FC2ブログ
2020.08.27 22:58|ちくちく針仕事
前回の記事で書いた義母の遺品である手回しミシン。

まず最初に何を作ろう。真っ先に思いついたのは、私たちの寝室用のカーテンです。
ずっとカーテンがほしいと思っていて、でもどうせなら自分で作ってみたいと思っていて、生地をずっと昔に買ってあったのをほったらかしていたのです。

カーテンなんて、ただ布を切って回りを縫うだけ、簡単じゃないと思いがちですが、いざ作りはじめると思った以上に苦戦しました。作るならきちんとしたカーテンを作りたいと思い、窓の形に合わせて寸法を測り、裏地を縫い合わせ、プリーツを縫い・・・時間はかかりましたが、ミシンのおかげで満足のいく出来です。

カーテン作り (1)

ちなみに裏地には古くなった白いシーツを使いました。

ミシンと一緒についてきたらしき古ぼけた説明書を見ながら、糸をセットしていきます。そしていざ、ハンドルを回し始めると・・・。義母のミシンは縫いたい場所から1ミリもずれることなく、ゆっくりと正確に木綿の布を縫い進めていきます。電動の足踏みミシンは私は子どもの頃から苦手意識があり、そーっと踏んでもちっとも動きださないし、かと言って踏みすぎるとスピードが速すぎてミシンが暴走。おまけにガタガタガタガタというミシン特有のあの音も、ちとおそろしい。

こちらはパットさんがリラの寝室に作った棚の目かくし。

カーテン作り (3)

ちょっと面白い絵柄の布を使って大胆に。

カーテン作り (2)

角っこもなんとか縫うことができました。

義母の手回しミシンは静かでゆっくりで、私に合います。
慣れてくるとハンドルをリズミックに回しながら一定の速さで縫えるようになりました。カラカラという心地いい軽快な音をたてながら進んでいきます。これはまったく天国のようではないですか。

朝から晩までミシンを出して、こんなものも作ってみました。

よだれかけ作り (11)

赤ちゃん用のよだれかけです。最近ではスタイとかいうのでしたっけ。
3人目の赤ちゃんはよだれがすごくて、一日によだれかけが数枚必要です。ちょうどアイルランドはロックダウン中。お店が閉まり時間もあるしで、自分で作ることにしたのです。

使った布は日本の手ぬぐい。

よだれかけ作り (8)

手ぬぐいはときどきおみやげにいただくのですが、正直どうやって使ったらいいのか分からず、封も切らずにとっておいたものがたくさんあったのです。模様がきれいだし、コットンだから吸水性もよさそう。裏地には使い古したガーゼのハンカチやティータオルを使ってみました。家にあるもので十分です。

よだれかけ作り (5)

持っていたよだれかけから型紙を作り、どんどん作っていきます。

よだれかけ作り (6)

縁取りに使ったのは、これまた義母の裁縫一式に入っていたコットンのバイアステープ。なんと、パットの出身の町エニス産です。
今では家具屋さんになっている町の角の裏に工場があったのだそうで、「全国に商品を売り出すような大きいメーカーだったから、社内にサッカーチームまで持ってたよ」とパットもおぼえていました。

よだれかけ作り (9)

このバイアステープは何十年もの時を経て、日本の手ぬぐいに巡り合ったんだなあ。なんだか不思議です。

よだれかけ作り (13)

完成したよだれかけは、和風で肌触りもよくとってもいい感じです。

よだれかけ作り (10)

あれ?この模様の布は?これはコークのクラフトショップで数年前に購入した生地で、日本の手ぬぐいではありません・・・!

まだまだおぼつかない私のソーイングですが、もう既に楽しい!さあ、次は何を縫おう?バッグはどうかしら。エプロンもおもしろそう。そして、ああ、もし私に服が縫えたら!さぞかし楽しいんだろうなあ、と夢は膨らむばかりです。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」
オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2020.08.16 07:00|ちくちく針仕事
義母の世代の女性たちにとって、ミシンは生活の必需品でした。衣類も豊富でなかった時代ですから、布を買ってきては家族の着る服をミシンで縫って作ったり、カーテンやクッションカバー、椅子の布張りまで手作りしていたのです。

この時代のミシンと言えばイングランド製のシンガーが定番です。昔の職人さんが丹精に作った上質のミシンなので、今でも現役のものが数多く出回っています。アイルランドでは、真っ黒のシンガーのミシンを見ると「ああ懐かしい!私の母も持ってた」、「うちにもあった」という声を多く聞きます。

エニスの義母も、そんなシンガーの手回しミシンを持っていました。実際に彼女がこのミシンを出して縫物をしている姿も憶えています。アンティークのお店にオブジェとして置いてあるような、年季の入ったシンガーのミシン。

そのミシンが今、私の手元にあります。

2年前に義母が亡くなって以来、少しずつ実家の整理をしていたパットの妹マーガレットから、ある日こんな連絡をもらったのです。
「アイリーン(義母)が使っていたミシンね。思い入れのあるミシンだけど、私もほかの義娘のフランシスやエトナも裁縫なんてしないでしょう。エリカのところに行くのが一番いいんじゃないかという話になったの。状態もいいし、どうかな」

