2012.06.26 01:42|パン作り
ちょうど一年ほど前に、このブログにも「自分の酵母でパンを焼く」というタイトルで記事を書きました。

あれ以来「酵母とはなにぞや?」と興味が湧いて、周囲の友だちと情報交換をしたり調べ物をしたり。そのうち、最初に作ったこの酵母はいわゆる酸味のあるサワーブレッド用の酵母なのに対して、違う酵母を作れば食パンや菓子パンなど普通のパンもドライイーストを使わずに作れることが分かってきました。

「パン」という食物は、アイルランドに暮らすようになって主食とまでは言わずとも、私の食生活において大きな位置を占めるようになりました。そんなパンを自分で焼けるようになったら素晴らしい。それも、酵母から自分で作れたら尚いっそう素晴らしい!

この自家製酵母で焼くパン作りが、今楽しくて仕方ありません。

まだまだ初心者ですが、何となく酵母ができる仕組みや発酵の理由が分かってきたので、あまりひとつのレシピにはこだわらないで自己流で試行錯誤しながら学んでいます。

パンを膨らませるのはイーストです。イースト(Yeast)は英語で、日本語では酵母です。
市販のドライイーストを使うと発酵時間が短く、確実に膨らんで安定したパン作りができます。ドライイーストが体に悪いとは思いませんが、パンを焼いた時にときどきドライイーストならではの臭いが残っているなあと感じることがあります。

自分の家で作る酵母は「天然酵母」と呼ばれたりしますが、この呼び方には語弊もあるようなので、ここでは「自家製酵母」と呼ぶことにします。

酵母菌は自然界に存在し、あらゆる草花に付着しています。
だから、自分の酵母を作るには果物やハーブなど何を使っても、たいてい大丈夫なようです。そして、酵母はブドウ糖を食べて活性化するので、甘みのないものを使う場合は砂糖や蜂蜜を加えます。
私は一番簡単と言われる干しぶどうを使って、酵母作りをしました。

干しぶどうには糖分も十分にあるので、あと必要なのは水だけです。
自家製酵母作り (1)
6日ほどで、気泡が出てきます。スカスカになった干しぶどうは役目を果たしたので、濾して処分します。

これで酵母液が完成。
この酵母液は冷蔵庫で保管し、使用するたびに果汁100%のジュースなどを与えてエサとします。酵母液はエサを与えれば与えるほど発酵力が上がるようで、これを継ぎながら何年も使います。

実際にパンを焼くには、この酵母液に小麦粉を混ぜて発酵させ、前日にパン種を作ります。私はスペルト小麦を使います。
自家製酵母パン作り (3)
酵母が増殖し、排出する二酸化炭素でもってパンは膨らむのです。なるほど。

翌日、このパン種に更なる小麦粉、水、それに塩、砂糖、サラダオイルなどを加えて、あとは通常のパン作りと同じ手順です。
自家製酵母パン (10)
捏ねることによって小麦粉の中のグルテンを活性化し、酵母が出すガスを生地の中に閉じ込める働きをします。

一次発酵させます。
自家製酵母パン (14)
室内温度によりますが、自家製酵母は発酵時間が長いので私はなるべくあたたかく保つためにビニール袋に入れて窓辺に置いています。

6時間ほど放置して、生地が2~3倍に膨らんだところで成形し、型に入れます。
せっかく膨らんだ生地を成形するとまた元の大きさに戻ってしまいますが心配無用、酵母菌の数はこの時点で最初よりはるかに増えているので、二次発酵はずっと短くて済みます。

2~3倍に膨らんだらオーブンへ。200度で30分焼きます。
自家製酵母パン作り (2)
完成!
この時は生地にケシの実を入れました。
イースト臭もないし、ほんのり甘くもちもち、そして表面は薄くてカリカリ、と申し分ありません。

パンをはじめとした発酵食品は世界中にあり、日本ではお醤油や味噌も酵母を利用した発酵食品だし、日本酒やワイン、ビールなどのアルコール類も酵母の力でできています。人間の知恵と自然の力が融合して生まれた食品で、その多くが保存食として重宝されてきたわけです。面白い!

