2017.08.30 08:46|ワイルドフード
畑というのは私たち人間の手によって作られる、いわば人工的な空間です。私たちが育てたいもの、食べたいもの、鑑賞したいものを植えて、丹精込めて世話します。今年の夏も、我が家はお金を代価に野菜を手に入れることなく、自分たちの畑での労働を代価に新鮮な野菜を日々食しています。

これとは別に、今月はちょっと嬉しいボーナスがありました。

マッシュルーム2017 (3)

きのこ。
このきのこは、毎年私たちの土地の決まった場所にひょこっと顔を出します。
英語ではセップ(Cep)、別名ポルチーニです。そう、イタリアン料理などで使われる、あのポルチーニです。

セップは、アイルランドでは夏の終わりから初秋にかけて出てくる野生のマッシュルームです。
野生なので畑などでは栽培できず、山菜などと並んでワイルドフードと呼ばれる食物の一種です。

きのこ狩りになじみのない友人からは「野生のきのこを食べるなんて危ないんじゃない?」とよく言われます。きのこは確かに何百もの種類があり、有毒のきのこも多いものです。私も詳しいわけではありませんが、このセップに限っては一目瞭然であることと、何より毎年現れるスポットが決まっているので間違いがなく、安心して食べています。

セップは、私たちの土地では樺の木の下に必ず生えてきます。
トネリコやオークの木の下にはありません。いつも、いつでも樺の木の下。

マッシュルーム2017 (2)

ある朝セップを一つ見つけると、我が家の土地にある樺の木の周辺をすべて回ってみた私。すると・・・あるあるある!
あっという間にいくつものセップを収穫できました。

マッシュルーム2017 (1)

きのこなのでどんな調理法にも合いますが、自然の風味を新鮮なうちに味わうためにも、我が家はバターやオリーブオイルで火を通し、レモンジュースを少し絞ってシンプルにいただきました。フェスティバルの期間中は友人らも我が家に泊まっていたので、朝食にも出してみんなで「おいしいおいしい」と言って食べました。
自然の恵み。自然の味。豊かな自然に感謝です。


Erika Moc O'C @Twitter
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2016.03.04 00:19|ワイルドフード
昨夜天気予報を観ていたら、今年の冬は観測史上最も雨が多く、また温暖なのだそうです。雨が降るということは氷点下ではないということで、確かにこの冬は霜の降りている朝が少ないですね。

温暖な冬とは言え、雨風が強いので体感温度は「寒いっ!」と感じます。
今週は気温が下がって、日中は8度ほど。
底冷えのするアイルランドの冬、薪ストーブの前で時折楽しむお酒があります。

以前こちらのブログでもご紹介した我が家の敷地にある古いクラブアップルの木(「クラブアップルを摘む」)。

クラブアップル2013 (2)

去年の秋にも、たくさん収穫した実を使って果実酒を作りました。
ベースになるお酒は、今回はウォッカです。シナモンスティックなどのスパイスも一緒に漬け込めば、風味豊かなおいしいおいしいお酒が完成します。

クラブアップル2013 (5)

収穫したのは10月。ちょうど日本から訪れていた私の親しい友人、美由紀さんが遊びに来てくれていた時でした。
美由紀さんとはアイルランド音楽を通して数年前に出会い、それ以来とっても気持ちのよいお付き合いをさせてもらっています。

そんなわけで、美由紀さんにはクラブアップルを収穫するところから一緒にお手伝いをしてもらうことに。
漬け込むのに使ったボトルの口が小さかったので、ちょっと時間はかかるけど実を1個ずつ丁寧に入れてもらいました。

美由紀さんとお酒づくり (1)

水できれいにすすいであるクラブアップル。ウォッカという強いお酒に漬けるので、生き残れる菌はいないのでは・・・。

美由紀さんとお酒づくり (8)

材料です。

☆☆クラブアップルとウォッカの果実酒☆☆

クラブアップル 1.5kg
シナモンスティック 1本
クローヴ(丁字) 5個
バニラスティック 1本
ウォッカ 1リットル
砂糖 450g

自然の風味をしっかり閉じ込めた贅沢なお酒で、いつもクリスマス前には完成します。これぞ絶好のタイミング。

美由紀さんとお酒づくり (9)

作り方は簡単。以上の材料を蓋付きの容器に全部入れて、8週間待つだけです。

美由紀さんはアイルランドの伝統音楽で使われる楽器、コンサーティーナを演奏します。
今回は、私の住む村のお隣の町に暮らす名コンサーティーナ奏者のメアリーとタイアップして、美由紀さんのための個人レッスンをアレンジしたのでした。これはレッスン翌日の午後のひと時。こんなアイルランドでの過ごし方も悪くない?かな?

