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生産者の顔が見えるところで

2012.08.05 00:17|豊かな暮らしを考える
日本に滞在中、実家から歩いて数分のところにある生活クラブのお店、すすき野デポーに何度か買い物に行きました。日本に住んでいた頃は、毎週のようにお世話になっていたおなじみの地域自慢のお店です。

母は私たちが子どもの頃から生活クラブのメンバーで、一時は支部委員長もしていました。
食品添加物の危険性を訴えたり、食品の低農薬化を実現したり、地域の農家や肉屋、お豆腐屋さんなどと提携して独自のルートで食品を調達、提供しています。生活意識の高いメンバーに支えられた素晴らしいコンセプトの食品店、デポー。

デポーで扱う野菜やお肉はすべて国産、無添加、低農薬です。
また生産者と消費者の距離が近く、それゆえに安心して食品を購入することができます。

この前の帰省中には、福島県本宮産のブロッコリーが売られていました。価格の下に何やら書いてあるので(もちろん手書きです)読んでみると、「私の出身地に近い福島県本宮市で収穫されたブロッコリーです。検査済み、安心してお召し上がりいただけます。福島の農家へ向けた皆さまのご支援、よろしくお願いします」とあります。これを書いたのは何年もこのデポーで働く、私も顔見知りの女性です。アイルランドに戻る直前に寄った時に会ったので声をかけました。「線量がなかなか下がらなくて大変だけど・・みんな頑張ってますよ」とのこと。
デポーの○○さんの知り合いが作ったブロッコリーなんだ。彼女がこう言ってるんだったら大丈夫、買って支援しよう。

消費者は、生産者の顔が見えるところで買い物をする。

デポーの魅力は他にもたくさんあります。
私にとっては、なんと言ってもここで働くきらきら輝く女性たちに会えることです。
生活クラブの食のあり方に賛同する女性たちが自ら立ち上げ、形にしたお店だけあって彼女たちのパワーにはいつも脱帽なのです。
そしてありったけの笑顔。ここに来ればほとんど誰もがお互いどこの誰かを知っている。「えりちゃん、帰ってたの~?!元気そう!」と声をかけてくれます。

生活と自治
(デポーに行くと入手できる生活者のための新聞「生活と自治」。これまた素晴らしい読み物です)


大手のスーパーに比べれば割高だし、生活クラブのメンバーにはならなければいけないし、夜は7時ぐらいには閉まっちゃうし・・・とまるで時代を逆行するかのようなデポー。
でもだからこそクオリティーの高い食品と地域にしっかり根づいたお店を実現させているのです。

今のこの消費の時代、生産者と消費者の距離が広がる一方で、私たちはどんな場所でどんな人たちがどのようにこの野菜を作ったのかも分からないまま、それを平気で口にしています。考えてみればとても不自然な話です。
顔が見えない相手だから、いざそこにリスクがあるやも知れない事態になると、急に不安になって購入を拒みます。今まで普通に食べていた野菜について、実は自分が何の知識も持ち合わせていなかったことに初めて気がつくのです。

本当は、自分の口に入れる食物はもっと身近なところで生産されているのが本来の姿なのだろうなあと思います。そしてその食物のクオリティーによる安心に加えて、そこに生産者との信頼関係があれば、更に安心して食物を消費することができるのではないかなあ、と思うのです。

デポーにお買い物に行こう!
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テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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