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2016.03.09 16:45|毛糸と私
私の暮らすフィークルの村に、羊毛刈りの名人がいます。パットさん(またパットさんですが・・)は小さな羊農家ですが、6月になると村中の羊農家に呼ばれては羊の毛刈りを行っているそう。

「一日に100匹の羊を刈ったこともあるよ」というパットさん。
羊の種類はもちろん、羊毛のクオリティーにも詳しいフィークル出身のファーマーさんです。

ある日村のパブで友人と過ごしていると、そこへふらりとやって来たパットさん。私が糸を紡いでいることを聞くと大喜び・・!

パットさんによると、アイルランドで刈られる羊毛のほとんどはイングランドの業者に安く売られていくのだそうです。
近年では、中国のある業者が更にここから大量に羊毛を買いつけたのだとか。
「家の断熱材に使うんだってよ」
うーん、なるほど。

「地球の反対側に運ばれていくより、地元で使ってくれる人がいるならその方がずっといい!」

「今度、家にある羊毛を持ってきてあげるよ!」と何度も繰り返します。

ま、これはよくある「口約束」ってものだよね・・・と高を括っていた私。
数日後に泥だらけの長靴を履いたパットさんが、突然我が家の玄関に現れた時はびっくりしました。

「ほらよ、約束してた羊毛だよ!」と言って、車からどんどん大きなバッグを運び入れるパットさん・・な、なになに?!

「これは俺が飼ってる黒い羊の毛。そしてこっちは、アルパカだ!」

ア・ル・パ・カ!!!

パットさん曰く、フィークルの村の反対側に住む羊農家さんのところに、アルパカが数頭飼われているそうです。しかしこの農家さん、刈ったあとのアルパカの毛をどうすればよいのか分からず、いつもパットさんに「持っていってほしい」と処分を頼むのだそう。アルパカの毛の価値やクオリティーをちゃんと知っているパットさんは、もちろん廃棄はせずにとっておいたのでした。偉い!

さて皆さん、よくアルパカという素材は「高級」とか「手触り抜群で柔らかい」ということで知られていますが、はて、どんな動物だったっけ?と思うこと、ありませんか?

ばばーん。

アルパカ写真

こ、こんな動物が、フィークルにいるんですね~。
アルパカの飼育は近年アイルランドでも人気が出てきているそうで、牛や羊が食べないイグサもきれいに食べてくれるとか、南アメリカの動物にしてはアイルランドの気候にも合って飼育しやすいという風に聞きます。何かを生産するためというよりは、ペットとして飼っている人が多いようですね。

というわけで、こちらがアルパカの毛。

アルパカウール (5)

ふっかふかでございます。
さっそく紡いでみると・・・

アルパカウール (1)

ふっかふかでございます!!

こんな大量の原毛(フリース)をくれたパットさんに、何かお礼をしなくちゃね。
ということで、まずはパットさんの黒羊1×グレーのアルパカ2を3本撚りにして紡いでみました。
更に、この毛糸を使って帽子を編むことに。

パットさんの帽子 (1)

パットさんのお家も知っているけれど、わざわざ訪ねていくのも仰々しいので郵便で送ることにしました。
梱包してフィークル村の郵便局に持っていくと、局員のブライアンが「パットだったら今日の午後ここに荷物取りに来ることになってるから、来た時に渡してあげるよ。切手もったいないし」。ははっ、ありがとうブライアン。

ほかにも、アルパカの毛を紡いで数種類の色の毛糸を紡いでいます。

アルパカウール (7)

私にとって、地元産の原毛を紡ぐこと以上に価値のあることはありません。
アイルランドに暮らす私がオーストラリアから輸入したフワフワのメリノウールを紡ぐのに、一体どんな意味があるのでしょう?
この土地にあるものを使う。この土地にあるものを食べる。そんな地産地消の暮らしを大切にしたいと思うし、私たちの暮らしの基本であってほしいと思います。

アルパカウール (6)

去年の夏にも追加でいただいた白い羊のウールは、ここから車で15分ほどの場所に放牧されているオーガニックの羊の毛です。
それに加えて、フィークルの村の中心近くで飼われているパットさんの黒い羊のウール。そして、村の反対側にいるらしい(!)アルパカのウール。この環境。この幸運。ありがたいことです。

紡ぐという手仕事も、2年目の冬を迎えてそれらしいものが作れるようになってきました。
また機会を改めて、こちらでご紹介させていただければと思います。

アルパカを紡ぐ (7)


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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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