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2019.10.05 00:40|毛糸と私
紡ぎ仲間の一人、ヴァレリーが西クレアの自宅でアルパカ農場を営んでいることは、紡ぎの会に何度か通ううち知るようになりました。
行ってみたいなと思いつつ、私はまだまだこの会の新入りだし、出しゃばった真似はしたくない。控えめに、控えめに。
前回の集まりでヴァレリーにとてもきれいなアルパカの毛を紡いでいるのを見せてもらいながら立ち話をしていると、「ほら、来週の日曜日に私の農場のオープンデイがあるから、ぜひいらっしゃいよ。家族も連れてきて」と嬉しいお誘いをいただきました。
オープンデイというのは、普段は有料であったり商品を販売している場所を一般公開し、みんなに足を運んでもらう日です。仲間たちで手紡ぎのデモンストレーションをするから、エリカも紡ぎ車を持って参加してほしい。ヴァレリーにお礼を言っておじゃまさせてもらうことにしました。

娘のリラが近所に住む親友のエイヴァと一緒に行きたいというので、二人のティーンエイジャーを後部座席に乗せ、手作りのランチ、飲み物、紡ぎ車とこの日紡ぐ予定のウールを袋に詰めて、日曜日の朝10時に自宅を出発です。

エニスの町を迂回するようにして、慣れない道を西部へ。1時間ほど走るとキルラッシュというクレア州内で2番目に大きな町が見えてきました。「リラのおじいちゃんが若い頃に働いてた町だよ。北ケリーが近いからね、ここは」と娘に説明しながら、目指すキルキーという海岸沿いの町まで一気に走らせます。
最後にはわだちのあるまっすぐの一本道をごとごとごと。この辺りは土地が平坦で、大西洋からの風が冷たい。徐行しながら少し行くと、とあるエントランスの横にヴァレリーの農場のサインを見つけ、どうやら無事到着です。

建物の見える敷地内に入っていくと、既に訪問者の車が数台停まっていました。するとヴァレリーの旦那さんビリーがどこからともなく現れて、「ああ、ヴァレリーの紡ぎ友だちの方だよね。そうしたら中庭に駐車したらどうかな。紡ぎ車とか、いろいろ運ぶものがあるでしょう」と言って門を開け誘導してくれました。とてもおしゃれなツイードの帽子に、これまた素敵な紺のあたたかそうなセーターというスタイルのビリーさん。今日は一日外で訪問者向けにアルパカの説明をするのだそうです。

自宅らしき建物の裏にヴァレリーのスタジオがありました。入ると心地のよいストーブの横のカウチにヴァレリーが座り、既に糸紡ぎをしています。彼女のスタジオはもともと牛小屋だったものを改築したのだそう。小ぢんまりとした空間には織り機や紡ぎ車などが趣味良く配置され、白く粗い壁に美しく映えます。ああ、私もこんな自分だけの部屋がほしいなあ!
あいさつをして自分の紡ぎ車を運び入れ、準備をしているとティーンエイジャー二人は「早くアルパカ見に行こう!紡ぐのはそのあと!」と私の手を引っ張るので、まずは外に行くことにしました。

アルパカ、どこにいるんだろう?

Loophead Alpaca 2019 (10)

いました~!

ヴァレリーの農場には合わせて11頭のアルパカがいるそうで、そのうちこの春に生まれたばかりの赤ちゃんアルパカにも会うことができました。
この子たちです。

Loophead Alpaca 2019 (7)

ひょえー、なんだか特大のぬいぐるみを見ているみたい!か、かわいい・・・。

ビリーさんが農場やアルパカという動物について、ていねいに説明してくれます。今日のお客さんたちはほとんどが地元の人々。家族連れやファーマーさんなど、皆さん興味津々で聞いていました。

Loophead Alpaca 2019 (6)

そして、この毛!もこもこ、ふわふわ。紡ぎ人の目が光るわ~。

こちらの赤ちゃんは健康に生まれたものの、お母さんアルパカが育児拒否。ヴァレリーにとっては初めての経験で最初は戸惑ったそうですが、今は2時間おきにほ乳瓶でミルクを与え、順調に育っているということです。赤ちゃんの名前はマリオくん。

Loophead Alpaca 2019 (11)

ランチタイムですよー。

アルパカという動物、こんなに近くで見たのは初めてでした。この動物の毛を紡ぐのか~。

Loophead Alpaca 2019 (4)

裏のフィールドには馬が4頭飼われていて、こちらも大人気。

動物見学のあとはヴァレリーのスタジオに戻り、手紡ぎデモンストレーションです。
次から次にスタジオに入ってくるお客さんたちと時おりおしゃべりをしたり、紡ぐ過程の説明をしたり。貴重な体験をさせてもらいました。

