2017.07.06 08:56|毛糸と私
娘のリラはよくホームシックになります。フィークルの村中に住むクラスメイトの家にお泊まりに行くだけでも家が恋しくなるほどで、エキサイティングな3週間の日本滞在時も後半はホームシックに。

アイルランドの自宅に戻ると、当の私も「ああ、これが恋しかったんだわ!」というものがいくつもあって、やはり自分の家ほど居心地のいい場所はないのだなと改めて感じました。

その一つが、このセーターです。

2017年手紡ぎジャンパー (1)

この前の冬に自分で紡いだ羊毛の糸を使って編みました。
限りなくシンプルで、長く着られて、袖を通すたびに愛着を感じられるような一枚を作りたい。
型はなく、寸法を測るところからはじめて、いざ編み上がってからは着心地が少しでも悪い部分は思い切ってほどき直し、手間を惜しまず最後までこだわりました。
好きな服というのは色とか肌触りだけではなくて、快適な袖の長さや襟ぐり、肩幅などすべてが自分の体になじんでこそ出合えるものではないでしょうか。

使ったのは、トマスが飼育している白い羊の毛を紡いで双糸にしたものです。

紡いだ毛糸 (3)

編んで編んで、毛糸がなくなったら紡ぎ車で更に紡いで紡いで・・・どのぐらいの時間をかけて完成したのかは私にも分かりませんが、その甲斐あって満足のいく一枚のセーターができました。

2017年手紡ぎジャンパー (2)

四季を通して着れるよう、かなり太めの棒針をわざと使って編んだので軽いセーターに仕上がりました。目が粗いので太くなったり細くなったりする手紡ぎ毛糸の風合いが面白い表情を出してくれます。

7月といえば夏本番のアイルランドですが、気温も20度前後と涼しいので、日本から帰ってきてからも大活躍のセーターです。

「エリカ、そのジャンパー(アイルランドの英語ではSweaterとは呼ばずJumperですね)毎日着てない?」

Ah yes. Oh, NO NO NO!


Erika Moc O'C @Twitter
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2017.03.16 03:02|毛糸と私
明日は3月17日、聖パトリックの日ですね。アイルランドではこの日は祝日で子どもたちの学校もお休みとなります。
地域の各町村ではパレードが催されるので、私にとっては子どもたちを連れて慌ただしく移動する日でもあります。

この日に向けて、毎年毛糸を使ってある小物を作っています。

かぎ針シャムロック作り (7)

聖パトリックの日には胸元に本物のシャムロックの植物を束ねてつけますが、そう簡単に手に入るわけではありません。
そこでこれに似たものをウールで作れないかなと思い、かぎ針で作り始めたのがこちら。シャムロックをかたどったブローチです。ぷっくりと立体感のあるシャムロックの裏にブローチピンがついているので、胸元だけでなく帽子やバッグにつける方もいらっしゃるようです。

私のオンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」さんにて販売しているほか、夫の働くエニスのミュージックショップ「カスティーズ(Custy's)」の店頭、昨年からは私の住む村の郵便局でも販売してもらっています。

小さなお店の商品が届くまで (5)

郵便局のブライアンにそれとなく尋ねてみると「いいね、窓口で販売してあげるよ。聖パトリックの日の3週間前ぐらいに持ってきてよ」と快諾してくれたのです。いつもお世話になっている信頼度抜群の誇るべき郵便局員ブライアン。この人なしには私は迷子になってしまう。ありがとう。

というわけで、2月も下旬になるとこのシャムロックブローチを何十個も作ります。最後にラベルをつけますが、子どもたちが「やりたい!」というので手伝ってもらうことにしました。

かぎ針シャムロック作り (11)

家族経営のビジネス?

かぎ針シャムロック作り (9)

おかげさまでフィークル村の郵便局では私のシャムロックブローチが地元の人たちに大変好評で、ブライアン曰く「今年は販売しないのかって、既に問い合わせがあったよ」とのこと。今年も30個近く売れているそうです。
「これ一体誰が作っているの?」と知りたがる村の人たちなので、私の名前はラベルに明記していないのに多くの方から「ブライアンから聞いたよ!」、「エリカのブローチ3個も買っちゃった!イングランドの息子夫婦に送ったんだよ」など嬉しい声をかけてもらっています。去年の聖パトリックの日には私のブローチをつけている人たちを村のパレードで何度か見かけ、嬉しい気持ちになりました。

かぎ針シャムロック作り (10)

カスティーズのお店では年間を通してカウンターに置いてあります。シャムロックはアイルランドのシンボルの一つでもあるので、聖パトリックの日に限らずお土産として重宝するのだそうです。

かぎ針シャムロック作り (8)

アイルランドの工場で紡がれる羊毛100%の毛糸を使ったシャムロック型のブローチ。
そろそろ毛糸が少なくなってきたので、また注文をしないと・・。


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2017.02.06 08:57|毛糸と私
ウールと一言でいっても、いろいろなウールがこの世界にはあります。
セーターや帽子、手袋といったウール商品を購入する際に、どんな素材でできているのかラベル表示を必ず見てから・・という方は多いのではないでしょうか。

