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2018.10.03 22:43|レシピ
アイルランドのお酒といえばギネス。いやいやウィスキーでしょう、という方も多いかもしれませんね。
黒ビールやウィスキーなどと並んで人気のあるもう一つのお酒にサイダーがあります。日本では「シードル」という名前で知られているのかもしれません。
サイダーというと子どもでも飲める炭酸飲料を想起しがちですが、もともとサイダーとはりんごを発酵させて造るアルコール飲料のことを指します。そういえば私も学生時代にアイルランドを一人旅していた際、この間違いを犯した経験があります。宿で知り合った女の子と一緒にパブに行き、「何を飲む?アップルサイダーはどう?」と訊かれたので私は「おお、りんごの香りの炭酸飲料、いいかも」と勘違いしてしまったのです。いざ注文すると、手渡されたのは大きなパイントのグラス一杯になみなみと注がれたシュワシュワのお酒。飲み終えるのに必死でした。
その時に出てきたのが、アイルランドのサイダーの代表格、ブルマーズ(Bulmers)です。

ブルマーズサイダー

アイルランドでは大小さまざまなサイダーメーカーが商品を出していて、りんごの代わりに梨を使ったサイダーも人気です。
さて、実はこのアップルサイダー、自宅でも簡単に作れるのですね。
イングランドやアイルランドでは自宅でベリーや野生の花を使ったワイン、サイダー作りが盛んで、私の回りにもそんな人たちが多いです。かくいう私も自宅でワイン作りを始めて数年が経ちますが、サイダー作りには今まで挑戦したことがありませんでした。

サイダーを作るには大量のりんごが必要なのと、生のりんごを絞ったジュースから作るので通常はプレスと呼ばれる絞り機が要ります。そんな理由から、何年も興味はありながら断念していたのでした。

年々我が家の敷地内で収穫できるりんごが増えてきて、今年も何個ものバケツにいっぱいのりんごが納屋に。
どうやって使っていこうかしらと思っていたところへ、救世主が現れました。

エニスの町にあるパットさんの実家の屋根裏部屋を整理していたら、誰も使っていないジューサーが出てきたのです。おそらく甥のダニーが買って、一度か二度使ってそのままになっていたのでしょう。新品同然です。
ジューサーとは、ミキサーにも似ていますが野菜やフルーツなどを入れるとジュースを撹拌してくれる電気機器です。一方からはジュースが、もう一方からは果物などのカスが出てくるということですね。野菜ジュースなどを自宅で簡単に手作りすることができます。

絞り機よりは効率が悪いけど、時間ならいくらでもある。よし、サイダー作ろう!

まずはりんごの準備から。

アップルサイダー作り2018 (6)

りんごは生でもよく食べるので、サイダー作りには生食には小さすぎるサイズのりんごや傷みのあるものを私は使いました。もちろん、傷んでいる部分はナイフできれいに切って捨てていきます。

アップルサイダー作り2018 (12)

ボウルに何杯分のりんごを使ったのでしょう、分かりません。
ジューサーのいいところは、皮をむいたり芯を取る必要がないことです。リズムよく、思い思いにりんごをざく切りにしていけばよいのです。私の性格にぴったり・・!

アップルサイダー作り2018 (13)

こんな感じです。
でも量が足りないわ。

アップルサイダー作り2018 (5)

まだまだ。まだまだ。
りんごを切り続ける私と背中合わせに、頼れるアシスタントを雇いました。
リンゴを切るのは「手が疲れた」「できない」とぶうぶう言うのに、マシーン音と共にりんごを絞ってくれるジューサーは気に入ったらしい息子のショーンが、片っ端からりんごを投入、ジュースを作ってくれました。男の子って、どうしてこういう機器が好きなんでしょう。

アップルサイダー作り2018 (1)

しかも味見してばかり。
さあ、これがダニーのジューサーです。こんなところでまさか活躍しているとはつゆ知らず・・・。

アップルサイダー作り2018 (8)

ジューサーから出てきた液体、つまり搾りたてのりんごジュースには、まだ沈殿物がかなり混入しています。なるべく純粋なジュースにするため、モスリンなどを使ってさらに濾します。
台所はりんごの香りでいっぱい。

アップルサイダー作り2018 (9)

うわー、あれだけの量のりんごから、たったこれだけ?という驚異の遅さではありますが、サイダーのもととなるりんごジュースが確実にできてきました。

アップルサイダー作り2018 (4)

ひいひいひい。
一体何時間を費やしたのでしょう・・・これも分かりません。やっと、やっと、デミジョンいっぱい(4.5リットル)のりんごジュースが完成しました!お疲れさま、ショーンと私!!

さあ、お次は何?ここに何を入れるの?
と思いますよね。
実は、何も入れません。何も入れない、何も足さない。どういうことかというと、りんごなど自然界に育つ植物には何にでも野生の酵母が付着しています。酵母(英語ではイーストですね)はブドウ糖に触れると活性化して菌を増やしていきます。りんごの果汁は甘く、発酵に足りる十分なブドウ糖が含まれているので、これを利用して自然発酵させるのが伝統的なサイダー作りの方法なのです。面白いですね~。

近年では安定した発酵を促すために果物に残った野生の酵母を一度殺してからあらかじめ調整された酵母(アルコール作り専用のパウダー状イースト)を入れて作る人も多いようです。私はなるべく自然で伝統的な手法が好きなので、今回は何も使いませんでした。野生の酵母がどんな力を発揮して発酵させてくれるのか。理科の実験のようで楽しいものです。

さて、デミジョンに入りきらなかった搾りたてのりんごジュースを飲んでみました。
・・・これが、なーんておいしいんでしょう!こんなりんごジュース、初めて飲んだ気がします。市販のものとは比べものにならず、上品で奥行きのある感動的な味です。そうかあ、これがりんごジュースの本当の味なんだなあ。

数日すると、期待通りさっそく発酵が始まりましたよ。

アップルサイダー作り2018 (2)

ガスが出始め、エアーロックからは泡がポコポコ言って出てきます。

そういうわけですから、アップルサイダーのレシピは
①りんごを絞る
②果汁を濾す
③デミジョンなどの瓶に流し込み、エアーロックをつける
④放置して待つ。
材料:りんご
以上です。こういうのが好きだなあ。

アップルサイダーはりんごの収穫期である秋に作り、クリスマスには飲めると言われます。いつ完成したのかが分かるかというと、これはワイン作りと同様ですが、基本的には発酵が終わりガスが出てこなくなったらできあがりです。つまり、酵母によってブドウ糖が食べ尽くされた時、ということですね。
サイダーの今後の過程はまた違う記事にしてご報告したいと思います。お楽しみに・・!

追記:完成したサイダーの記事はこちらです。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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