シンガーズのミシンs (2)

あまりのオファーに言葉もない私。こんな大切な家族の品が、私のところに?マーガレットとも電話で話し、後日ありがたくいただくことになりました。
子どもの頃から母が愛用していたミシンを譲り受けることになったことに、パットも嬉しそうです。
甥っ子のダニーによると、「数年前にリムリックのお店に出してメンテナンスしてもらったのを覚えてるから、すぐに使えると思うよ」とのこと。

現代のミシンはすべて電気で動きますが、この手回しミシンは文字通りミシンの右側についているハンドルを手で回すと針が上下に動き、縫い進む仕組みです。

シンガーズのミシンs (4)

感覚としては、紡ぎ車にとても近い。

木製のカバーもオリジナル。
トップにハンドルがついていますが、このミシン、鋳鉄でできているので重いこと!片手では持てないほどです。
カバーにもミシン本体にも、一部としてプラスチックが使われていないのも嬉しい。

シンガーズのミシンs (1)

ミシンの老舗シンガーのすごいところは、製造されたミシン一台一台にメタルプレートでシリアルナンバーが割り振られていること。これを手がかりにミシンがいつ作られたのかをさかのぼって調べることができるのです。こういうところは手堅いのがイングランド。さすがです。

シンガーズのミシンs (3)

シリアルナンバーはインターネットで検索できるようになっており、入力してみると1955年6月29日と出てきました。
ということは、このミシンは65歳。うわー。
1955年のアイルランドは、どんな風景が広がっていたのでしょうか。

ミシンだけでなく、ミシン糸などソーイングに使う小物一切も一緒にもらいました。

シンガーズのミシンs (5)

これだけあれば、一生買わずに済みそう?

最愛の義母が残してくれた、大切なミシン。
実は私、編み物や手紡ぎはしても裁縫に関しては疎い初心者。そんな頼りない私の手に渡ってしまった義母の手回しミシンは、複雑なプログラム機能もなく使い勝手が良さそうです。

ありがとう、マーガレット。そしてありがとう、アイリーン。
大切に、大切に使わせてもらいます。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」
オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2018.01.25 00:12|ちくちく針仕事
冬は私にとって編み物の季節、紡ぎの季節です。
今年の冬は、近所で有機農家を営む友人から新しく羊の原毛をもらい紡いでいるほか、現在進行形で3枚のセーターを手紡ぎ糸を使って編んでいるところです。
これに加えて、去年の冬に初挑戦してみたものがあります。
こちら。

こぎん刺し (3)

刺繍?
こぎん刺しと呼ばれる日本の伝統的な刺繍の一つで、青森県津軽に伝わる刺し子の技法のひとつです。
数年前に日本に帰省をした際、ハンドクラフトの大型店で目にし、購入を決めました。なじみのない刺繍なので、最初はこんなキットが試しやすいのではないかと思い、完成するとがま口のポーチになるというこちらの商品を選んだのでした。

こぎん刺し (2)

麻布の織り目を見ながら刺していくこぎん刺し。図案を確認しながら目を数え、一つずつ正確に刺していかないときれいな模様が浮かび上がりません。とても細かい作業です。
でも慣れてくると、出来上がっていく過程は遅くとも手元から見事な模様が少しずつあらわれていく感じが何とも言えない満足感を与えてくれます。
スピードが勝負ではありません。ゆっくり時間をかけていい。
その時間を楽しむことができれば、もの作りはどんどん楽しくなっていくのですから。

これを興味深げに見ていた当時11歳の娘が「私もやりたい、ちょっと貸して~」と言います。
刺繍はおろか針と糸さえ使った経験のほとんどない子に「こぎん刺しができるわけないじゃない」ととっさに思った私。
「これはねえ、リラには難しいよきっと。絶対間違えちゃいけないし、布に対して均等に刺していかないときれいに仕上がらないのよ」

ちょっとムッとした顔をした娘、それでも「やる」と言って聞きません。
仕方がないのでコツだけ簡単に教えて、図案のどこにいるのかを指示して、様子を見ることにしました。

子ども特有の集中した顔つきで、娘が布に向き合っています。
すると。

こぎん刺し (1)

きれいにできてる!
私が刺した部分と違いが分からないほどです。驚きました。

夕食後に少し時間ができると娘が刺して、そのあと私が刺して・・・二人で刺すこぎんはゆっくりゆっくり、でも確実に出来上がっていきます。
そのうちいつの間にか春が来て、夏、秋、そしてまた次の冬がやって来ました。
編み物のいろいろが入っているバスケットの底から、こぎん刺しがまた顔を出します。
今年は12歳になった娘と、こぎんを刺しています。

がま口ポーチができるのは、いつのことなのでしょうね。
ゆっくり。ゆっくり。

望月えりか @Twitter (心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています)
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
にほんブログ村

アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!
オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

07 | 2021/08 | 09
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
About Me

望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と5人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

Latest Articles

Twitter

facebook

Categories

Click, please!

クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。

にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ

Visitors

Monthly Archives

ブログ内を検索する

Links