いよいよ師走も半ばとなりました、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
アイルランドはクリスマス一色、我が家も今朝クリスマスツリーを調達したところです。

アイルランドのクリスマスは家族で過ごすもの、というお話を以前に書いたことがありました(こちらです)。
とりわけ子どもたちにとっては、クリスマスは魔法の時間です。クリスマスの朝、ツリーの下に置かれたサンタからのプレゼントは、子どもたちの目を輝かせます。

新聞を読んでいたら、2015年の今年に両親が子どもたちのクリスマスプレゼントに費やす平均金額は167ユーロの見込み、ということで驚きました。日本円にすると、2万2,000円強というところでしょうか。もちろん子ども一人につきです。

これを後押ししているのが、クリスマス近くにアイルランドで必ず制作される大人気のテレビ番組です。
その名も「The Late Late Toy Show」。
普段は毎週金曜日の夜にやっているトーク番組「The Late Late Show」が、この夜だけはアイルランドでその年に人気の出たおもちゃを子どもたちと一緒に紹介するトイショーに様変わりします。



番組は夜の9時半から始まって、終わるのは12時近く。しかしこの夜だけは、夜更かしをしておやつを食べながら番組を観るのがアイルランドの子どもたちにとって特別な楽しみの一つなのです。

トイショー

我が家もチョコレートビスケットをたくさん焼いて、甘~いココアと一緒に子どもたちとショーを楽しみました。
番組を観ながら子どもたちは「あれがいい」「これが欲しい」とおしゃべりし、大人は大人でプレゼントの候補をじっくり考察・・といったところでしょうか。

さて、アイルランドではクリスマスになると大人同士でもプレゼントを贈り合う習慣があります。カップル、親しい友だち、両親、きょうだい。
ほかにもクリスマスの飾りつけやクリスマスの日にいただく豪華なディナーやデザートなど、食費にも大変なお金をかけます。
アイルランドでは12月の頭から、週末の町中が買い物客で混みはじめます。
場合によってはローンを組む人までいるそうですから、クリスマスは何かと出費のかさむ一大行事なのです。

夫と話をしていたら、「僕の母が子どもだった頃、クリスマスプレゼントはオレンジ1個だったそうだよ。昔はオレンジなんてめったにお目にかかれない外来品だったから、大喜びしたんだって」ということです。
時代は変わるものなのだなあ、としみじみ感じ入ります。


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暦がかわって12月になりました。少し遅れてしまいましたが、「アイルランドにおける11月」のお話をしたいと思います。

ある日、夕食の席で娘のリラが「今月は死者の月だね」と言います。
学校の宗教の授業で習ったのだそうで、夫も「そうそう、いろんな魂がうそこらじゅうにうようよしてるよ~」と言って笑っています。

10月31日のハロウィーンが終わると、カトリック国であるアイルランドでは11月1日は諸聖人の日という祝日、2日は死者の日(万霊節)と呼ばれます。
11月は、アイルランドでは死者の魂がさまよっていると言われる月なのです。

具体的にはお墓参りがひんぱんに行われるのと、教会では通常にはないミサが行われたり、特別なお祈りも用意されます。

11月は死者の月
(夫の祖父が眠るフィークル村の墓地)

義母の話では、昔は11月になると暖炉の灰を毎日きれいに掃除し、昼夜を問わず家のドアを開け放していたそうです。ちょっと寒そうですが、「死者の魂がいつでも家に帰って来られるように」ということですね。
面白いなと思いました。

また、11月はアイルランドの人々にとって冬の始まりの月です。気候の不安定な月だからでしょうか、アイルランドに暮らしていると周囲で訃報の多い月でもあります。

そんな11月が終わると、アイルランドは一気にクリスマスに向けた準備で忙しくなります。
寒く長いアイルランドの冬を彩ってくれるクリスマスは、それだけでありがたい存在です。
そして、12月21日は冬至。一年で最も日の短い日で、この冬至を過ぎれば春に向けてまた少しずつ日がのびていきます。



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子どもたちが学校から帰ってくると、聞き慣れない歌をよく口ずさんでいることに気がつきました。
よくよく聴いてみると、どうやら子ども向けの「お祈りの歌」のようです。

アイルランドでは、この季節になると初聖体(ファーストコミュニオン First Communion)という、生まれた時にカトリックの洗礼を受けた子どもたちが教会で受ける儀式が盛んに行われます。
カトリックの国であるアイルランドで、子どもの初聖体は家族親戚が一堂に集まって祝う一大行事です。

