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2021.07.27 08:45|毛糸と私
皆さんこんにちは、お元気ですか。
久々の投稿となってしまいました、望月えりかです。アイルランドは数日前まで記録的な暑さで、なんと30度以上まで気温が上がりました。今日になってやっといつも通りの気候に戻り、雨が降り、20度前後まで気温も下がってくれました。ほっ。

6月のはじめに音楽仲間の友人マークから「Hi エリカ、2匹分の羊のウール用意してるからね!」というテキストメッセージをもらいました。内心、「ひえー、前回もらった原毛(フリース)、まだ全然紡ぎ終わってないな~」というのが正直なところだったのですが、せっかくのウールのオファーです。
それに、コロナウイルスによる規制がはじまってからパブでの音楽セッションがなくなってしまい、それ以来マークには一度も会っていません。すぐ近くの村に住むマークは肉牛農家ですが、数年前から羊も飼い始め、代々続く広い農場で自営農業をしています。

地元の羊のウールというのは、私にとって最も魅力的です。

いろいろな品種の羊の毛を紡いだり、豊富な知識と経験を持つ紡ぎの会のメンバーたちに教えてもらううちに、肉用の羊でも十分に良質なウールが得られることが分かってきました。
更には、同じウールでも紡ぎ方によって肌触りが違ったり、より柔らかな毛糸を紡ぐ方法を学んだりして、前よりも「紡ぐこと」への理解が深まったように感じています。

「ありがとう!そっちまで車で取りにも行けるけど?」
「次に会う時までキープしとくよ。いつかチューンできるといいよね」

という会話をした1か月後のこと。今夜村のパブで音楽をするから、もしよかったらウールを持っていくよ、という連絡をもらい、娘のリラを誘って母娘でペパーズという地元のパブに行ってきました。久し振りの夜の外出。久し振りのライブミュージックです。

霧雨が降ったりやんだりする涼しい夜、3人のミュージシャンたちはパブの外に設けられたパラソルの下でアイルランドの伝統音楽を演奏していました。
規制下で公な宣伝ができないということで、音楽の知らせをもらった人は一握り。音楽好きのよく知る顔ぶればかりで、まるでちょっと前までの日常が戻ってきたかのようでした。ギネスをグラスで2杯飲んで、シャノン空港で働いていた友人のロレッタとおしゃべりをしながら音楽を楽しみます。最高の音楽とお酒とおしゃべり。もうこれ以上何もいらないな~。
あ、でもウールはほしいんですよ。

ほろ酔い気分でいたところ、マークがフィドルを置いて「よし、そろそろ運送作業に入るか!」と立ち上がりました。音楽のために私を引き留めてしまっているのではと気にかけてくれたのです。いえ、早く帰りたいのに、なんて全然思ってもいませんのよ。

車から車へ、羊毛がパンパンに詰まったバッグを二つ運び入れます。
「マークの羊たちはサフォークだったよね」と確認すると、「今回のはね、サフォークとクランフォレストっていう品種の羊の交配なんだ」とのこと。クランフォレストという羊は、紡ぎの会のメンバーがつい最近話していた品種です。おお、これはちょっと楽しみ。

そんな宝物のような夜にもらってきた原毛のたっぷり入ったバッグのひとつがこちら。

マークのウール2021 (14)

これだけ見ても、ウールの良し悪しは分かりませんよね。紡げそうな部分を適当に見つけて、ウールをひと房取り出してみました。

マークのウール2021 (1)

触った感じはなかなかいい感じです!これは、予想以上にいいかも!
それに、このウールには何となく光沢がある。うーん、期待がさらに膨らみます。

今回は、毛の長さもちゃんと測ってみました。

マークのウール2021 (13)

5インチ強。決して長い毛ではないけど、ちょうど紡ぎやすい長さです。

この頃から好天が続いていたので、バッグから原毛を出し、広げてみました。

マークのウール2021 (12)

うわー!なんて大きなフリースでしょう!それに、藁や木の枝などの不純物もほとんど混入していない、きれいな状態の原毛です。マーク、偉すぎる!
羊にも個体差があって、フリース1枚のサイズは異なります。フリースのクオリティーも、その羊の性別や年齢、食糧、飼育環境や気候によって違ってくるのですね。

フリースをこうして広げてみると、羊の形になっているのが分かります。ここが首回り、肩、背中、後ろ足、しっぽという風に。これが分かると、これから始めるウールの分別作業(スカーティングSkirtingと言います)がとても楽になります。
1匹の羊のウールでも、部分によって質が違うのです。足の部分の毛は硬めだし、一般的には首や肩の毛は柔らかいそうです。

この特大フリースも、見て触ってみるとふわふわのところと明らかに毛が太いところがありました。
紡ぎの会のグループチャットで経過を報告しながらアドバイスをもらい、分別の仕事にとりかかります。
こんな風に原毛に本格的に向き合って仕分けをしていく作業は、私にとって初めての経験です。時間はかかっても、これも勉強のうち。

アイルランドのウールを使って、できるだけ柔らかい毛糸を紡ぎたい。

初めて紡ぎ車に触れたのは、2015年の冬の終わり。6年後の今、やっと私の目指したいものが見えてきた気がしています。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と5人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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