2016.09.23 07:33|アイルランドの自然
「ミツバチを飼いたい」と夫が言い出したのは数年前のこと。
アイルランドの田舎では養蜂を趣味とする個人の人たちがよくいます。私たちもさっそく養蜂に必要なグッズを扱うお店に連絡をし、一通りのものを買い揃えました。

ようこそミツバチ!2016 (10)

親しい友人から譲り受けた箱もあり、あとはミツバチを入れるだけ。
とは言え、ミツバチってどうやって手に入れればいいの?
女王蜂と働き蜂等のグループを購入することもできるそうですが、養蜂箱を外に出しておけばいつか住み着いてくれることもあると言います。しかしそんな淡い期待も無念に終わり、ミツバチがやってくる気配はありません。

そんなところへ、ある日突然友人から1本の電話が入りました。

「私の友人の庭にミツバチの大群がいるっていうことなんだけど、パットがもし欲しいなら今すぐ取りに行ってみたら?」

まあ!まあ!!
「絶好のチャンスがやって来たわよ!ミツバチミツバチ!」と興奮する私に、たまたま家にいた夫は浮かない顔。
「そんなこと急に言われたって、どうやって取りに行けばいいか分からないし、無理だよ・・・」

こらー!!!

電話口の友人と私の説得に、渋々車を出す夫。
小一時間で戻ってきた夫は、さっきとは打って変わって真剣顔です。

「ミツバチの大群、木の枝にぶら下がってたから揺さぶってこれに入れた」

ようこそミツバチ!2016 (12)

えっ、バケツ!!?
蓋付きのプラスチックのバケツからはものすごい羽音が聞こえてきます。バケツの側面を触ると、あったかい!

夫は養蜂に詳しい友人のジョンに再三電話をかけながら指示を受けます。

「OK、今からミツバチ出すけど。うん、うん、蓋を開けて上から流し込めばいいんだね。分かった、やってみる」

ようこそミツバチ!2016 (9)

ザザザザーっと、ミツバチの群れを養蜂箱の上でひっくり返す夫。
保護スーツも何も着ていない夫ですが、刺される気配は全くありません。

ようこそミツバチ!2016 (8)

うわー。

ようこそミツバチ!2016 (6)

ジョンによると、養蜂箱の中にあるフレームとフレームの間に少しずつミツバチが入っていくはずとのこと。

ようこそミツバチ!2016 (4)

本当だ。だんだんミツバチの山が小さくなってきました。
蜂をつぶさない程度にまでなったら蓋をして、とりあえず完了です。

ようこそミツバチ!2016 (3)

焦って養蜂箱を設置したせいで、箱の向きも間違ってるしフロアも反対(あとでちゃんと直しました)。

世界的に深刻な減少が報告されているミツバチ。アイルランドでも事情は同じです。
養蜂と言えばすぐにハチミツを連想する私たちですが、我が夫はハチミツを取ることよりもミツバチが身近にいる暮らしがいい、と言います。自分たちのガーデンにミツバチがやって来ると、確かに嬉しいものです。

ようこそミツバチ。

ミツバチがやって来てから数週間。働き蜂たちは、元気に花蜜を集めて飛び回っています。


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2016.05.27 22:21|アイルランドの自然
ここのところ安定したお天気の続くアイルランド西部。今日も眩しいほどの快晴、会う人会う人みんなご機嫌で気持ちまで晴れ晴れしてきます。
さて、春になると急に外での畑仕事が忙しくなる我が家ですが、この野良仕事を潤してくれる美しい音楽があります。
奏でてくれるのはこの方。

カッコー

カッコーです。
英語ではクックー(Cuckoo)と呼ばれますが、いずれもその鳴き声が由来しているのでしょうね。
5月にもなるとそれこそあちらこちらから聞こえるカッコーは、アイルランドの春を代表する渡り鳥の一種です。

外でハーリングの練習などをして遊んでいる子どもたちも、カッコーの声が聞こえると「しーっ!」と言っては耳を澄ませます。
「ママ、結構近くにいるよ!ピーターのオークの林のほうかな?」「飛びながら鳴いてるんじゃない?声がだんだん大きくなってきた!」

子ども心にもカッコーは春にだけ聞こえる貴重な鳥、ということは分かっているようです。
また、自分たちの巣を作らずにほかの鳥の巣を横取りして卵を産み、巣にもともとあった卵を落っことし、更にはその巣の親に子育てを頼むという話も子どもたちにとっては面白いのでしょう。

巣を作らないことで有名なカッコーですが、アイルランドの伝統音楽には「カッコーの巣(The Cuckoo's Nest)」という名の曲があったりして、アイルランドでは昔からその歌声が愛されています。
曲を検索してみたら、夫の友人で昔よく一緒に演奏をしていたアコーディオン奏者のチャーリーのビデオが出てきたのでこちらでご紹介します。



若いなあ、チャーリー。

ヨーロッパ全域では数が減少して保護の対象となっているようですが、私たちの住む地域では今のところその影響は見られません。

カッコーは渡り鳥と書きましたが、どこで冬を越しているか知っていますか?アフリカ中部、南部まで旅をするそうですよ。
アイルランドでは、6月初めまでカッコーの鳴き声が楽しめます。


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2015.01.16 00:20|アイルランドの自然
おとといの夜、私の住むフィークル村には雪が降りました。
日中に霙(みぞれ)のようなものが落ちてきてはいたのですが、夜になると本降りに。
予報では積雪は3センチほどということだったので、「遊びに来ない?」と誘いを受けていた友人の家へフィドルを持って遊びに行った私・・・判断が甘かった!

