手作りのものの価値

2014.05.08 06:08|手作りのある暮らし
数年前に、アイルランド音楽を通して知り合ったある女性がいました。
とても素敵なアメリカ人の彼女から、「お世話になったお礼に」といって後日小包みが届きました。
美しい綴りの手書きのポストカードと共に届いたのは、陶器のティーポット。

pamspot.jpg

「陶芸家である私の友人の作品です。気に入っていただけたら幸いです」。

一目見て、惚れました。
ティーポットのぐるりに施されたモチーフ、シックにまとまった色合い、ティーポットの大きさはもちろんのこと、蓋を閉めた時の感触やハンドルのカーブ。すべてが気持ちいい、すべてがていねいに考慮され、デザインされた、ハンドメイドならではの優しさに満ちています。

私はハーブティーを作る時には、必ずこのティーポットを使います。使えば使うほど、手になじんでいく気がします。

贈りものであるという事実も、このティーポットに対して愛着がわく理由の一つです。
使うたびに、彼女のことを思い出します。彼女の友人の陶芸家の人は、一体どんな人だろうと想像したりします。

たったひとつのティーポットについて、こんなに語れるというのは幸せなことだなあ、と思うのです。

ものにあふれたこの時代。ものは使い捨てるもの、という感覚を、知らず知らずのうちに擦り込まれている気がしませんか?
キッチン用品も雑貨も、自分の服も家電製品も、みんな古くなったら捨てる。飽きたら捨てる。新しいバージョンが出たら捨てる。

私は、このティーポットに飽きることなんて一生ない気がします。このティーポットを捨ててしまうなんて、絶対にあり得ません。古くなってもいい。いいえ、古ければ尚一層いいではないですか。

「たかがものじゃない」と言ってしまえば、それまでです。でも、生活に最低限必要なものというのはあって、私たちはそれらのものに囲まれ、それらを使い、それらに助けられて毎日生きています。
我が家も、そんなものたちにあふれています。不必要なものだって、たくさんあります。愛着の全くないものも、たくさんあります。

このティーポットは、手作りです。
どこにあるのかも分からない工場で、機械によって大量生産されたものとは違います。
今、市場に出回っている多くのものが量産品です。私たちはこれを何らかの理由でもって気に入り、買います。量産品だから、すごく安く買えます。
このアメリカからやってきたティーポットは手作りだから、もしお金で買ったら本当はすごく高いのかもしれません。
買う時には、悩みますね。「う~ん、かわいいけど高いなあ、どうしようかなあ」

そんな時、考えてみてください。手作りのものの価値。
不思議なほどに手になじむ、作り手の思いが伝わるような存在感を放つ、ハンドメイドのものの価値。
その時は高くついても、あなたの生活の中でいつまでも愛され、使いこなされ、いつの間にか生活の一部になっている。
そんな、大切なものになるはずです。


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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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