2016.07.12 09:05|手作りのある暮らし
かごとかバスケットというのは、その素朴な姿と手触りが私は昔から大好きで、気がつけば大小の編みかごが家のあちらこちらにあるようです。
嬉しいことにかごの伝統はここアイルランドにもあり、人々の生活からは残念ながら消えつつありますが、機会があるといつも興味を持って眺めています。

お金を出して買うのでなく、いつか自分の手で作ってみたいと思っていたかご。
去年の夏、同じ村に住む友人と二人で簡単なかご作りに挑戦しました。

素材はこちら。

Basket Making 2015 (1)

やなぎ(Willow)ですね。
アイルランドのかごと言えば柳を使ったものが一般的です。
アイルランドではやなぎのことを「サリー(SallyとかSalleyと綴る)」と呼んだりもします。詩人イェイツの作品でアイルランドの歌としても有名な「Down by the Salley Gardens」は、「柳の庭のほとりで」というように訳されるようです。
さて、本来のかご作りならば、刈り取った柳を一度乾かし、編む直前に再び水に浸けて・・という長いプロセスがあるようですが、今回のバスケットは友人曰く「新鮮な柳の枝を使ってできる」とのこと。

その年に生えてきた若い枝をその場でたくさん切って、葉っぱを取り除いていきます。
まずはかごのフレーム作りから。これが最終的なかごの形となるので、とても大事な工程です。

Basket Making 2015 (2)

うわー、もうこれだけでかわいい!!
素材の枝が新鮮だから、その色合いもまたきれい。
やや太い枝になると、形に沿って編んでいくのはなかなかの力仕事です。

この日は良く晴れたいいお天気で、彼女の家の庭での作業。すぐ横には興味津々でこちらを眺めるニワトリたちが。

Damhnaits Hens

フレームができたら、いよいよ編む作業に入ります。
1本1本の柳の枝を編みこんでいくたびに、少しずつ馴染みのあるバスケットの姿が手元から作られていく。うーん、この感覚、面白い!

Basket Making 2015 (4)

うっとり。
初心者の作品で失敗も目立つけど、これは世界にひとつだけの私のかご。
もう何も要りません。

時間が経つと枝の色が落ち着いた茶色になってきました。自宅で、自分で紡いだ毛糸を入れるのに使っています。

Basket 2016

iichiさんに出店している毛糸作品の撮影にも使ってみたりして。素朴な感じが絵になります。

DSCF4158.jpg

手紡ぎの毛糸が少しずつ増えてきたから、もう一つほしいかな、このかご。
この夏に、また作ってみようかな。


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2016.02.12 10:59|手作りのある暮らし
去年のクリスマス前、フィークルの村のホールでクラフトフェアが開かれました。
とても親しい私の友人が中心になって主催しているフェアで、3回目を迎えたばかりの新しいイベントです。
その名もずばり。

フィークルクラフトフェア2015 (25)

Skills in These Hills.
私たちの暮らすエリアは丘の多い丘陵地帯なので、それにあやかって「この丘に生きる(クラフトの)技」、とでも訳すのでしょうかね。ここに暮らす人々によるハンドメイドの商品が、一堂に集まりました。

フィークルクラフトフェア2015 (9)

フェアが開かれたのは日曜日。村の教会の日曜ミサを終えた地元の人々をはじめ、この地域に暮らすさまざまな国籍の皆さんもどんどん来場してきます。地元のアイルランド人コミュニティーと外国人コミュニティーは、同じエリアにいながらなかなかミックスする機会がないのが現状なのですが、この日はそれが見事に成功してとても良い雰囲気。

さあ、どんなものが出店されているのでしょう?
ワクワクワク。

フィークルクラフトフェア2015 (24)

ホームメイドの焼き菓子やジャムなどがきれいに並びます。食品を販売している人は多く、ほかに100%のりんごジュースやチョコレートなどもありました。クリスマスらしくていいですね。

フィークルクラフトフェア2015 (23)

手作りのこんな天使のオーナメントも、ギフトにぴったり。

フィークルクラフトフェア2015 (22)

いろいろな木材を使ったきれいなクラフトも発見。

フィークルクラフトフェア2015 (19)

主催者の女性たちはカフェの運営に大忙しです。コーヒー&紅茶、手作りのスコーンなど家庭的なお菓子でもてなしてくれました。

数ある出店者の中で、私が夢中になってしまった人はこの方。

フィークルクラフトフェア2015 (1)

マークはいわゆる鍛冶師で、この日は彼がデザインして作った鉄製のフックやロウソク立てなどを展示販売していました。彼は鍛冶師だけでなくネイティブの木を使って家具や道具を作ったり、この日はリサイクルして溶かした銅を平たくハンマーで叩いてキーホルダーも作っていました。息子のショーンも叩かせてもらって、自分で作ったキーホルダーに大満足。
なんて素敵なのかしら!