ヴァレリーのスタジオの様子を少しご紹介。

Loophead Alpaca 2019 (19)

こちらは私が座っていたカウチの横に飾ってあった紡ぎ車。どこのメーカーのものでしょう、とても古い感じがします。飾ってあるとは言っても紡がれた糸がボビンに巻かれているのですから、現役ですね。シンプルなデザインがいいなあ。

Loophead Alpaca 2019 (16)

窓際のデスクに置かれたこちらの紡ぎ車は、ドニゴール産。ジョニーさんという紡ぎ車職人さんのお父さまが作られたもの。ミニチュアのようですがちゃんと糸が紡げます。

Loophead Alpaca 2019 (13)

ヴァレリーは染色もやっていて、自ら紡いだアルパカの毛糸を身の回りの植物や花を使って染めています。

Loophead Alpaca 2019 (12)

どれも素朴な色ばかりで、見ているだけで気持ちが和らぎます。と同時に刺激的。こんなことがどんどんできたら、楽しいんだろうなあ。ヴァレリーは毛糸の販売も行っており、この日も購入希望のお客さんが数名ありました。
機械で紡がれた毛糸には絶対に出せない風合い。もちろんその分の代価はかかりますが、これで一生愛せるアイテムが作れれば、けちをするなんて愚かです。毛糸には、ウールが取れた年とアルパカさんたちの名前がそれぞれ表示されていました。

Loophead Alpaca 2019 (18)

毛糸好きにはたまらないこちらのコーナー!
アルパカのナチュラルな色そのものの毛糸や染色されたウール。どれを手にとってもやわらかく、夢のようです。

Loophead Alpaca 2019 (8)

自分の土地で飼育する動物の毛を収穫し、糸を紡ぐ。編み物をする私たちにとって、これは最も理想的なありかたではないでしょうか。土地に寄り添い、その土地と共に生きる。

いいなあ。いいなあ。

あとから聞いた話では、この日は200人ほどの来場があったそう。西クレアがん基金のための寄付金も募っており、私も少し寄付をしてきました。こちらも800ユーロ以上集まったというのですから、ヴァレリーたちにとって大成功の日となったことでしょう。

帰り際になると、ヴァレリーが「エリカ、これね、少しだけどうちのアルパカの毛。紡いでみて、結果を知らせてね」と言って遠慮する私の手にアルパカウールの入った紙袋を持たせてくれました。
真っ白のウールと、キャラメル色のウール。また紡ぐ楽しみが増えそうです。

この日の様子は、フォトグラファーであるヴァレリーの息子さんがフェイスブック動画にしてまとめています。私のフェイスブックページでも後日皆さんにご紹介したいと思っています。→アイルランド田舎生活facebook

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2019.09.20 12:22|毛糸と私
そんな経緯から、音楽仲間で農夫のマークからプレゼントされたサフォークという品種の羊の原毛。
紡いだ結果から先にご報告してしまうと・・・

立派な毛糸になりました!

マークの羊毛 (1)

確かに決して柔らかいとは言えないタイプの毛糸ではありますが、我慢できないほどの肌触りでもありません。私が一番最初に自分の手紡ぎ糸で編んだ、自分用のセーター(下に掲載した写真で私が着ています)と同じぐらいのかたさです。レッグウォーマーや何かのカバーなどを編むのに向いているかも。

ここ1年ほどメンバーとして仲間入りさせてもらっている紡ぎの会のリーダーの一人、サンドラさんにサフォークのウールについて訊いてみると、「そうね、紡ぐ者としてはお気に入りの品種には入ってこないと思うけど、ウール自体はあたたかくてなかなかいいと思うのよ」とのこと。飼育方法や羊の年齢によっても質が変わってくるそうです。

さて、今回はもう一つ試してみたいことがありました。
一度袋から取り出し、原毛の点検をするのです。
羊の原毛は、広げてみるとだいたい一枚のカーペット状になっています。どちらが表面でどちらが内側の毛か。ここが足の毛だな、とか、ここが背中、ということも見当がつくのです。原毛はまるごと使えるわけではなく、毛が細く柔らかい部分、あまりに汚れていて使えない部分、雨風にさらされてかたくなってしまった部分などさまざまです。あらかじめ点検をすることで、明らかに使えない部分を取り除き、紡ぎの工程に備える準備をするのです。

マークの羊毛 (3)

この日は雨が降っていなかったので、さっそく原毛を広げてみました。

マークの羊毛 (2)

