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2019.06.12 14:02|アイルランドで子育て
私は神奈川県横浜市北部の団地で育ちました。緑のあふれる住宅地で、子どもの頃は近所の子たちや同級生らと一緒に、自転車に乗っていろいろなところに行ったものです。親が付き添うなんていうことはもちろんなく、むしろ私たちがどこにいるかを知っている親は、当時いなかったのではないでしょうか。
小学校の後ろにあった、マムシの出る「裏山」。ナマズのいる池がいくつもある早野、竹林に入ってたけのこを見つけたり、おたまじゃくしやフナなどを川でたくさん取ってきて母に「これを一体どうするつもりなの」と怒られたり。秋には林の中に一本だけあった栗の木の下に栗がたくさん落ちていて、靴を履いた両足で器用にイガを外して持ち帰りました。

寺家町2012 (1)
(日本に帰省中、実家からほど近い寺家町にて)

私の世代は、初めて電子ゲームが登場した時代とも重なります。
ハドソン、ファミコン、スーパーファミコン、スーパーマリオにテトリス、ドラゴンクエスト。

そんなのも、親の許す限りの時間、やっていました。
でも不思議。今、こうして大人になってから自らの子ども時代を振り返ると、あんなに夢中になってやっていたゲームの内容はほとんど覚えていないのです。

それよりも、鮮明な記憶として刻み込まれているのは、外遊び。
それも、私にとっては自然の中で遊んだ思い出が、最もビビッドによみがえります。
きんもくせいの花の匂いやヤマモモの味、ぬめっとしたおたまじゃくしをつかんだ時の感触、カマキリの卵のふわふわ感、すすきの葉で作った切り傷が痛かったこと。
それほど活発な子どもではなく、むしろ家の中で遊ぶことが多かった私なのに、どういうわけでしょう。

hsuckle20105.jpg
(ハニーサックルの脇に座りこむ、幼き我が子たち)

今思えば、私の両親は弟と私に自然と触れる機会を実にたくさん与えてくれました。国内旅行先での海水浴や磯遊び、登山にキャンプ。小学校の夏休みには、毎年ほぼ欠かさず母の故郷である福島県の農村に遊びに行き、いとこたちと走り回っていました。

そんな子ども時代の思い出は、10代になり、学校が変わり、やがて成人する頃にはすっかり過去の記憶となっていたのです。
アイルランドに住みたいという欲も希望もまったくなかった私が、運命か、はたまた必然か、今こうしてこの地に巡り合い、私なりに根を張り、国は違えども大自然に囲まれた田舎で生活を送っています。

竹船遊び (1)
(パットさんがショベルで掘って作った池で、日本の母に教えてもらった竹舟を作って遊ぶ)

ここに暮らしていると、子ども時代の記憶がよみがえってきます。それはまるで、子どもの頃の一つ一つの経験が、今の私とつながっていくかのような感覚。時にはすっかり忘れていたようなこと、例えば福島のおばあちゃんが副業で蚕(かいこ)さんを飼っていて、離れの納屋でまゆから絹を取る作業をしていたことなどを、糸を紡いでいる時に思い出すのです。
畑の野菜を見ていてもそう、近所の農家の家畜の世話や、植物を観察していてもそう(英語から日本語にする作業は伴いますが)。

自分を作るもの。
私の栄養となり、糧となったものって、こういうことだったのかな、と思います。
私は親として、我が子どもたちに同じような栄養をあげられているかな。
そんなことを考えながら、子育てはまだまだ続きそうです。

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2017.09.29 09:51|アイルランドで子育て
今年の6月に3年ぶりに日本に帰国し、3週間という短い間でしたが母国日本を満喫しました。
滞在中、嬉しいことがありました。
11歳の娘のリラが、初めて日本語を「自主的」に書き始めたのです。

子どもたちの日本語 (2)

平仮名だけですよ。
今までも日本の母が送ってくれたドリルなどをやらせたことはあるけれど、ここまで興味を示してくれたのは初めてでした。
日本滞在も後半にさしかかると、私の父と平仮名を書きながらしりとりをしています。

アイルランドに戻ってきてからも、平仮名の並んだラベルなどを見ると「ちょっと待って!読んでみる」と(英語で)言っては挑戦を続けています。単語として知っている日本語もあるので、読み進める途中で分かることも多いようです。