この初聖体の儀式の準備を、アイルランドでは公立の小学校が主体となってやるのですから、閉口してしまいます。
アイルランドの公立学校は基本的にはカトリック系で、これには学校教育と教会との長年にわたる強い結びつきが絡んでいます。そんなことも、記事にしたらとても面白いだろうなとは思うのですが、今日はとりあえずそんな公立の小学校に通う我が子たちを通して見える、アイルランドのカトリック教育をちらりとご紹介したいと思います。

そんなわけで、ここ2週間ほどは学校で全学年の子どもたちが初聖体のセレモニーに向けて準備をしているらしく、子どもたちが覚えてきた新しい歌も、すべてこの儀式の中で歌われるもののようなのです。

この前など、子どもたちをお風呂に入れていたら二人で「僕はワニ~、こんなに素敵な笑顔をくれてありがとう~、ジーザス~、」とかいう歌を大合唱していて、私は大爆笑、夫は苦笑い&ブチブチと学校への文句を言っていて、とてもおかしかったです。

フィークルの村の小学校でも、ほかの公立学校に漏れず普段から「宗教」という授業がありますし、毎朝授業が始まる前には生徒と先生が一緒になってお祈りをすることから一日が始まります。

子どもたちが学校から持ち帰ってくる作品や絵の中にはいかにもカトリック的なものがあり、私はいつも「ほぉ~、へぇ~」と興味深く見ています。

こちらはリラが描いた教会らしきものの絵。

カトリック教育 (3)

続けて、リラが木製の洗濯ばさみを使って工作した、十字にかけられたキリスト。

カトリック教育 (2)

「先生がね、この十字架は家の中のお祈りをする部屋に飾っておきなさい、って言ってたよ」とのこと。そ~んな部屋は我が家にはございませんが。

そして、きわめつけがこちら。

カトリック教育 (1)

ショーンが学校から持ち帰ってきたもの。ぬりえのほどこされた子どもたちと遊ぶキリスト・・。
更には「Jesus is our teacher(ジーザスは、私たちの先生です)」という印刷文があり、続けてショーンの手書きで「He teaches us to love(ジーザスは、私たちに愛することを教えてくれます)」とあります。
こんなことを教えているんですね~。面白い。

初聖体を受けるのは、小学校2年生にあたる年の子どもたち。つまり、リラのクラスの子たちです。
我が家はもちろんカトリックではないし、子どもたちに洗礼も受けさせていないので出席しません。
アイルランドという国に住んでいる以上、このカトリックの風習や教育から逃れることはできません。これがアイルランドという国の姿であり、一般的なアイルランド人の姿だからです。アイルランド人である夫はカトリック社会で育ったので、それ故の反発心があるようですが、私は個人的にカトリック教徒でない我が子どもたちがこうした教育を受けることに対して、それほど抵抗は感じません。むしろ、これもアイルランドに生きる自分のレッスンと思って、面白く観察していたりします。
しかし、学校で行われる初聖体の準備というのは確かに厄介です。カトリックでない親たちにとっては、子どもたちがつまはじきになるのではと心配になりますし、だからと言ってカトリック教徒でもないのに「仲間外れにならないように」という理由だけで初聖体を受けさせるのも、間違っているように思います。
私たちのような親にとっては、できるだけ早く儀式が終わってほしい、悩める季節なのです。


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安定したお天気の続いているアイルランド。
本格的な春の到来と共に、我が家も畑仕事が格段に増え、パソコンに向かっている時間が一気に減りました。
それどころか、パソコンなんて一切処分してしまって一日中野良仕事をしていたい・・というのが正直なところですが、現実はそうもいきませんね。

仕事らしき作業のほか、引き続きこうして日本の皆さんにアイルランドの田舎生活の様子をお伝えしていきたいと思っていますので、畑仕事の合間を縫ってはパソコンを開ける相変わらずの日々です。

さて、今週の日曜日はいよいよイースターです。
このブログでも「イースターとは何か」ということやイースターにまつわるアイルランドの風習についてお伝えしていますが(こちらの記事にいろいろ書いています)、その中で登場した四旬節。

46日間続くこの節制の期間が解禁になるのがイースター(サンデー)の日ですが、キリスト教の歴史の中ではイエス・キリストが十字にかけられたのちに生き返った日のことですね。キリストの再生を祝ってイースターの日には普段よりも贅沢な肉料理等をいただくのが、アイルランドでも風習となっています。

四旬節には贅沢な暮らしを控える傾向にあるアイルランドですが、先日とても面白いものを発見したので、思わず写真を撮ってしまいました。こちらです。

まだまだ四旬節 (1)