触ってみて、毛が太すぎる部分は思い切って捨てていきます。糞やら藁やらで絡まった部分もさようなら。更には毛刈りの過程で短く切り過ぎた部分も、紡ぐのには不向きなので取り除きます。
しかしこの作業も楽ではありません。だんだん判断力が鈍ってきて、さっき捨てたばかりの部分がやっぱり使えるような気がしたりしてしまうのです。また、自分が一体どんな糸を作りたいのかということと関わってくるので、これがぶれてくると作業が滞ります。まだまだ経験が足りないなあ。

どうにかこうにか原毛の分別作業にきりをつけ、待望の紡ぎの作業にとりかかりました。

マークの羊毛 (4)

2玉紡いで、こちらはわざといつもよりも太めに紡いでみました。
毛の長さはまったく問題なし。マーク、合格合格。

紡ぎ終わった単糸を、今度は2本一緒に撚っていきます。だんだん糸らしい形になってきました。私はいつも原毛を梳かさず洗わず、そのまま紡ぐので、双糸に仕上がった時点でお湯を使い、洗浄します。何度もゆすいでいくと、羊本来のきれいな色が次第に姿を現します。

マークの羊毛 (8)

納屋には、大量の原毛が詰まったあの特大バッグがまだ転がっています。
全部使い切れるかどうかは別として、本当にありがたいプレゼントとなりました。以前から疑問に思っていた、食肉用の羊のウールが実際にどんなものなのかも、今回ようやく手がかりがつかめた気がします。サフォークは夢見るような柔らかさではないけれど、紡ぐには十分だし、紡いだ糸で何かを編んでいくことも十分可能であることが分かりました。ただのフィリングになってしまうなんて、やっぱりもったいないです。

それに、マークの羊毛を紡ぐ時間は幸せです。私にとっては、ただ紡いでいるという行為ではなく、私が細々とでもつながっているこの地に生きる人たちの存在を感じることができる体験であり、そんなつながりに感謝できる時間だからです。

ああやっぱりいいな、この地にあるものに寄り添う暮らし。食べものだけでなく、着るものも地産地消が少しでもできたらいいのに。
マークの娘さんは毛糸遊びが好きだと言っていたので、紡いだ毛糸を少しだけ玉にしてお返ししようと思っています。

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2019.09.18 20:44|毛糸と私
アイルランドには羊がたくさんいます。
その多くは食肉用で、羊農家さんが好んで飼育する羊の品種というのも、だいたい決まっているものです。残念ながら、これらの羊の毛は私たちが肌にまとうウール製品にはならないというのが一般的な認識です。アイルランドの食肉用羊の毛は短く、そもそも紡ぐのに不向きです。また、せっかく紡いで糸にしても肌触りはかたく場合によってはちくちくして、とてもじゃないけれどマフラーや帽子としては使えない、ということらしいのです。このようなウールは、昔はカーペット作りなどに使われ、今では家の断熱材やフィリングになっていると言われます。

こんなにたくさん羊はいるのに、ウール素材として使えないというのは実にもったいない。本当にだめなのかな。

5月下旬から6月上旬の季節になると、アイルランドでは一斉に羊の毛刈り作業が始まります。それまでもこもこしていた羊たちは、毛刈りを終えるとまるで一回り小さくなったみたい。身軽に牧草地を駆け回ります。

ときどき遊びに行っている、村のパブの音楽セッションのホストを務めるマークは農夫さんです。専門は肉牛ですが、ここ数年は羊も飼い始めたとのこと。私が手紡ぎをすることを誰かから聞いたのか、ある時から「今度はうちの羊の毛を持ってきてあげるよ」というのがあいさつ代わりになりました。
「ちなみになんの品種を飼ってるの?」と訊くと「サフォーク(Suffolk)だよ、肉用だからね」

うーん、サフォークか~。

今年の6月のはじめ、パブセッションのある水曜日のある午後のこと。今度はマークからテキストメッセージが入り、「エリカ、今夜セッションに来るんなら例の羊毛持っていくけど」とのこと。

アイルランドの肉食用羊のウール。紡げるのかな?実際のところ、肌触りは果たしてどんな感じなんだろう?
これは実験のチャンス。事実確認のチャンス。

「Yeah I'll see you tonight, thanks Mark.」とテキストメッセージを返して、ありがたくオファーを受けることにしました。

夜、いつも通りの音楽仲間とあいさつを交わし、いつも通りの音楽を一緒に演奏して、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。セッションが終わると、マークは「よし、車の中にエリカへのプレゼントがあるから僕と一緒に来たまえ」と言って、「Come on」と促します。

