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2020.05.26 23:50|ワイルドフード
私と同じようにアイルランドに暮らす日本人の友人が数人います。一年に数回しか会う機会のない友人ばかりですが、気が合って、気持ちのいいつきあいができるありがたい友人たちです。リムリックに住む友人もその一人。

ある時、食べもの好きの彼女から嬉しいお誘いをいただきました。

「えりかさん、今度一緒にわらび採りに行きませんか?アイルランドでも春になるとわらびが収穫できるんですよ」

家の周りに生えるゼンマイを収穫して食べたことは去年の記事に書きましたが(これも食べちゃおう。ゼンマイ)、シダの一種であるわらびはなぜか私たちの土地には見当たりません。

わらびかあ!いいわねえ。
わらびは日本では山菜のひとつ。春に出てくる若い芽を摘んで食します。実は、横浜市で育った私はわらびやゼンマイが食卓にのぼった記憶がなく、わらびの味と言われてもピンと来ない。アイルランドで初めて食すわらびとなりそうです。

エニスの町で友人と待ち合わせをして、車で連れてきてもらったのはバレン高原。好天に恵まれました。

Burren with Lily 2014 (5)

葉っぱが生える前の新芽を摘むといいということで、友人に教えてもらいながらバレンで初めてのわらび狩りをしました。
わらびはこういう乾燥した場所が好きなんですね。

この日収穫したわらびは、自家製のお味噌と酢で和えてご飯と一緒にいただきました。淡白な味や食感がおいしいわらび。友人に感謝です。

一度収穫を経験すると、目が肥えるとでもいうのでしょうか。生えていそうな場所や形状が分かってくるので発見しやすくなります。今度行った時は一人でも分かるかも。
来年の春にまた収穫に行けたらな。この時は、そう思っていたのです。

さて。数日後、近所のファームに牛乳を買いに出た私。

ん?あれ?
いや待てよ。こんなことってあるの?

確かに私たちの土地には一本も生えていないわらびですが、歩いて5分ほどの道の脇に威勢よく伸びているこれは・・・まぎれもなくわらびではありませんか?!

わらび2019w (5)

灯台下暗しとはまさにこのこと。
なんと、ここにもあそこにも、収穫にもってこいのサイズのわらびが頭をもたげていたのです。

これは、摘むしかない!

わらび2019w (8)

片手では持ち切れないほどの束のわらびが、あっという間に採れました。どうして今の今まで気づかなかったんでしょう!

わらび2019w (1)

思わぬ豊作となった近所のわらびに大興奮の午後。今度は味噌和えだけでなくいろいろな調理法を調べ、試してみることにしました。炊き込みご飯、パスタ、サラダ、ナムルにしょうゆ漬け。

わらび2019w (16)

自然の恵みである山菜は、英語圏ではWild Food ワイルドフードと呼ばれる食材に属します。この季節だけに楽しめる、旬の味。せっかくだからもう少し摘んで、もう少し味わってしまおう。

数日後、今度は袋を持って反対側の道を歩いてみるとここにもわらびの群生を発見。やったー。
いそいそと摘んでいると、近くに住むファーマーのキティーが犬との散歩から戻ってきたようです。「何を摘んでるの?」

わらび2019w (7)

「これこれ、Bracken(わらび)。日本では食用にするのよ」と話すと案の定「へえ!食べられるなんて知らなかった」との反応。

「ま、私はどうせ食べないから取りたいだけ取っていってよ。この植物ね、子どもの頃父親に『牛が食べるといけないから、見つけたら引っこ抜くように』って言われたの覚えてるわよ」

そうなのです。わらびは生で食べると中毒を起こすことがあり、食用時には必ず重曹などを使ってあく抜きをしなくてはなりません。
そんな手間をも惜しまずにシダ植物を食す我々。これはアイルランドの食文化にはありません。道路脇にかがみこんで、せっせと摘んでいるのは日本人の私だけ。わらび摘み放題とはまさにこのことです。

4月の頭に生まれたおチビちゃんの世話と産後の回復中ということもあって、今年はあやうくわらびの収穫を逃すところでした。パットさんと息子のショーンに手伝ってもらい、おいしいわらびをたくさん摘んで、さっそく炊き込みご飯にしていただきました。残りはおしょうゆと白ワインにおろししょうがと唐辛子を少し入れた瓶に入れてしょう油漬けに。
あと少しだけ、春の味を楽しめそうです。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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