本日は、意外に知らない(かもしれない)ウール素材のいろいろを見ていきたいと思います。

一般的なウールの代表格と言えばやはり羊毛でしょうか。言うまでもなく、これは羊の毛のことですね。
中には、特定の羊の種類まで明記してあることもあります。例えば「メリノウール100%」。メリノはオーストラリア原産の高品質なウールで有名な羊です。

アルパカウールも、とても人気のある天然素材ですね。こちらのブログでも以前ご紹介しましたが、アルパカは南米のひょうきんな風貌をした動物で、ウールはとても柔らかく高級とのこと。(過去の記事→「アルパカも、紡いでいます」

アルパカにやや似た動物でラマというのもいて、ラマのウールも手触りの良さで知られています。

さて、お次はモヘア。
ふわふわと軽く柔らかく、細かい毛に覆われたようなデリケートな素材ですが、「モヘアはなんの動物の毛でしょうか?」と訊かれると、「えっ、何だっけ?」と知らない方が多いかもしれません。
正解はアンゴラゴートという名前のヤギ、の毛。

アンゴラゴート

見るからに柔らかそうなもしゃもしゃの毛!つ、紡いでみたい・・・!

じゃあ高級素材として有名なカシミアは?
カシミアも、カシミアゴート、カシミアヤギという品種のこれまたヤギの毛なんですね。こんな動物です。

カシミアゴート

モヘアがアンゴラヤギなら、「アンゴラ」もアンゴラヤギ?かと思いきや。
紛らわしいようですが、「アンゴラ」と表示されている場合は普通アンゴララビットのウールを指します。そう、アンゴラはウサギの毛なんですね!びっくり。ついでにアンゴララビットの容姿にもびっくりします。

アンゴララビット

はははっ!

ほかにもヤク、ジャコウウシ、バイソンのウールというものもあるようで、ウールを紡ぐ私としては試してみたい動物の毛がたくさんあるわけです。

どのウールも、その土地の風土とそこに寄り添って生きてきた人々の生活様式、そして彼らが育んだ知恵によって「衣」として生まれ変わってきた歴史があり、面白いなと思います。

それにしても、持ち服の表示ラベルにある素材としてしか知らないというのは、なんて悲しいことだろうと思いませんか。
原形としての自然素材とそれを使って作られた商品を着ている私たちとの間に、どうしようもない距離ができてしまっているのも、消費社会の結果なのかなと思います。

私たちと衣との関係が、他人行儀でコネクションのない味気ないものになってしまっている。
衣類は毎日まとうものなのに、それが一体どんな素材でできていて、どこから来て、誰が作ったのか、私たちは知ろうとしません。そうした想像力をかきたててくれる衣が、私たちの生活の中にもはや存在すらしなくなっているということなのかもしれません。

ジャナの手編みベスト2017 (1)

この子ども用のベストは、私の近所に住む女性がお孫さんのために編んだものです。
羊毛100%で、この女性の娘さんのパートナーが飼育する羊の毛を私が紡ぎました。オレンジ色の毛糸は、紡いだ糸を更に玉ねぎの皮で私が染めたものです。
このベストは、どこに飼育されている羊の毛を使って、誰が紡ぎ、誰が編んだのか、ストーリーを1ページ目からすべてたどることができます。
洗うたびにウールが柔らかくなり、糸の集合体から一枚の衣へと変化していった、特別なベストです。
「草木染めだからどんどん色褪せるかと思っていたけど、鮮やかな玉ねぎ色が今でも見事なのよ!」と言って見せに来てくれたのでした。

私たちと衣の関係は、昔はみんなこんな感じだったんだろうな。

一枚一枚が貴重で、思いが込められているから、穴が空いても直しながら、いつまでも大切に使い込んでいく。
「使い捨て」のない暮らし。
こんな風に忘れ去られた暮らしの在り方を発見することが、私は好きです。そしてその視点を書き留めることで一人でも多くの皆さんと思いを共有することができたら。少しずつ何かが変わっていくかもしれません。


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2017.01.26 02:52|毛糸と私
さて、この冬も飽きることなくいそいそと毛糸に向かっている私。

この前の冬にハンドメイドのオンライン通販「iichi(いいち)」さんにて出店をスタートし、ゆっくりではありますが私の手作りした品が日本の方のお手元に届いています。何という幸せでしょうか。
日々の生活をこなしながら新作を次々と出していくことは私には難しく、膨大な時間を要します。このたび、1年ぶりに指なし手袋の新作を完成させることができましたので、本日はこちらのご紹介をさせてください。

アイルランドで紡がれる伝統的なツイード毛糸(羊毛100%)を使った、葉っぱ模様の指なし手袋「リーフ」のシリーズ(全3色)です。

加工済みDSCF6945

手を通すと甲に揺れる葉がきれいに浮かび上がるエレガントなデザインで、3種類の木の実の色をご用意しています。
(クリックするとそれぞれの作品ページにジャンプします。写真左より)

Sloe(リンボク)
Blackberry(ブラックベリー)
Hawthorn(サンザシ)