私は普段、自分の子どもたちに日本語で話しかけます。ところが、子どもたちも幼少時には日本語で返してくれていたのに、学校に行き出した途端あっという間に英語にとって代わってしまいました。今でもくじけずに日本語で話していますが、子どもたちは100%英語で返事をしてきます。

私たち親子の会話は想像がしにくいかもしれませんが、例えばこんな感じなのです。

私「おかえりー。学校どうだった?」
ショーン「Good. Eddy didn't come to school today so I was playing with Tom.」
私「そうなの?エディーどうしたんだろうね」
ショーン「I don't know. Maybe he's sick or something. I don't know」
私「ふーん」

ま、返事が返ってくるということは私の日本語を理解しているということなので、とりあえず良しとしています。

成長に従って、子どもたちの語彙はどんどん増えていきます。日本語の単語の意味をいちいち説明するのが大変なことも多く(面倒・・と言うのかもしれません)、私の日本語は英単語がかなり混入した日本語であったりします。
また、英語を話す第三者が会話の中にいる時は、その場の全員が分かるようにとどうしても英語で話してしまいます。

夫のパットさんは日本語を話さないので、子どもたちにとっては私が唯一の日本語スピーカー。近くには日本語学校も日本人会もありません。

そんな環境の中で娘が日本語の読み書きを始めてくれたこと。

この先どうなっていくのかは分かりませんが、都内の紀伊国屋で買った外国人向けの平仮名学習本を、さり気なく見せたりしている母なのでした。

Erika Moc O'C @Twitter
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2017.03.24 23:46|アイルランドで子育て
我が家の暖房設備は薪ストーブが要です。
(ブログ記事→「できることから始めよう ストーブとお湯の暖房」

ちょっと寒くなってきたな、と思ったら古い新聞紙を何枚か丸めてストーブに投入、その上に小枝などをうまくアレンジして載せ、マッチを擦って火をつけます。燃えてきたらすかさず大きめの薪をいくつか投入していきますが、これもコツのようなものがあってうまくやらないと途中で火が消えてしまうこともあります。

ボタンひとつで家が温かくなるのと比べると、これはちょっとした家事です。手は汚れるし、手間もかかる。

そこで、この冬から私が忙しい時には9歳の息子と11歳の娘にストーブをつけてもらうことにしました。

第一の関門はマッチを擦ることです。
細いマッチはすぐに燃えて、指をやけどするのではとこわがる子どもたち。
「絶対できない!」と抵抗する子どもたちに、「ほら」と何度かマッチを目の前で擦ってあげて、突然火がつくわけではないこと、しばらく持っていてもまったく熱くないことを教えてあげると、やっと挑戦する気になってくれました。

お次は肝心のストーブ。
しかしこちらは、夫や私がやっているのを日々見ているせいか意外に手際よく薪を入れていきます。

火をつける練習2017 (4)

上手上手。
ストーブに火をつけることができるようになると、「今夜は私がつける!」と言って喜んでやってくれるようになりました。助かる!

こんな小さな子どもたちに火のつけ方を教えるなんて、危険じゃない?という声が今にも聞こえてきそうです。
しかし、私も同じ部屋にいるし少しでも危なっかしいことをしていれば(一度もありませんが)すぐに気がつきます。
「火をつけて暖をとる」という行為は昔から人間の知恵であったわけですし、生きる力であると考えているのでむしろ当たり前に子どもに教えたいと思います。

勝手にやらせたりはもちろんしませんが、少しは失敗ややけどもしながら火との程よい距離を学んでいってもらえたらと思っています。

「危ないからやらせない」の一辺倒だと、子どもたちの可能性や好奇心の一部も一緒に奪っている気がしてなりません。リスクのない世界は神話の中だけ。リスクは承知で上手く付き合っていくスキルが大事なのかな、と思います。


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2016.03.18 23:14|アイルランドで子育て
ストーブで薪を燃やしながら暖をとるのが我が家の冬の暮らしです。
薪は家の隣に建てた納屋に保管していて、大きすぎる薪はときどき夫が斧で割ってから家に運び入れます。

この薪割りが、8歳の息子ショーンの最近のお気に入りです。
いつも突然思い出したかのように「あ、薪、割って来ようかな?いい?」と言っては長靴を履いて外に飛び出していきます。

最初は私も驚いて、こんなに大きな斧を使いこなせるのか、誤って怪我でもしたらとハラハラしました。
それに対し、夫はクールに「大丈夫だ」。「使い方もちゃんと教えたし、本人も分かってる」とのこと。
しつこく「本当に大丈夫?」を連発する母のために、息子が薪割りのデモンストレーションをしてくれました。

まずは割る薪をセットして・・

薪割る少年 (11)

斧を持ち上げ、

薪割る少年 (9)

えいっ。

薪割る少年 (8)

よし、真っ二つ!

