私のジャケットのゆくえ

2014.11.19 22:28|アイルランド的生活
日本から戻って1週間もしない週末の午後。我が村フィークルのパブでチャリティーの音楽イベントがあるということで、時差ぼけの治らないぼんやりした頭のまま、家族で出かけてきました。

パブに入ると、大勢の人。いつもの通り、よく見知った顔の人々でごった返していました。
子どもたちはさっそくいとこを見つけて、私たちをよそに遊びに行きます。パブの奥では、地元のミュージシャンたちによる大セッションが繰り広げられています。楽器を持った子どもたちの姿も多く、30人以上はいるでしょうか。

夫の弟と長話をしていたら、そこに私たちの親しい友人ジョンとマイケルが登場。
「せっかくだから、セッション入ろうよ」
というわけで、セッションを取り仕切るシェイマスに「4人ね」と声をかけてスペースを空けてもらいました。

11月も半ば、外は10℃ほどの気温だというのに、パブの中はものすごい熱気です。
私の正面に座っていたゴールウェイのフルート奏者の女性が、ジェスチャーで「暑くてたまんないわね!」と伝えてきます。
「本当に。ジャケットなんて着ていられない」と私も返して、ジャケットを脱ぐと座っていた椅子に敷いてその上から座ってフィドルを弾き続けました。

それがいけなかったんですねえ。

分厚いタートルネックのセーターを着ていた私は、セッションが終わると「暑い暑い」と言いながらお尻に敷いていたジャケットのことをすっかり忘れ、そのまま帰宅してしまったのでした。

しかも、ジャケットを忘れてきたことに気がついたのは、翌日になってから。
我ながらどこまでぼんやりしているのだか。それとも、これも時差ぼけのせいなのでしょうか。・・いや、違うな。
更には、ジャケットのポケットの中に携帯電話も突っ込んでいたことを思い出しました。あれまあ。

パブのオーナー、ジェリーに電話して訊こうと思えど、彼は日中もう一つの仕事があってパブにはいません。
夜になってやっとつながりました。
ジャケットの件を話すと「あ、そうなの?ちょっと待って、昨夜パブを閉めたきりまだ片付けしてないんだよねえ」
そして、ゴソゴソ、ゴソゴソ。
「あ、あったよ!濃い緑のジャケット?うん、どうする?今から取りに来るの?」
「ジェリー、悪いんだけどさ、今夜出られるか分からないから、持っててくれない?」
「そうしたらさ、向かいのモローニーズ(パブ兼お店)に渡しておくよ。あそこなら日中でも店が開いてるし」
「ありがとう、それは助かります~」

というやりとりをしたのち、昨日の午前中にモローニーズまで車で出かけました。
「あのー、カウンターの奥に私のジャケットがあると思うんだけど」と店番の女性に訊くと、
「緑色のジャケット?これかしら」

私のジャケットのゆくえ

ああ~、あったあった!それです、私のジャケット!長年愛用している私のジャケット!ありがとう~。
携帯電話もポケットにちゃんと入っていました。

まさかこんな古ぼけたジャケットと古ぼけた携帯電話を盗る人がいるとも思わないけれど、見知った顔同士だからできるこんなやりとり。こんな親切。アイルランドだなあ。

ただいま、アイルランド。
と、心の中で呟いた出来事でした。

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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