エニスにあるご用達のお肉屋さんの前に、どーんと掲げられた手書きの看板。
「Fresh Fish Daily」。「新鮮な魚、毎日あります」。

四旬節の間は肉料理を控える家庭が多いアイルランド。当然、お肉屋さんにとっては売り上げが伸び悩む時期なのです。
そこで登場したのが、四旬節の期間だけ鮮魚を売るお肉屋さん、というわけ。

子どもたちは今2週間のイースター休暇で学校がお休みです。夫の仕事もいつもとスケジュールが違います。今週の金曜日はいつも通り働くものと思っていたら、「休みだよ、聖金曜日だもん」とのこと。

聖金曜日(英語ではGood Fridayといいます)は「受難日」、「苦難日」とも呼ばれ、キリストが十字にかけられた日を指します。アイルランドではこの聖金曜日に営業をしない店や通常よりも早くに仕事納めをする企業が多いようです。
教会では大掛かりなミサが行われるのが普通で、昔はこの日1日は何も食べない、断食する人々もいたと言います。
今でも聖金曜日にお酒を飲むことはカトリック社会においてはタブーであり、多くのパブやレストランが営業を控えます。私の住む村のパブはもちろんのこと、エニスなどの大きな町のパブもすべて閉まってしまいます。
アイルランドの人々にとっては、「最も慎むべき日」なのです。

エニスのお肉屋さん、聖金曜日はますますお魚が売れるかもしれませんね。



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来週の月曜日、3月17日は聖パトリックの日です。St.Patrick's Dayは、アイルランドの祝日です。
子どもたちは今日(金曜日)から4連休、いわゆる聖パトリックの日ホリデー(St.Patrick's day holiday)なのです。

聖パトリックの日が近づくと、子どもたちは学校で必ず何か作ってきます。
今年はこれ。

8歳5か月リラ&ショーン写真 (3)

リラはまさしく「聖パトリック」、ショーンは「レプラコーン(アイルランドの妖精の一種)」でしょうか。

ところで、聖パトリックの日といえば今や世界各地で行われているパレードが有名です。私が日本に住んでいた頃は東京の表参道でだけパレードが行われていたと思いますが、今では地方都市にも広がっているようですね。

このパレードの際によく言われるのが「緑のものを身につけること」。

ところが。
不思議なことに、アイルランドに移り住んだ途端この「聖パトリックのパレードの時には緑のものを身につける」という話をさっぱり聞かなくなりました。

あれは、一体なんだったんだろう?というのが正直なところです。

確かに、ここアイルランドでも2月頭ぐらいから衣料品店などで聖パトリックのロゴの入った緑のTシャツや頭につける面白おかしい緑の飾り、サングラスなどが販売されてはいます。
ニュースキャスターが緑色のドレスを着て出てきたり、政治家が緑色のネクタイを締めていたりもします。
ダブリンの聖パトリックのパレードはかなり大がかりなことで有名で、アイルランドでは毎年テレビで生中継されるほどです。このダブリンのパレードを見ていると、観衆の多くが緑に包まれている、ように見えます。
ダブリンのパレードはアイルランドの観光産業の重要な担い手であり、観衆の多くが外国人観光客です。都市のパレードは祭りのようで、一般人も華やかなコスチュームを楽しむ雰囲気があるのかもしれません。でもみんながみんなではありません。

私の住む近隣の村や町では、ほとんどの人たちがいつもと何ら変わらない普通の出で立ちでパレードを見ています。緑で全身を固めているのは小さい子どもたちぐらいでしょうか。

先日、アイルランド人の男友だちと話していた時に、聖パトリックの日と緑色の話になりました。
私「あのさ、あの『緑を身につける』っていうアイディア、一体どこから来たの?」
友人「さあねえ、まあ確かに僕らは緑色を身につけるよ。緑がアイルランドの国の色だしさ、サッカーやラグビーのユニフォームだって緑だし」
私「それは分かるけど、でも聖パトリックの日に緑色のもの着てる人なんていなくない?」
友人「確かにね。っていうかさ、僕らアイルランド人はさ、そもそもそういう柄じゃないじゃん?張り切って『今日はみんなで緑色の服を着るよ♪』っていうタイプの国民じゃないじゃん?もっと冷めてるっていうかさ」

中には、レプラコーンなどアイルランドのコテコテのイメージ像に飽き飽きしているアイルランド人も結構いて、「私たち、世界で絶対勘違いされてるわよ!」と不愉快に話す人にも会ったことがあります。
これって、きっとオリンピックやワールドカップになると突然日本人が「サムライ」とか「大和魂」とか言い始めるのと同じなんだろうなあと思います。

来週の月曜日は、そんな地味だけど地元色いっぱいのパレードを見に行ってきます。


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発信者の紹介

望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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