美由紀さんとお酒づくり (4)

全ての材料が入って、今日はこれでおしまい。美由紀さん、ご苦労さまでした。楽器を出して、少し一緒に弾きましょうか。

美由紀さんとお酒づくり (2)

最初の数日間は、この写真のように砂糖が溶け切らないで底にたまります。気がついたらボトルを振ってやると、少しずつ溶けてきます。それと同時に、無色透明だったウォッカがクラブアップルの淡いゴールド色に変わってきます。

クラブアップルのお酒2016 (4)

8週間経ったら、中のスパイスとクラブアップルをきれいに濾せば完成です。
ストレートで飲んでもおいしいし、トニックで割ってもよし。香りがものすごく良くて、日本の梅酒を彷彿させます。

美由紀さん、もし今年もアイルランドにいらっしゃることがあれば、このお酒ちゃんと残しておきますよ~。
何てったって、今回はウォッカ2リットル分作りましたからね・・!お待ちしております。


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2015.05.04 06:11|ワイルドフード
2012年の10月に、こちらのブログにこんな記事を書きました。
ブラックベリーでワインを作る

自宅の周囲に自生するブラックベリーを夏の終わりにたくさん摘み、これを使ってワインを作ったのです。
このワインが、このたびやっとやっと完成しました・・・!パチパチパチパチ!いやあ、長いプロセスでした!

1ガロンのデミジョンに入ったブラックベリーワインが、どうやら発酵を終えてガスを出さなくなったので、まずは試飲をしてみることに。
・・・最初に投入した大量の砂糖を酵母が完全に食べつくしてくれたおかげで、ワインに甘みはまったくありません。
かと言ってドライ過ぎず、お味は非常にフルーティー。更に寝かせれば味が熟成していくのでしょうが、これだけでも十分においしい!

よし、瓶詰めしよう!

ブラックベリーワインが完成2015年4月 (1)

デミジョンの底にたまったわずかな澱が混入するのを避けるために、瓶詰めにはチューブを使用します。デミジョンを椅子の上など瓶よりも高い場所に配置し、チューブをデミジョンに投入。チューブの反対側の口を吸ってワインを導き、そのプレッシャーを保ったまま瓶に素早くチューブを入れます。
こうすると、液体が何もせずともきれいに流れ出します。

ブラックベリーワインが完成2015年4月 (8)

かなり速いスピードで液体が流れ出していくので、気をつけて見ていなくてはなりません。

ブラックベリーワインが完成2015年4月 (9)

デミジョンには1ガロン=4.5リットルのワインが入っています。750ミリリットルのワインボトルにして6本のブラックベリーワインが完成しました。うほほーい。

ブラックベリーワインが完成2015年4月 (4)

サンルームには、まだ発酵を続けるワインが並びます。

ブラックベリーワインが完成2015年4月 (3)

手前のデミジョンには、2週間ほど前に作ったばかりのタンポポワインが入っています。2年前に初めて作ってとてもおいしかったタンポポワイン。私のワイン作りの顔となりつつあります。

ブラックベリー収穫2013 (1)

今年もブラックベリーをたくさん摘んで、2015年産のブラックベリーワインを作りたいと思います。


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2014.10.17 21:02|ワイルドフード
自分たちで建てた家に越したのとほぼ同時に、夫は家の周りにさまざまな木を植えました。
木の好きな夫は、時には種から発芽させて木の苗を作り、せっせと移植しています。

私たちの裏庭にあるヘーゼルの木も、夫が種から育てたものです。ヘーゼルの木は、日本語で西洋ハシバミと呼ばれるそうです。

ヘーゼルナッツ2014年 (1)

ご覧のようにまだ若いヘーゼルの木ですが、ヘーゼルの枝はまっすぐに伸びるので、昔からフェンスなどを作るのに利用されてきた木材でもあります。

このヘーゼルの木に、去年から少しずつなりはじめていたヘーゼルナッツが、今年は思った以上にたくさんとれました。

ヘーゼルナッツ2014年 (3)

