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2015.03.21 09:08|豊かな暮らしを考える
アイルランドに暮らしはじめて間もない頃、ある些細な出来事に驚いたことがありました。
スーパーのレジでのひとコマです。

私がレジで並んでいると、私の前にいた女性が振り向いて「お先にどうぞ」と言うのです。
意味が分からずにいると、「だってあなた、それしか買わないんでしょう?」と私が手に持っていた商品を指さします。

こちらの人は、驚くほど大量の食品を一気に買うことが多いのですが、私はその日わずか2つか3つのものを買うために並んでいました。
女性は、「(大量の食品のために)時間のかかる私を待つより、あなたは短時間で済むんだから先に行ったら」と言っていたのでした。

このやりとりは、アイルランドのスーパーのレジで今でもよく目にします。

なんて気持ちのよい心遣いでしょう。
私はこの感覚がとても好きです。

みんな並んでいる。みんな平等に並んでいるのだから、平等に待つのが当たり前じゃないの。
・・ということではないんですね。

「みんな同じ」「みんな平等」というのはとてもフェアに聞こえますが、時には「抜け駆けは許さないわよ」というような冷たい側面もあるように思います。

レジで前後に並んでいる人たちは、赤の他人です。でも、みんなお互い知らんぷりをしているのとは違います。助けの必要な人がいれば誰かがいつも気がついて、自然に手を差し伸べている。そんなほとんど気がつかない程度のところで、この国の人たちは他人を気遣う社会性を当たり前に持っている気がします。
そうでなければ、自分の後ろに並んでいる人の商品の数をチェックするなんてことはできませんね。

「他人にまったく無関心」という姿勢では、私たちの社会は住みにくくなります。
バスや電車の中で、スーパーやレストランで。私たちは例えわずかな時間でも、たまたま居合わせた「他人」と呼ばれる人々と空間を共有しています。そこには、私たちが持ち合わせていたいほんの少しの心遣いがあるといいなと思います。

アイルランドの人々から、今でも多くのことを学ばせてもらっています。



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テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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