デイジーの轍(わだち)を行く

2014.06.17 06:00|アイルランドの自然
私たちの家の前には、小さな道が通っています。これでもちゃんとした公共の道路で、忘れた頃にクレア州の道路整備の人たちがメンテナンスをしに来てくれたりします。
この道は、私たちの土地を過ぎると左に折れてしばらく続くのですが、この曲がり角からはご近所さんが所有する私道で、最後は行き止まり、どこにも出ることはできません。だから私たちの家の前を行く車は、近所の人(私たちの家の先に更に4軒の家があります)か、彼らを訪ねる人たちだけ。通りすがりの車や輸送車の姿はありません。

そんな理由からとても静かな道路なので、2年ほど前から子どもたちも近所の往復ならしてもいいことにしています。
一方通行の細い道ですから、誰もスピードを出しません。

道の両側からは木や天然の垣根が生い茂り、ほぼ一日中日陰の場所があります。そんな日陰の道には、轍(わだち)ができています。

デイジーわだち2014 (1)
(右手に見える石垣が、我が家への入り口です)

轍なんて、もう都会では見かけませんね。
轍は、車の通るあとに残る車輪の跡のことで、車輪と接触のない道の真ん中には草が生えたり、ぬかるんだ土が盛り上がったりします。
高校生の頃、「わだちとは何か」を国語の先生に教えてもらった記憶さえあります。

この轍に今デイジーが咲いていて、とてもきれいです。

デイジーのわだち2014 (1)

デイジーは春になるとそこらじゅうに咲く可憐な野草です。

デイジーのわだち2014 (2)

アイルランドの田舎の女の子たちは、デイジーを摘んで花輪を作ったりもします。かんむりを作ったり、ブレスレットにしたり。
私も小さい頃、家の近くの野原でシロツメクサの花をたくさん摘んで、夢中で花輪を作った記憶があります。楽しかったなあ。

デイジーの花輪

このデイジー、日が落ちると花が閉じます。私たちと同じように眠っているようで、これもまたきれい。
そもそもデイジー(Daisy)という名前は、古名である「Day's Eye」から来ているのだとか。日中(Day)には目(Eye)を開けているけれど、暗くなると目を閉じる。面白いですね。

わだちは、車の車輪に押し上げられてだんだん高くなってくると、ちょっと厄介です。
車の腹にぶつかるのでは、とハラハラドキドキしてしまう。
でも、私たちの家の前のわだちは日陰にあるせいで、草丈が伸びることもなく世話要らずです。

誰が管理をするでもなく、いつもそこにある、ありのままのわだち。
車という人工物によってできた産物ではありますが、周りの自然の風景にも溶け込んでいるように見えます。



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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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