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2019.02.14 00:14|食文化/食事情
アイルランド島には32の州があります。「県」と訳されることもあるので、都道府県のようなものと考えてよいでしょう。さらにはこれらを地域別に分ける呼称があり、これは関東とか関西、東北、北陸、四国地方と似たような意味合いで使われています。
私たちの暮らす州はクレア州(County Clare)で、クレア州はアイルランド南西部のマンスター地方に入ります。
首都のあるダブリン州のある島の反対側、アイルランド東部はレンスター地方と呼ばれます。このレンスター地方にカーロウ州(County Carlow)というとても小さな州があり、ここにパットさんの弟の一人が住んでいます。

カーロウ州

地元の女性と結婚し、この小さな村の小学校で校長先生をしている義弟のダンが、週末我が家に泊まっていきました。
亡き義父に似て大きなダンはよく食べるし、食生活もトラディショナル。夕方の時間に到着するということだったので、夕飯にはまだまだたくさんある我が家のジャガイモをオーブンでローストし、ダンが食べ慣れているであろうニンジンやかぶなどアイルランドの定番野菜を蒸すことにしました。そして、アイルランドのディナーといえばお肉がなければいけません。我が家は週に一度お肉を食べるか食べないかという食事で、しかもパットさんはお肉を食べませんからいつもお肉屋さんでは一食分、3人分のお肉を買い求めるのみです。
でも、今日は特別。隣町のお肉屋さんのリアムからポークを買い、これでシンプルにポークジンジャーを作ることにしました。

やや遅い時間に着いたダンは、エニス郊外に住むもう一人の弟家族を訪ねていたらしく、最初は「そっちでご飯食べたから大丈夫」と言います。断られても「そう言わずに、ほら!」と押すのがアイルランド流の礼儀で、パットさんも一緒になって「Ah go on. うちのジャガイモもおいしいし、ポークも焼いたんだよ」と促すと「ああ、じゃあちょっとだけ」

実際にはポークを丸ごと1枚とジャガイモを3~4つ、野菜もたっぷり盛って出すときれいに食べてくれました。
すると、ダンが「このポークすごくおいしいね、どうやって作ったの?」
「あ、それ?簡単。ショウガをすりおろしてそのジュースをかけたの。あとは塩とコショウだけだよ」と答えると

「え、何?ジン?なんて言ったの?」
「ショウガ。ジンジャーね。Ginger」
「え?ジンジャー?何それ?どういう綴り?」

「!!!」

最初は、ひょっとすると私の発音が悪いのかと思ったのですが、どうやらそうではなさそうです。
ダンは、ショウガが何であるかを知らないんだ。

ひょえー!
まだ半ば信じられない思いで「ほら、ショウガってスーパーとかでも売ってるじゃない?根っこの部分を香味料として使うのよ」と説明すると、ダンは大真面目に「ふーん。どんな形してるの?へー、で、皮はむくの?OK、じゃあ今度探してみよう」

わーー!
翌日ダンが帰ってから、「ダン、ショウガ知らないんだね・・」と苦笑いしてパットさんに話すと、「まあね、驚きはしなかったけど。ショウガなんてすごく異国のものだし」
ヨーロッパにはショウガを使ったお菓子やら、人の形をしたジンジャークッキー(Gingerbread Man)なんていうものもあります。でも、ダンのようにジンジャーが何であるかを知らない人たちが、アイルランドにはごまんといそうです。それどころか、ショウガなんて見たことも買ったこともない人のほうが一般的なのかもしれません。

パットさんは若かりし頃インドやタイ、スリランカなどを放浪し、今でもスパイスたっぷりのインド風カレーなどを作ります。ですから、我が家のキッチンにはショウガはもちろんのこと、聞いたこともないような香辛料が多数常備されています。ショウガは私もしょっちゅう使いますから、ショウガを切らすと「大変!」となるほど定番中の定番。そんな我が家は、きっとアイルランドでは珍しい家庭なのでしょうね。

そういえば、義父も限られた野菜しか口にしなかったなあ。(記事はこちら→トウモロコシを知らない義父

クリスマスに会わなかったせいもあるのでしょうか、ダンは抱えきれないほどの手土産を持ってきてくれました。自分の畑で穫れたかぶやパースニップ、ニンジン。ジェイムソンのウィスキー、赤ワイン、子どもたちにはお菓子を一袋ずつ、それにダンの奥さんエトナが焼いたフルーツケーキ。
子どもたちが寝たあとは、エトナのケーキと紅茶をいただきながら、エニスの地元の人々の話題や音楽、家族のことなどをわいわいと話し、楽しい時間を過ごしました。

義母が好きだった西洋ヒイラギの木がほしいと話していたダンのために、ネイティブの木を販売する友人から何本か買っておいたパットさん。これを遅ればせながらのクリスマスプレゼントにして帰り際のダンにあげていました。
数年後にはカーロウのダンの庭で、赤い実をつけているかもしれません。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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