「1匹分でいいって言ってたけど、2匹分あげる」
「バッグが大きいんだよね、車のトランクに入るかなあ」

「お、マークとエリカが闇取引してる」などと友人にからかわれながら、薄暗い街灯の下でマークの車から登場したのは超特大のプラスチックバッグ。私の小さな車のトランクに手でぎゅうぎゅうと詰めこみ、ほぼ無理やりふたを閉めて、どうにか搬入作業が完了。

「扱いやすいようにロール状に巻いておいたから」
「紡ぐのには毛が長い方がいいだろうと思ったから、なるべく長いのを選んでみたんだよ」

まあ、なんて優しい。

「本当にありがとう。どんなウールなのか私も楽しみだわ。毛糸になったら持ってくるから」
「いらないいらない!全部自分で楽しんでよ!」

帰宅したのは12時過ぎ。
夫のパットさんはとっくのとうに就寝、子どもたちももちろん夢の中です。トランクを開け、一人でバッグを取り出します。
2匹分の羊毛とは言え、お、お、重い~~~。

「ちょっと、神様、なんとかして」などと独り言を言いながら、ずっしりとしたバッグをやっとのことで家の中に引きずり入れました。これ、ミッドナイトにする仕事じゃないよね~。

そして翌日。待ち切れずに、昨夜運び入れたバッグの中身を覗いてみると・・・

マークの羊毛 (5)

わー!入ってる、入ってる!
そしてバッグを開けた途端に鼻をつく、この羊特有のにおい。でも待てよ。え~、よく見るとウールの感じも決して悪くないですよ。ラノリンという羊毛にもともとついている天然オイルも多すぎないし、ファイバーの細かさも部分的には上等に見えるではありませんか。

こ、これは、早く紡いで確かめたい!

それにしてもこのバッグ、マークも私もよくかつげたものだわ。
どーん。

マークの羊毛 (7)

ああ、やっぱり2匹分入ってる。ていねいに巻いてありました。

マークの羊毛 (6)

これだけの重さのウールをまとっていた羊たち。初夏の毛刈りはさぞかし爽快なことでしょう。
さあ、地元で、友人の手によって飼育されるサフォークの羊毛はいかに。

次回の記事で、紡ぎます!

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2019.06.07 07:33|毛糸と私
今年の3月にようやっと仕上がった、アイスランドのセーター、ロピ。その後もお気に入りの一枚として大活躍しています。編み込みが胸元にあるからなのか、とにかくあたたかいセーターで、着こめば着こむほど私の体型になじんでくる気がします。

編みかけのこのセーターが、我が家に来ていた友人の目にたまたま留まったそうなのです。普段は連絡などし合わない彼女から突然電話をもらい、早口で「エリカの紡いだ毛糸でセーターを編んでほしい。料金はいくらかかっても構わない。エリカのセーターと同じような、胸元に色模様のあるスタイルのセーターがいい」という注文。

私にとって、家族以外の人のために編む、それもお金をいただいて編む、初めてのセーター。

そんな技量が今の私にあるのかしら?
迷いはしたものの、相手は気心の知れた友人。もしかするとこんな形でスタートするのが一番いいのかもしれない。この縁が、これから進むべき道を示してくれているのかもしれない。
彼女の希望を聞いて、色を決めて、寸法を取って、と初めてのことだらけで緊張しましたが、数週間かかってどうにか一枚のセーターを仕上げることができました。

ロピ2枚目 (1)

赤い毛糸以外、すべて私のご近所さんからいただいた羊毛を紡いで作った毛糸です。
羊の色のみで編んでもよかったのですが、彼女の顔や表情を見ていて「ここに赤がほんの少し入ったらいいのかも」と思い、去年のクリスマス前に近くにあるスタイナースクールのフェアで購入した深紅色のウールを紡ぎました。

ロピ2枚目 (3)

自然な色合いの手紡ぎ糸に、ビビッドな赤が効いている。よし、私の勘は間違ってなかったぞ!
ああ、このセーター、私がほしいくらいかわいい!

