある女友だちがいます。彼女とパットはなんでも言い合える仲、時にはマナーの域を越えた発言もあったりと気安く付き合える友人です。

数年前のある夏のこと、パットが冬場に備えてポニーたちに食べさせるための干し草を作っていました。干し草作りというのはなんのことはない、芝草を刈って乾燥させるだけのことですが、刈ってから数日そのままにしておき、乾いてきたらフォークで一束ずつひっくり返して今度は反対側を乾かし、今度はそれを積んで干し草の山を作り・・と知恵と経験のいるスキルです。
すると彼女がにんまり笑って「パット、干し草なんて作れるの?やり方知ってる?」とからかいます。パットは「失礼な。昔ケリーの叔父たちのファームで散々手伝わされたし、何の苦労もないよ!」と切り返します。

すると彼女は冗談たっぷりに「本当~~?パットはタウニーなのに~!」と言うのです。

このタウニー(Townie)という言葉は一般的な英単語で、「町の人」「都会人」という意味です。
パットはエニスの出身なので、(田舎の男性たちのようには)農業のことなんて知らない、釘も打てなければチェーンソーも握れないでしょう!とこの友人はからかっていたのでした。

都会人がタウニーならば、田舎の人々は何と呼ばれるのでしょう?
アイルランドにはこれに対応した呼び名がちゃんとあって、カルチー(Culchie)と言います。
カルチーはアイルランド語が起源の言葉で、地方に住む人々のことを指します。

以前「ダブリンきらい?」という記事でも触れましたが、ダブリンの都市部の人たちのことは「イングランド人の回し者」という意味でジャキーン(Jackeen)と呼びますね。

これらの呼び名はいずれも他者を侮蔑的に表現した言葉です。

Killinaskully.jpg
(ティペラリー出身のコメディアン/俳優のパット・ショートによるアイルランド西部のカルチーたちを描いたコメディー「Killinaskully」)

カルチーは、実際のアイルランド人たちにとっては「田舎者」、「ゲーリックフットボールの選手やサポーター」、「保守的で洗練されていない人たち」、「アイルランド音楽などを聴いている人たち」、「ハーリング好きの人たち」、「ダブリンを除くアイルランド人たち」というイメージで使われているそうです。

一方でタウニーは「町の人たち」ですから、ダブリンやコークなどの都市部はもちろん、エニスのような小規模の町で生まれ育った人たちに対しても使われます。(但しダブリン市民にとってはエニスの町の人たちもカルチーなんでしょうね・・)
私たちの友人のように「DIYのできない、手を汚す仕事のできない人たち」という皮肉を込めて使われたりします。

さて、クレア州の地方に暮らす人々にとっては、とりわけエニス出身のタウニーたちに対してコンプレックスがあるとも言われます。
「ダブリン人とかよりエニス人の方が風当りが強いんじゃない?なにしろ自分の州にある町だからね・・」

タウニーはつらいわね。

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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