家で一日過ごす週末、のんびりと自家製酵母でパンを作ってみるのはいかがでしょうか。

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2012.01.18 13:20|パン作り
アイルランドでもあずきが手に入ります。健康食品のお店に行くと必ずあり、近頃ではスーパーでも売っているのを見かけます。面白いのが豆の名前で「Azuki Beans」、「Aduki Beans」「Adzuki Beans」とつづりがかなりいい加減、私が「Azuki」と発音すると「あ、それはA-DU-KIね」と直されたこともあります。日本語なんだけどなあ。
日本人としては「あずき」は「小豆」なので「Azuki Beans」を直訳すると「小さい豆の豆」となり、豆が重複してるなあといつも気になるのですが、細かいことは考えないでとにかくあずきがアイルランドで手に入ることに感謝しています。

子どもが好きなのでおしるこを作ったりはよくしていたのですが、ある日「そうだ、あんパンも作れる!」と気がつき、挑戦してみました。

昔母がよく作ってくれたあんパン。焼きたてがとにかくおいしく、オーブンから出てくると弟と二人でひとつ、ふたつ、もうひとつ・・・「せっかく焼いたのにもうこれしか残ってないじゃない!」と母に怒られるほどでした。

あんぱん150

確か母は溶いた卵をはけで塗ってたな、ケシの実を乗せてたな、と思い出しながら作ったら、昔懐かしあんパンのできあがりです。
子どもたちも初めて見るあんパンに大喜び、「アンパン、アンパン!」と踊りながらモグモグ。気に入ったようです。リラは「学校に持ってく!」と言うので翌日のランチボックスにもあんパンが。

アイルランドでは豆を食べる習慣はないことはないですが、主にグリンピースを煮たものです。それでも缶詰や乾燥させたあらゆる種類の豆がスーパーなどで揃っています。豆に関しては日本よりもアイルランドのほうがバラエティーに富んでいる気がします。
しかしあずきのように豆を砂糖で調理してお菓子として食べるという考え方はかなり革命的らしく、感嘆されることが多いです。
お菓子なのに豆、というところが「健康でいい!」とアイルランドでも喜ばれています。

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2011.07.07 07:56|パン作り
友人からパン作りのいい本を貸してもらいました。
イギリス人の男性が書いたもので、さまざまなスタイルのパンのレシピが載っている優れた本です。
その中に市販のドライイーストを使わない、自分で作った酵母を使って作るパンのレシピが載っていて面白いと思いました。
酵母の作り方はいたって簡単、材料は小麦粉と水だけです。酵母ができるまで1週間程度かかると書いてあり、その間毎日小麦粉と水を足しながら(本の中ではfeedingと表現していました。餌をやる、わけです)暖かい場所に置いて酵母菌を促します。

さっそく挑戦して、私の場合は5日ほどで完成しました。この喜びといったら!!ふと見ると表面にいくつもの気泡があり、何よりも匂いを嗅ぐと市販のイーストと同じ匂いがするのですぐ完成と分かります。

酵母

このあと更に小麦粉と水を足したら、今度は容器の中で3倍ほどに膨れ上がって大変なことに。
さっそくこの天然酵母を使ってパンを焼いてみました。
天然酵母を使ったパン作りは、とにかく発酵に時間がかかります。市販のドライイーストなら1時間で膨らむところですが、この本によると前日の夜から生地を混ぜ始め、翌日も数時間かけて発酵させるとあります。
自分が作った酵母でパン生地が膨らみ、焼き上がりも上出来。これはものすごい満足感です・・!
酸味のある素朴なパンで、ジャムをつけるよりはパテのようなものとの相性がよろしい。

このタイプのパンはしょっちゅう作るわけではないので、作った酵母は本に習って冷凍庫で保存しています。
パンを作るときは酵母の半分を使って残りの半分に更に餌をやって活性化させ、次回はまたこの半分を使って・・という風に一度作った酵母は半永久的に使うことができます。

あわただしい毎日ではなかなか億劫な作業ですが、時間の流れのゆるやかな時に「あ、あのパンまた作ろうかな」と思いつく、田舎生活のひとコマです。

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2010.04.24 07:58|パン作り
1ヶ月ほど前に、スーパーでブレッドメーカーを購入しました。日本ではホームベーカリーという呼び名で人気がある、パンをこねるところから焼きまでを行う電化製品です。
友人が同じようなブレッドメーカーを買って「もうパンを買うことがなくなった」と言っていたのを聞いて即決しました。

私が買ったのは有名メーカーのものでも何でもなく、値段は60ユーロ(1万円もしないですね)、機能もいたってシンプルですが、購入以来大活躍している優れものです。
使い方は簡単で、材料を入れてボタンを二つほど押すだけで3時間後には焼きたてのおいしいパンが完成!