薪割る少年 (10)

「今日はこんなもんで足りる?」「え?あ、はい、ありがとうございます」

薪割る少年 (12)

アイルランドでは、親がどんどん過保護になる結果ハサミやナイフを使えない子どもが増えているそうです。
怪我をするリスク、いえ、どんなリスクであっても、完全になくなることはありません。私たちは、いつでもリスクを抱えながら生活しています。リスクを回避しようと躍起になるよりは、リスクと上手に付き合っていくことができたらいいのかな、と思います。

道具が使えるということは知恵を育むことでもあり、こうした知恵は私たちに生きる力を与えてくれます。
小学2年生の息子がまさか斧を使うとは思いませんでしたが、薪を割るという行為を頭だけでなく体験として知っていることは、彼にとって財産になるのではないでしょうか。

気温が少しずつ上がり、日もずいぶん長くなってストーブの要らない夜も増えてきました。
また次の冬が来たら、薪割り頑張ってもらおうかな。


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2016.02.16 10:36|アイルランドで子育て
2月14日のバレンタインの日の朝。
この日は我が家の車の車検があり、夫は早起きしてエニスへ。
日曜日だし、ちょっとだけベッドでごろごろしてもいいよね・・と怠けているところへ、娘のリラが寝室に入ってきてこう言います。

「ショーンと私で目玉焼き作ろうと思うんだけど、どうやって作るの?」

「え~?鉄のフライパンあるでしょう?あれに油しいて、熱くなったところに卵を割って落とすのよ~。ママがやろうか?」

「ううん、いい。自分たちでやってみるから!」

まだ半分眠ったままの頭で答える私に、そのあとも駆け足で戻ってきては「どの油?オリーブオイル?それとももうひとつのやつ?」「蓋はどこ?」「水はいつ入れるの?」

あああ~~~、こんな質問攻めにあうぐらいならママが作るわよ~。
・・・と思ったのも束の間。
寝室に入ってきた子どもたちから「はい、ママ!今日は朝ごはんをベッドで食べてね!」

なになに~?

バレンタインの日2016 (1)

あっ、今日はバレンタインの日!

リラが初めて一人で作った目玉焼きは半熟で完璧な出来、ソーセージと曲がったトーストも上手に焼いて、その上紅茶まで作ってくれました。
カードもついてる!

アイルランドのバレンタインの日は、宗教色はほとんどなくむしろ日本と似ていてかなり商業化しています。
日本と違うのは、若いカップルにかぎらず、また女性からの一方通行ではなく、愛情のある人間関係の中に浸透していることでしょうか。夫婦や親子をはじめ、気持ちを伝えたい相手であれば男女を問わず表現して良いのが、自然でいいなと思います。
贈りものはバレンタイン用のカードであったり花束であったり、チョコレートなどのちょっとしたお菓子やマグカップなどいろいろです。

朝ごはんの出来栄えを褒めてあげると、子どもたちはさも満足そうな顔でいそいそとトレイを片づけてくれました。

バレンタインの日2016 (5)

個人的にはこうした行事にはあまり興味のない私ですが、こそこそと二人で相談して朝ごはんプロジェクトを無事に全うした二人の子どもたちがかわいらしく、また人を思う気持ち、それを伝える力をちゃんと身につけてくれていることに、嬉しくなりました。

そういえば、数日前に自分のスクールバッグの中を整理していたショーンが急に私に向かって「このバッグの中を覗いたらいけないからね、ママ。絶対に!」と言っていましたっけ。きっと学校で作ったカードが入っていたんだな・・。

そんな見え見えの嘘をついてしまう8歳のショーンも、まだまだあどけなくかわいいなあと思うのでした。


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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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