2010.02.26 08:25|アイルランド的生活
去年の5月にヴィザ更新のため、エニスのイミグレーションオフィスを訪れました。私はアイルランド人と結婚をしているので、5年ごとにアイルランドに居住するためのヴィザの更新をします。
イミグレーションオフィスは警察署の中にあり、ここでパスポートにスタンプを押してもらい、更に外国人登録カードを再発行してもらうのが常ですが、5月に行った時はこれとは少し事情が違いました。

まず、電話での予約時に夫を同伴するように言われ、驚きました。アイルランドに滞在したいがために外国人がアイルランド人との偽装結婚をするケースが増えていることなどを踏まえて、二人が今でも一緒に暮らし、結婚生活を送っているかを確認するため、と言うのです。何だか疑われているような感じで嫌だなあと思いました。
行ってみると、以前までの簡易な手続きの他に私は別室に連れて行かれ、そこで右手、左手のすべての指の指紋を取られました。あまりに予期していなかった出来事なのと、その待遇があまりにもショッキングで頭が真っ白になりました。
それと同時に沸々と怒りも湧いてきて、いつの間にか担当の警察官に「こんな扱い方、ひどいですよ。これじゃあまるで犯罪者じゃないですか」と言っていました。しかし、こんなことを言っても動じないのが警察官というものです。「あなたのパスポートを使って他の誰かがアイルランドに滞在したら困るでしょう」などと全く見当違いの理由を説明し出して表情を変えません。

この苦い経験から数ヵ月後の今日、私はまたこのイミグレーションオフィスにいました。去年の暮れにパスポートを更新したために新たなスタンプが必要になったのです。前回から数ヶ月しか経っていないのだから、今回は夫は来る必要ないだろうと思い、息子のショーンを連れてオフィスに入ったところ、前回と同じ担当者が「夫を連れてこないと更新はできない」と言います。仕事先に向かっていた夫に電話して急遽出向いてもらい事なきを得ましたが、今回も右手と左手の指紋を取ってデータと照合、更には夫と一緒に暮らしているかなどと言った質問をされ、まるで結婚さえしていなかったらアイルランドに住むな、自分の国に帰れと言わんばかりの態度です。
途中から、もう警察官に何を言っても時間の無駄だと思いました。彼らは彼らの任務をこなしているだけなのは分かりますが、そこには相手への理解も同情も何もありません。黙りこくった私の異変に気づいてややフレンドリーに話しかけてくる彼の声もどこか遠くに聞こえ、パスポートとカードを受け取った後はほとんど記憶にありません。
署をあとにした途端、涙が溢れてきました。途方もない無念さ、失望感、悔しさでいっぱいになりました。外国人というだけで、こんな扱いを受けるのは正当ではありません。たかが5年に一度のことでも、アイルランドという国からこのような待遇を受けているという事実は変わりません。

日本にも似たような外国人問題があります。自分たちとは違う異物を監視しようという傾向は、世の常なのでしょうか。でも、私たち外国人は犯罪者ではありません。この国で生まれていなくても、同じ人間として扱ってほしいのです。それはそんなに難しいことなのでしょうか。

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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