どんぐりにも似たヘーゼルナッツ。手でひねってみて、簡単に房からとれるようなら収穫時です。

ヘーゼルナッツ2014年 (2)

あ、地面にも落ちている!食べるのは硬い殻の中の実なので、落ちたものもどんどん収穫します。
鳥のさえずりを聞きながら、静かに進むヘーゼルナッツの収穫作業。贅沢な時間です。

我が家の犬、サムも私についてきてヘーゼルの木の下をうろうろ。

ナッツを食べるサム2014 (7)

と思ったら、サムが何やらゴリゴリと噛み出しました。

ナッツを食べるサム2014 (5)

もしかして、ヘーゼルナッツを食べてるの?!
私が拾い残したヘーゼルナッツの殻を歯で器用に割って、中のナッツをポリポリと食べるサム。
知りませんでした、犬って本当に何でも食べるのねえ。

ヘーゼルナッツ2014年 (6)

小一時間ほどで収穫できたヘーゼルナッツと、秋の定番コスモス。
殻を一つずつ割る作業はまた手間のかかるものですが、冬が来る前に少しずつやっていこうと思っています。
ナッツ類は、市販のものを買おうと思うとかなり高価で悩んでしまいます。
こうして自分の裏庭で育つヘーゼルナッツを収穫できるのは、何ともありがたいではありませんか。

さて、ヘーゼルナッツだけでは飽き足らない犬のサム、今度は垣根に生い茂るブラックベリーを食べています・・・!

ナッツを食べるサム2014 (1)

なんて健康的なんでしょう!


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2014.07.01 06:17|ワイルドフード
2年ほど前から、自分で摘んだベリーや花を使って作るワインを、こちらのブログでもご紹介してきました。
最初に作ったブラックベリーのワイン、去年の春に挑戦したタンポポワイン
あれからワイン作りが(勝手に)解禁となり、すっかりワイン作りの虜になってしまった私。

そのあともワイン作りの熱は冷めず、今年は色とりどりのワインがサンルームにずらり並びました。

ワイン作り2014 (2)

2年前に作った、まだ熟成中のブラックベリーワインに続き、冷凍庫で眠っていたブラックベリーを使い切るべく、新たに1瓶を追加で作りました。
花のワインはタンポポに続き、ニワトコの花(エルダーフラワー Elderflower)のワインと、どうしても作ってみたかったハリエニシダ(ゴース Gorse)のワインを。
そして、きれいなピンク色のものは今年の春に仕込んだルバーブのワインです。

ハリエニシダは、こちらですね。

ゴース2013-2

鋭いトゲのあるハリエニシダは、小さな花を一つ一つ摘むのに苦労しました。

ゴース2013-3

ハリエニシダのココナツの甘い香りに包まれながらの作業です。見た目もとってもきれい。

ゴースワイン2013 (1)

さて、ワインと言えば一般的にはブドウを使ったワインを指しますね。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローは赤ワインを作る時に使われるブドウの品種、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネは白ワイン用のブドウ品種の代表格として知られています。

一方で、私が作っているようなワインのことをカントリーワイン(Country Wine)と呼びます。
ワインのベースとなるものは果物であったり、香りのいい花、木の葉、ハーブ、更にはジャガイモやニンジンなどの野菜の場合もあります。

経験と知識が必要なワイン作りは、知れば知るほど奥の深い世界です。最初の頃は失敗も多いようで、1ガロン(4.5リットル)も作ってすべてが水の泡となるとうんざりしますし、熟成させて飲めるようになるまで長い時間がかかることから「ワイン作りは諦めた」という人にも何度も会いました。

私もまだまだ完全な初心者ですが、バラエティーに富んだ手作りのワインが家にいつでもある暮らしはとても豊かな気持ちにさせてくれますし、これから長い年月をかけて少しずつ学んでいく過程も楽しめたらいいなと思います。
今までの私のワインは、フルーツや花についた自然酵母を利用して発酵させていましたが、今年の春はとうとうワイン作りのための酵母(イースト)を購入、これを使って正しく(!)ワインを作っています。

ワイン作り5月2014 (1)

食べ物でも飲み物でも、ワインのように発酵させて作るものは、本当に面白いなあと思います。
今日も発酵中のワインから出るガスの音を聞きながら、自家製ワインが飲める日をのんびり待つ我が家です。


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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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