ロピ2枚目 (2)

編みかけの状態で何度か彼女を訪ねて試着してもらい、微調整を経て完成したセーター。完成後も、一度「襟元をもう少し広く」ということで手直ししました。これも、近くに住む友人だからできること。
オーダーメイド、というのでしょうかね。

お店で販売されている毛糸を使った編み物も楽しい。でも、自分で紡いだ毛糸で一度編み始めてしまうと、未だかつて感じたことのない充足感があります。満たされたこの気持ちは、まぎれもなく、幸せという気持ち。

当の友人には大変喜んでもらい、私にとっては貴重でやりがいのある手仕事となりました。
セーターを編むのはやっぱり楽しいな。

6月はアイルランドの初夏にあたります。畑仕事も忙しくなってきたこの季節、今年はまだまだ編み物プロジェクトが山積みです。
そして、糸を紡ぐ時間も、実は近頃増えているのです。あれ?今までは冬の作業だったのに?
紡ぎを取り巻く私の環境が、ここ数か月で少し変わってきたからでしょうか。次回また、そんなこともお知らせできればと思います。

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2019.03.22 16:08|毛糸と私
きれいな色模様の入ったヨークが特徴のアイスランドのセーター、ロピに初挑戦して編んだのが去年の冬のこと。時間をかけて編みこんだヨークの寸法に誤差があり、これではだぼだぼでとても着れないということが判明しました。リビングルームのカウチに放置されていたセーターを、ちくっ、ちくっと胸を刺す罪悪感にかられながらも知らんぷりをしていた私ですが、さすがに次の冬がやって来るとそろそろいい加減自分の怠惰な性格を呪い、自己に呆れるようになりました。ポンと時間が空いたのを見計らって、これこそ待っていた絶好の機会と自分に言い聞かせ、やっと奮起してこのセーターを「ほどく」作業にとりかかったのです。

やらなくてはいけないことなのに、どうしても気が進まないこと。
いざやり始めると、実は簡単で、あっという間に済んでしまうことだったりしますよね。
長すぎたヨークは、ものの数分できれいにほどけてなくなってしまいました。

着工したら、最後までやり通すしかありません。止まってはだめ!
合体していた胴体と袖部分を取り、短すぎた袖をそれぞれ編み足して長くします。もう一度合体させて少し編み進めてから、今度は棒針をすべて抜き取って編み目に余り糸を通し、何度も試着してみました。ヨーク部分を編み始める前に、サイズをしっかり確認しておくためです。同じ失敗はしないぞ・・・!

手間のかかる作業ですが、ここで間違えたら更に余計な時間がかかります。慎重に慎重に。
ヨークの模様を短いデザインに変更し、ここでやっと編み始めることができました。

ロピセーター2019 (6)

模様を編む途中でも、何度も余り糸に通して試着。ん、そろそろ目の数を減らそうかな?

ロピセーター2019 (11)

襟の部分は、それでも何度か編み直しました。首が通らないほどきつすぎてもいけないし、逆に浅すぎるとすうすう寒い気がします。
冬の寒い日でもしっかり防寒してくれるセーターにしたかったので、襟元はインナーが見えないほどまで編み上げることにします。

そして・・・
完成。

ロピセーター2019 (8)

できたー!!
途中何度も試着した甲斐あって、サイズはぴったりです。
欲張って入れた当初のヨーク模様よりもシンプルで、すっきりしました。

ロピセーター2019 (7)

セーターでも帽子でも、私は作品が完成すると必ず水通しと言って一度ぬるま湯に通します。毛糸というのは、編まれた直後はテンションが張ったように強ばっていたり表面に凹凸があったりしますが、一度濡らすと毛糸がリラックスして、乾いた頃にはなめらかな編地が現れるのです。

メインの色のライトブラウンは近所の羊さん。白は少し車で行ったところのトマスの羊さん。ブルーはドニゴールに行った際にウールショップのオーナーさんからプレゼントされたものを私が撚った糸(「ドニゴールからのいただきもの」)。そして、オレンジ色の毛糸は私の手紡ぎ糸を玉ねぎの皮で染めたもの(「初めての毛糸の染色」)。
どれも思い出のある私の手紡ぎ糸たちが、寄り集まって模様を描き、セーターという衣に生まれ変わりました。

ロピセーター2019

はははっ、これはセルフィーですね。
自分を自分で撮るという行為は私は普段全くしないのですが、撮ってくれる人がいなかったのと、セーターを着ているところを記録しておきたかったので。

ロピセーター2019 (2)

裏返すと、こんな風になっています。
ロピのように複数の色の毛糸が交差したセーターは、模様の部分に厚みが生まれ、それはそれはあたたかいものです。

曲線を描くようなヨーク模様のデザインは無限で、どんな色の毛糸を使文字色うかでも表情ががらりと変わります。
このセーターは面白い。
自分のセーターが仕上がってからは、さっそく友人に依頼された次なるロピセーターを編み始めています。これからヨークにとりかかる段階ですが、月曜日に彼女に一度会って袖を通してもらうのが先です。慎重に、慎重に。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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