夜の12時を過ぎて帰宅するのに外に出ると、そこはなんと銀世界!それも、積雪はゆうに10センチはあります。
それでもおおらかな女二人は「じゃあね~」なんてあいさつをして、さっそく私は車のエンジンをかけます。マニュアル車のギアーをファーストにしてアクセルを踏むにも・・・タイヤが空回りして車が動かない。地面の雪が邪魔をして、前進しないんですね。

「あれ?もしかして帰れない?」

我が家から車で5分のところに住む、いわばご近所圏内の友人宅に、なんと急きょ泊まらせてもらうことになってしまいました。そういえば、震災の時に日本で帰宅難民という言葉が生まれましたっけ。
歩いて帰ろうと思えば帰れたけれど、夜中の1時近くに暗い雪道を45分かけて歩いていくより「泊まってったら?」と言ってくれる友人の言葉に甘えることにしました。
「おかしくてたまんない!」と笑い続ける友人。そうだよねえ、まさか私が泊まるなんて、こんな機会以外に絶対にないよねえ。手早くベッドを用意して、湯たんぽまで作ってもらいました。ありがとう~。

翌朝、当然車は動かないので友人にハイキング用のブーツを借りて歩いて帰宅することに。
それにしても、こんなに雪が積もったのは何年ぶりでしょう!木の枝の一本一本までに雪が重そうに積もって、それはそれは美しい光景です。
友人も「せっかくだから私も途中まで散歩しようかな」と言うので、しんと静まり返った雪の上を一緒に歩きました。私は片手にフィドルケースを持って。なんて贅沢な散歩でしょう!

アイルランドにも雪が降る (9)
(自宅の庭の青いベンチにも雪が積もって絵になります)

帰宅してみると、子どもたちがワーッと迎えてくれました。学校には?「ダダが行かなくていいって言った!」ということ。「こういう日は思い切り外で遊ばせないといけない」という夫の教育方針(!)のおかげで、学校はおさぼりです。
「朝起きたらママがいなくてびっくりしたー」
そうだよね。

午後からは天候がかわって今度は雨が降るというので、子どもたちは雪のあるうちに外で雪遊びを楽しみました。
ちょっとユニークな顔の雪だるまも作って。

アイルランドにも雪が降る (1)

家の前で雪だるまを作っていると、次々にご近所さんに会います。みんな雪の中の散歩を楽しんでいるのです。
フィークルの村よりも標高の高いこの地域は、いつも余計に雪が降ります。電話してきた義母の話では、エニスは2~3センチほどの積雪だったとか。

アイルランドにも雪が降る (12)

アイルランドは、雪は降っても積もることはほとんどありません。冬季オリンピックにも、アイルランド人選手は数名しか出ていませんね。ウィンタースポーツのできない国だからです。
雪の降り方も日本のようにしんしんと降るのでなく、雨が雪に変わっただけ。つまり、雪が降ったりやんだり降ったりやんだりするのです。

今日は朝から雨模様のアイルランド。雪だるまのあとがほんの少し残るだけです。



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2014.07.06 08:48|アイルランドの自然
私たちの家が建っている場所は、この土地を買った頃は牧草地でした。
全部で3エーカーある私たちの土地のほぼ真ん中に、家があります。家の周りは砂利が敷いてあって、そのさらに周りは畑があったり木が植えてあったりします。

家の前は比較的平らなので、子どもが遊ぶかもしれないと芝生にしていました。家の裏も、見映えがいいだろうということで芝生でした。

芝生として管理するには、草が伸びると芝刈り機で定期的に刈り込まなければなりません。
とにかくスペースが広いので、刈るのに結構な時間がかかります。芝生は確かに小ざっぱりして見えるし、きれいです。

それが、去年ぐらいから夫と私の趣向が変わって、「芝を刈らないで、自然のままにしておこう」ということになりました。
更には「夏になって草丈が高くなったら、一度刈ろう」というプランも加わって、今年も6月の暑い日に夫の草刈りがありました。

ハンドツールで行こう

機械は使いません。
夫が使っているのは、大鎌。
英語ではScytheと呼ばれるハンドツールで、アイルランドでも昔から干し草や穀物を刈るのに使われてきた、伝統的な道具です。今では草刈りは大型のトラクターにとって代わっているので、大鎌を使う人はめっきり少なくなりました。夫が使っているのを見て、「私のお父さんも、昔は大鎌使いが得意だったのよ~」なんて懐かしそうに言う人がいます。