さて、私もブースの半分のわずかなスペースをいただいて、毛糸を使った手作りの小物を販売してきました。

フィークルクラフトフェア2015 (13)

売れ行きはさておき、この日はいろいろな人と会い、話し、静かな冬を過ごす私にとっては何とも刺激的でした。

2月も中旬ですが、アイルランドの冬はまだまだ終わりそうにありません。
今のうちに家の中でできる手仕事を楽しみつつ、来年は更に本格的に出店ができたら・・と淡い夢を描いています・・・。


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2016.01.04 01:09|手作りのある暮らし
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2016年の最初の記事、何を書こうかしらといろいろ考えていましたが、少し前に途中まで書いて下書きに入ったままだったものをまとめてみることにしました。

さて。
「手作りの暮らし」というフレーズがあります。

いい響きのフレーズです。
いいな、憧れるな、と思います。

私も、自分たちのできる範囲でなるべく手作りの暮らしをしていければと思っています。
実際、「自分たちで作れるからもう買わないもの」が少しずつ増えてきました。

例えばジャム。もうスーパーのジャムの棚の前に立ち尽くすことはありません。どんなブランドのジャムも、我が家の自家製ジャムには勝てません。

野菜なら、ジャガイモ。玉ねぎ。ニンニク。家族が食べる1年分を畑で育てています。

パンの購買にも無縁です。アイルランドの伝統的なパンであるソーダブレッドは夫が、シンプルな白パンは私が、それぞれ自宅で焼いています。

自家製酵母パン作り (2)2

一方で、自分たちではどうしても作れないものもありますね。
我が家の場合なら、例えば紅茶、小麦粉、チーズをはじめとした乳製品。食品だけでなく、電化製品をはじめ家具、靴、衣類など生活必需品のもろもろも、私の手では作ることができません。

そんな時は、それらのものを作るのが得意な誰かに作ってもらって、それをお金と交換にして私たちは入手している。
今はその「誰か」が大手メーカーや企業になっているので感じにくいかもしれませんが、昔は家具職人、靴職人、仕立て屋さんにお金を払って作ってもらっていました。
自分ではどうしても作れないから、他人に作ってもらう。その代償に、お金を払う。この構造が消費社会の起源ではないでしょうか。

仕立て屋
(今でも続くカーロウ州の仕立て屋さん)

手作りの暮らしを実践していると、「買うこと」と「作ること」をより対比してとらえるようになります。

そしてある日、お店の棚に並ぶ商品を、まったく違った視点で見ている自分に気がつきます。
一つの商品を手に取って「・・・・・これ、自分で作れないのかな?」と自問している自分。
手作りの暮らしへ、ようこそ。

この意識がもたらしてくれる恩恵は大きくて、それまで手に取っていた商品の原材料を見るようになったり、必需品だと思っていたものが実はそうでないことが分かったり、違う発想で消費をとらえるようになったり。しまいには自分のライフスタイルまで変わってきてしまいます。

スーパーに陳列する有名メーカーのドレッシング。今日は青じそ?それともごま風味?
いえいえいえ。
自分だけの美味しいドレッシング、自分のキッチンで作りましょう。多めに作って瓶に詰めれば保存もできます。

手作りの暮らし。
簡単で身近なところからひとつ、はじめてみませんか?