アイルランドに住んでいながらこんなことを言うのもおかしいのですが、実は私、ケーブル模様のたくさん入ったコテコテのアラン模様に抵抗があります。アラン模様は好きなのですよ、とっても。が、おそらくデザインによっては存在感があり過ぎたり模様と模様の連鎖にストーリーを感じられなくて、「ああ残念!」と思ってしまうのですね。

でも、このリーフ模様というのはさり気なくて、それでいてエレガントで、季節が感じられとても好きです。葉の模様編みにもいくつかパターンがありますが、今回は左右から葉が重なっていくようなイメージをほどこしたこちらの手袋シリーズが完成し、大満足です。

加工済みDSCF6827

私の作品づくりに欠かせないこちらの毛糸、ところどころ色の異なるネップがランダムにちりばめられたツイードヤーンと呼ばれる伝統的な毛糸です。フェルト地にも近い柔らかな手触りで、アイルランドの大小の織物メーカーでも素材として頻繁に使われている、Made in IRELANDの毛糸です。

加工済みDSCF6934

指なし手袋は英語で「Fingerless Mittens」などと呼ばれます。ちょっと前まで「指先が出ているなんて寒いじゃない!」とバカにしていたのですが・・いざ使い始めるとその意外なまでの保温性と着け心地の良さに、手放せなくなりました。自分用の指なし手袋をいくつか持っている私ですが、今や冬の外出時の必須アイテム、手は温かいのに指が出ているからとても便利なんですね。

ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてくださいね。
アイルランド田舎生活の小さなお店@iichi(いいち)


せっかく冬なのだし、もう少し毛糸にまつわる記事を書きたいな、と思っています。次回もお楽しみに。


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2016.11.02 01:08|毛糸と私
先日のドニゴールへの長旅を終えて、一緒に行った友人と今でも興奮気味にいろいろな話を共有しています。
ドニゴールで出会った皆さんはどなたもとてもフレンドリーで優しく、クレア在住の東洋人という謎のお客にもかかわらず大変良くしてくださいました。

手織りのスカーフ(マフラーですね)やブランケットを販売するお店のオーナーさんとも、帰り際にお話をする機会がありました。
見知らぬ人間の私に、お店の成り立ちやデザインへのこだわり、ドニゴールの糸の特徴などを熱心に語ってくださいました。
こんなに小さな村だけど、自分たちの土地にあるウールの伝統を守り、今でもこうして地域の人たちの雇用を支えながら自分たちの今があることにとても誇りを持っているというお話。スタッフの皆さんがこうした誇りをもって仕事に携わる様子は、見ていてとても清々しく感動的でした。
私が紡ぎ車を使ってウールを紡ぐ話などをすると、「ちょっと待ってて」と言ってお店の奥から何やら出してくるオーナーさん。
「これね、うちの工場で紡ぐ直前のウールなんだけど、あなたに持っていってほしいんです。自宅でぜひ紡いでみてください」

値札が付いているところからして普段は店内で商品として売られているもののようですが、「お土産に」と言って手渡してくれたのでした。それがこちら。

はるばるドニゴール (1)

ブルーだけどところどころ微妙に色合いが異なる、とても美しいウールです。撚っていないから引っ張れば簡単に切れてしまう状態で、これをさっそく自宅の紡ぎ車にかけて撚りをかけてみました。

はるばるドニゴール (2)

きれい。グラデーションが見事です。

これを更に2本に撚って糸にしてみました。
3本撚りにしたものも作ってみると、当然ですが双糸(2本撚り)よりも太い毛糸が出来上がります。

はるばるドニゴール (16)

去年の冬に撚ったものと見比べてみると、同じ自分の作品でも変化していることに気がつきます。

はるばるドニゴール (25)

誰に教わったわけでもない、自分で積み上げただけのスキルではありますが、どうやら少しは上達しているようです。よかった・・。

はるばるドニゴール (21)

こちらは私が普段紡いでいる白い羊毛と一緒に撚ってみたもの。

思い出深い素敵な手土産をドニゴールでいただいてしまいました。

ドニゴールへの再訪・・早くまた実現するといいなあ。
ドニゴールと言えば、先日のハロウィーンでも子どもたちが声を合わせて呼びかける恒例のこんなセリフを幾度となく聞きましたっけ。

Trick or treat, trick or treat. Give me something nice to eat. Not too big, not too small, just the size of Donegal.
(いたずらかお菓子、いたずらかお菓子、どっちがいい?何か素敵なお菓子をちょうだい。大きすぎてもだめ、小さすぎてもだめよ。ドニゴールと同じぐらいの大きさにしてね)

・・・というのもドニゴールって、結構大きな州なんですよね。アイルランドでは4番目に面積の大きい州だそうです。
息子のショーンも村の住宅地に友だちと出かけていって、ドニゴールと同じほどのお菓子をもらってきました。やれやれ。

「糸を紡ぐ」という手仕事。今年の冬も、時間を見つけてゆっくり追求していこう。
明日はところ変わってアイルランドの東側にあるウィックロー州のAvoca(アヴォカ)の工場を訪ねます。こちらも楽しみです。


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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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