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「No Thanks」は「Yes」?分かりにくいアイルランド人

2018.04.04 21:45|アイルランド人
先日とある人気トーク番組を観ていたら、元アイルランド代表のラグビー選手ドナカ・オカラハン(Donncha O'Callaghan)がゲストで出てきました。ユーモアたっぷり、子ども番組も担当するアイルランドの人気者です。



トークの中でとても面白いエピソードを紹介しており、思わず笑ってしまいました。

「イングランドで仕事をしていると、やっぱりアイルランドが恋しくなりますね。イングランドの人たちはいい人たちなんだけど・・・なんというか、どうもユーモアに欠けるんですよ」
「先日、(イングランド人の)同僚がホームパーティーをすると言うので呼ばれて行ったんですね。彼の奥さんがおいしそうなケーキ焼いてて、すごくいい匂いでね」
「で、僕のところにもケーキを持った奥さんがやって来て『おひとついかが?』って言うわけです」
「でもさ、アイルランド人だったら普通そういう場面で何て答えます?・・・『No thanks, I'm fine (いえ、結構です、ありがとう)』でしょう?!」
「そしたら、その奥さんどうしたと思う?ケーキ下げてとっとと行っちゃったんですよ!!!もう一回訊いてよ!って感じですよねえ!」

「ほんと、イングランドの人たちって僕たちとは全然違う人種の人たちですよね」とドナカ。

ケーキを誰かに勧めて「いえ結構です」と言われたら。それは「そうか、この人はケーキ要らないんだな」と言葉通りに受け止めればむろんそうなります。
しかし何ともやっかいなことに、アイルランドではそう簡単にはいきません。
じゃあどうすればいいの?どんな風に対応すればいいの?
こんな場面で一度断られたら、「そんなこと言わずに、ほら、どうぞ!」と強く押さなければいけません!更に言うと、アイルランド人はあなたのこの「プッシュ」を待っているのです。

何が起こっているのかというと、最初の「ノー」は遠慮の「ノー」なんですね。アイルランド人特有の控えめであること、礼儀正しくあることを良しとする国民性の表れなのです。
ドナカの例のように相手(=同僚の奥さん)がほとんど面識のない人である場合、これはよく見られるアイルランド人の態度です。
だんだんに親しくなってくればリラックスして本音も出るようになり、同じような場面で「本当は食べたいけど遠慮する」という演技も少なくなってきます。

No thanksはYes?2

YesかNoかはっきりしてよ!と思わず叫びたくなってしまう、このアイルランド人の曲折した返答。
彼らのカルチャーを知らない人は、このイングランド人の奥さんのようにケーキを下げてしまうことでしょう。そして、本当は食べたいと思っていたケーキをもらえなかったかわいそうなアイルランド人を置き去りにしていることにも気づきません・・・!
こればかりはこの国でアイルランド人と暮らしながら習得、トレーニングしていくしか手立てがなさそうです。

でも一番大事なのは、今相手と私との間にどのくらいの距離があるかということを見極めること。
アイルランド人は、これに大変長けています。

相手と私はどのような関係なのか、今どのような場面なのか、誰がホストで誰がお客なのか、貸し借りはないか、私は相手のことをどれくらい知っているのか、相手は私と友だちだと思ってくれているのか、回りに誰がいるのか・・・。

こうして自分の今ある立場をあらゆる角度から点検し、その場に最もふさわしい態度をとる。アイルランド人たちは無意識に行っているのでしょうが、これは実は非常に高いスキルを要する行為です。

アイルランド人のあまりにきめ細やかな神経の使い方には、日本人の私も時に唖然とします。
私の目に映るアイルランド人は、そういう意味で非常に社会性のある人たちです。自分の立場をわきまえている人たち、控えめで、相手との距離を常に慎重に測り、見極め、相手を困らせないよう細心の注意を払う人たち。

どこまで見習えるのかは未知ですが、人として、社会人として今でも学ぶことの多い日々です。

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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