一見簡単そうに見える大鎌ですが、使い方に慣れるまでには時間がかかるのだそう。夫は長年使っているので大鎌の動きと体のタイミングがぴったりで、一日数時間使っていても腰や腕を痛めることなくリズミックに草を刈っていきます。
「芝刈り機より僕の方が速いかも」

wooden scythe

我が家の大鎌はハンドルの部分が木製です。
大鎌といえばすぐさま思い浮かべるのが死神、ですね。死神が片手に持っているのがこれです。

大鎌で刈る前の裏庭は、こんなでした。

メドーを作る2014 (1)

草ぼうぼう、と言われてしまえばそれまでなのですが、よく見ると実にさまざまな植物が入り乱れていて、きれいなのです。
「芝(Grass)」と一言でいっても、穂が立ってくると色や形の違う何種類もの芝があることに気づきます。

このような草地というのは面白くて、常に短く刈り込んでいる時は芝が旺盛に地面を這い、全体を占拠します。
でも私たちのように伸ばし放題にしておくと、今まで芝に負けて出てこられなかった野草が「待っていました!」とばかりに姿を現すのです。

こちらは定番のキンポウゲ。

メドーを作る2014 (6)

Ragged Robinという名のナデシコ科の野草も花をつけてとてもきれい。

メドーを作る2014 (3)

日本ではカッコウセンノウと呼ばれ、園芸用に販売もされているようですが、「ヨーロッパの湿った牧草地などに自生しているそうです」と紹介されていました。まさにその通り。

メドーを作る2014 (4)

機械やトラクターで草を刈る今の時代は、効率よくスピーディーに作業が進む分どんな草が生えているかということには疎くなります。
それに比べて、大鎌のようなハンドツールで草を刈っていた時代には、農夫たちも植物の知識が豊富であったといいます。すぐに手の届くところにあった植物を観察し、一つ一つの植物の名前や効用を知っていることは、農夫たちにとってごく当たり前のことだったのです。

草丈が伸びてくると、そこを住みかとする昆虫やカエルが増えます。すると今度はそれを獲物とする野鳥が多くやってくるようになりました。
あんなに苦労して、電気代もかけて(我が家の草刈り機は電動なのです)、騒音を出して芝を刈っていたのは、一体何だったのでしょう?こっちのほうが、ずっといいじゃないの!
芝生というものがいかに人工的なものであるかを、考えさせられる体験でした。

これからも、夏に一度の草刈り作業が恒例となるであろうオコナー家です。



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2014.06.17 06:00|アイルランドの自然
私たちの家の前には、小さな道が通っています。これでもちゃんとした公共の道路で、忘れた頃にクレア州の道路整備の人たちがメンテナンスをしに来てくれたりします。
この道は、私たちの土地を過ぎると左に折れてしばらく続くのですが、この曲がり角からはご近所さんが所有する私道で、最後は行き止まり、どこにも出ることはできません。だから私たちの家の前を行く車は、近所の人(私たちの家の先に更に4軒の家があります)か、彼らを訪ねる人たちだけ。通りすがりの車や輸送車の姿はありません。

そんな理由からとても静かな道路なので、2年ほど前から子どもたちも近所の往復ならしてもいいことにしています。
一方通行の細い道ですから、誰もスピードを出しません。

道の両側からは木や天然の垣根が生い茂り、ほぼ一日中日陰の場所があります。そんな日陰の道には、轍(わだち)ができています。

デイジーわだち2014 (1)
(右手に見える石垣が、我が家への入り口です)

轍なんて、もう都会では見かけませんね。
轍は、車の通るあとに残る車輪の跡のことで、車輪と接触のない道の真ん中には草が生えたり、ぬかるんだ土が盛り上がったりします。
高校生の頃、「わだちとは何か」を国語の先生に教えてもらった記憶さえあります。

この轍に今デイジーが咲いていて、とてもきれいです。

デイジーのわだち2014 (1)

デイジーは春になるとそこらじゅうに咲く可憐な野草です。

デイジーのわだち2014 (2)

アイルランドの田舎の女の子たちは、デイジーを摘んで花輪を作ったりもします。かんむりを作ったり、ブレスレットにしたり。
私も小さい頃、家の近くの野原でシロツメクサの花をたくさん摘んで、夢中で花輪を作った記憶があります。楽しかったなあ。

デイジーの花輪

このデイジー、日が落ちると花が閉じます。私たちと同じように眠っているようで、これもまたきれい。
そもそもデイジー(Daisy)という名前は、古名である「Day's Eye」から来ているのだとか。日中(Day)には目(Eye)を開けているけれど、暗くなると目を閉じる。面白いですね。

わだちは、車の車輪に押し上げられてだんだん高くなってくると、ちょっと厄介です。
車の腹にぶつかるのでは、とハラハラドキドキしてしまう。
でも、私たちの家の前のわだちは日陰にあるせいで、草丈が伸びることもなく世話要らずです。

誰が管理をするでもなく、いつもそこにある、ありのままのわだち。
車という人工物によってできた産物ではありますが、周りの自然の風景にも溶け込んでいるように見えます。



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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎをしているほか、アイルランド伝統音楽の魅力を紹介するプロジェクト「ブラックバードミュージック」を運営しています。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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