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2008.04.16 22:59|外から見る日本
この前の日曜日の夜、アイルランドの国営放送RTEでソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」が放映されました。コッポラの娘の第2作目、舞台は東京と話題になった映画ですが、見るのは初めてでした。

ラブストーリーというよりは、二人のアメリカ人が東京というまったく異なる大都市で、それぞれに抱える孤独感をせりふよりも映像を通して描いた異色の映画で、とても良かったです。

映画の内容はさておき、ここに描かれる日本、東京がとても印象に残りました。日本を扱った海外の映画は、ほとんどの場合イメージだけが先行していたり、現実の日本とはかなりのずれがあったりしますが、「ロスト・イン・トランスレーション」においてはそれがなく、日本人の私でも「そうそう!」と頷きながら見ることができました。コッポラ監督自身が日本に滞在した経験があるということですが、それにしても鋭いセンスで日本をうまく捉えており、感心しました。

毎朝5~6人の集団で、ホテルにアメリカ人俳優を出迎えに行く日本人、英語で話しているのに意思の疎通がまったくない日本人カメラマン、ゲームセンターで夢中に遊ぶ子どものような若者たち、アメリカ人なのにフランス語で話し続ける日本人の若者、信じられないほどばかばかしい日本のテレビ番組・・・。
私たち日本人にとっては当たり前の風景、当たり前の行動、当たり前の感覚が、外国人の目から見るとこんなにも独特で時には滑稽、風変わりであることが、アイルランドでこの映画を見ることによって更にくっきりと浮かび上がり、考えさせられるものがありました。

一方では、そのコントラストのように描かれる、ホテルで開かれていた生け花講習の花にかける人々、京都で見かけた白無垢姿の花嫁などにはハッとさせられました。日本独自の文化、伝統、慣習には、西洋では決して見ることのできない美があります。

この相容れない二つの姿が混合する国が、日本なのだなあと思いました。

個人的には、渋谷駅前や表参道のプラットホームなどが映るたびに故郷に帰ったように嬉しく、アイルランドで見ることで二重にこの映画を楽しめたのでした。

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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