ブレッドメーカー

機能はシンプルと言っても実はいろいろなことができるらしく、ジャム作りやケーキ、「こねるだけ」とか「焼くだけ」もやってくれるので、例えばピザの生地作りなどもできてしまいます。タイマー機能で夜にセットして翌朝焼きたてのパンで朝ごはん、なんてこともできるようです。
とりあえず今は基本の焼き方で食パンを焼いているだけですが、チーズや黒ゴマ、レーズンなどその日によって材料に加えて焼くと子どもが喜びます。
友人のすすめでスペルト小麦を強力粉と半々で入れて焼くパンが、香りもよく独特の風味があって夫と私のお気に入りです。スペルト小麦は小麦粉の原種と言われる穀物だそうです。

パン

私の家は母がパンを作っていたので、家にはいつもパンこね機と本格的なオーブンがありました。発酵時間を間違えるとパンが膨らみすぎたり簡単ではなさそうだったパン作りですが、このブレッドメーカーさえあれば誰でもおいしく失敗なくパンが焼けます。材料を量ってボタンを押すだけなので「パンを自分で作ってます」なんて恥ずかしくて人には言えないほどです。

そんなわけで我が家では夫がブラウンブレッド担当、私が白パン担当ということになってきました。パンは買わなくなりました。私がこの超らくらくブレッドメーカーなのに対し、夫はレンジに火をつけて、ボウルに材料を入れて混ぜ合わせ・・と超マニュアル型。
こうして正反対のやりかたで焼きあがった二つのパン、どちらもおいしそうに朝を待っています。

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2009.01.09 23:25|パン作り
我が家のブラウンブレッド

我が家では、夫がブラウンブレッドを焼くのが習慣になっています。夫は長年自分の家のレンジに薪をくべて、そのオーブンでブラウンブレッドを焼いています。新しい家に引越してからも、この習慣は変わっていません。

レンジ(Range)というのは、イギリスやアイルランドに古くからあるもので人によってはクッカー(Cooker)とも呼びます。最近ではオイルで熱くなるレンジもあるようですが、昔ながらのものは単純に火をおこして、その熱でオーブンで調理をしたり、レンジの上が熱くなるのでここに鍋を置いて料理をしたりすることができます。

range1.jpg

我が家のレンジは夫の弟が妻の叔母から譲り受けた1960年代のレイバーン(Rayburn)というイングランド製のレンジで、左のドアを開けてそこで火を起こし、右の扉を開くと二段式のオーブンがあるという作りです。煙は煙突を通って外に出て行きます。50年以上経った今でも何の支障もなく、アイルランドで一番おいしいブラウンブレッドが焼ける自慢のレンジです。

ブラウンブレッドとはその名の通り茶色いパンなのですが、アイルランドの定番のパンです。「ソーダブレッド」という名の方が浸透しているかもしれません。見た目はごつごつしていますが、食べてみると意外に柔らかくほのかな甘味のあるパンですが、日本のパン屋さんでは見たことがありません。

我が家のブラウンブレッドは、小麦粉、オートムギ、オリーブ油、塩、ブラウンシュガー、バターミルクを夫の長年の勘を頼りに目分量で順に混ぜて、一気に3つ焼き上げます。
バターミルクは、日本では見たことがなかった気がします。バターを精製する時に残るミルクで強い酸味があり、アイルランドではスーパーで普通に買えます。
こだわりがあるようで、小麦粉やオートムギはすべてオーガニックのものを使います。

brownbread1.jpg

出来上がったブラウンブレッドは、表面がこんがりと茶色に輝き、食欲をそそります。焼きたてのパンをスライスして、バターを塗っていただくのが最高においしいです。
朝は、このブラウンブレッドを焼き色がつくまでしっかりトーストして、バターがスライスの底から染み出てくるぐらいたっぷり塗って食べます。更に、ここに自家製のブラックベリージャムを塗って食べるブラウンブレッドは、まさに天下一品です。

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発信者の紹介

望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎをしているほか、アイルランド伝統音楽の魅力を紹介するプロジェクト「ブラックバードミュージック」を運営しています。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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