日本語を話す隣人

2010.03.23 08:29|アイルランド的生活
家から歩いて5分のところに、コーマックは住んでいます。住んでいると言っても家はなくて、あるのは古くて小さなキャラバン(日本ではキャンピングカーとでもいうのでしょうか?これに住んでいる人がアイルランドには多いです)と、コーマックが「建てている」と言うおかしな小屋だけです。電気もなければ水道もありません。それだけでもかなり変わり者の隣人ですが、実はとても聡明でユーモア溢れる素敵な人です。

ダブリン出身のコーマックは20代前半に日本に興味を持ち、国が支援するエンジニア派遣事業に応募して電気技術士として3年間、日本に住んでいたそうです。最初の2年間は東京、それも五反田に住んでいて、日本語学校に通いながら企業でテレビのリモコンを人が指で押した時にどの感触が最も心地よく、押しやすいかという研究チームにいたそう。彼曰く「五反田って言っても山手線じゃなくて池上線沿いの、地味な方ね」とのことで、アイルランド人にここまで日本のことを知られているのが本当におかしくて大笑いしてしまいました。

我が家に初めて来た時は、子どもたちがちょうど「ニュウニュウ飲みたい」と言っていて、夫がコーマックに「ニュウニュウっていうのはミルクのことだよ。日本語で牛乳って言うでしょ?」と説明したら「ギュウニュウ・・・!!久し振りにその単語聞いた・・」と頭を抱えて感激していました。

その後もたびたび家に遊びに来たり、散歩がてら私が子どもたちを連れてコーマックの家(?)を訪れたりしているうちにずいぶん親しくなりました。コークに釣りに行って鯖をたくさん釣ってきたというので、私は初めて鯖の刺身作りに挑戦、コーマックともう一人の友人を呼んでお刺身ディナー会をしたりもしました。

五反田に暮らし、電気技術士をしていたような人が、今ではアイルランドのこんな田舎でキャラバン暮らしをしているというのもちょっと奇抜で面食らいます。しかも、コーマックは日本語がかなり堪能で、私と話すたびに少しずつ記憶がよみがえるらしく、私も彼に合わせながらゆっくり日本語で会話ができたりして、それが周囲の景色とはまるでちぐはぐでつい笑みがこぼれます。
漢字の話などもときどきします。読み書きもできるんだなあ、すごいなあ、と感心していたら、ある日「貸してあげる。パット(夫)の日本語の勉強に」と渡されたのが、なんと五味太郎の「日本語擬態語辞典」!!
こんなアイルランドの片田舎で五味太郎!何だか本当にちぐはぐな田舎生活なのでした。
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テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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