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2015.08.05 23:22|手作りのある暮らし
アイルランドの庭の定番の花に、カレンデュラ(キンセンカ 金盞花)があります。
キク科の丈夫な花で、ポットマリーゴールドとも呼ばれますが、実際にはマリーゴールドとは別種の草花です。

我が家のビニールハウスにもカレンデュラがあり、明るい黄色やオレンジの花を次々と咲かせてくれます。

キンセンカ2015年5月 (6)

クリーム色のもの、八重のもの。見ているだけで元気になる花ですね。

キンセンカ2015年5月 (7)

小さな花瓶に挿せば、ダイニングテーブルが一気に華やぎます。

キンセンカ2015年5月 (1)

カレンデュラの花はそのまま食べられます。サラダに入れればアクセントになるし、乾燥させてお茶にしてもおいしいです。また、カレンデュラの花びらを使って、自家製のオイルを作ることができます。

本日は、こちらをご紹介したいと思います。

カレンデュラオイル(Calendula Oil)とは、カレンデュラの花をオイルにとじこめただけのシンプルな薬です。
抗菌作用があり、炎症を抑えるので傷口ややけどの癒えに、痛み止めにもなります。また、肌のくすみ、乾燥、湿疹にも効くと言いますから、カレンデュラは私たちの肌に効果的なハーブなのでしょう。

カレンデュラは、一株もあれば驚くほどたくさんの花をつけてくれます。まずはこの花びらを集めるところから。
花びらをしっかり乾燥させてから使うのが一般的で、私もこれに従いましたが、新鮮な花びらをそのまま使う友人もいます。

キンセンカ2015年5月 (10)

レシピは特にありません。身の回りにある空き瓶に、カレンデュラの花びらを詰められるだけ詰めます。
ここにオイルを流し込むだけ。花びらがすべてオイルに浸かるようにたっぷり入れましょう。
私はオリーブオイルを使いましたが、ひまわり油などでもOKです。高級な油を使う必要はありません。こんなのも嬉しいですね。

キンセンカのオイル2014 (1)

さあ、こちらが漬け込んだところです。これを、太陽の光がしっかり当たる明るい窓際に1ヶ月ほど置きます。これがポイントです。太陽の自然光でオイルをあたため、カレンデュラのエキスをオイルの中にしっかり抽出させるのです。

キンセンカのオイル2014 (2)

さあ、1ヶ月ほど経ったら花びらを濾します。神経質になることはありません。少しぐらい花びらが入り込んでも、気にしない気にしない。

キンセンカのオイル2014 (3)

カレンデュラオイルの完成です。
まあまあ、なんて美しいゴールデンオレンジでしょうか!

毎日使うようなオイルではありませんが、カレンデュラオイルを作る過程には何とも言えない満足感がありました。
また、もう一つの思いがけないギフトもありました。自家製の薬を作ることで「市場に出回っている薬や肌用クリームには、一体どんな材料が入っているのだろうか」ということを考えるきっかけをくれたことです。
かゆみ、湿疹に効くクリーム、きめ細かい肌を作るとうたう女性用オイル。私たちの周りにはこのような商品があふれています。でも実際にはこれらの商品に何が含まれているのかを確認することもなく、私たちは企業の宣伝文句を信じて商品を購入しています。

それと比べて、自分の庭でとれたカレンデュラの花を使って自分で作った肌用オイルは特別です。
出どころの知れた自家製オイルを、一抹の不安も感じることなく生活の中で使うことのできる幸せ。
お店で買う商品からは決して得られない贅沢な暮しのあり方です。

キンセンカ2015年5月 (5)
(花が咲き終わると、カーブを描いた種が結実、こぼれていきます)

日本ではカレンデュラの花びらを購入することもできるようですが、できれば自分で栽培しましょう。
小さな鉢に一株植えるだけでも、十分な花びらを集めることができます。
また、カレンデュラは水やりさえ怠らなければこぼれ種でどんどん増える手間要らずの植物です。
一株のカレンデュラの鉢がもたらしてくれる、こんな豊かな暮らし。ぜひ皆さんもお試しください。


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2014.05.08 06:08|手作りのある暮らし
数年前に、アイルランド音楽を通して知り合ったある女性がいました。
とても素敵なアメリカ人の彼女から、「お世話になったお礼に」といって後日小包みが届きました。
美しい綴りの手書きのポストカードと共に届いたのは、陶器のティーポット。

pamspot.jpg

「陶芸家である私の友人の作品です。気に入っていただけたら幸いです」。

一目見て、惚れました。
ティーポットのぐるりに施されたモチーフ、シックにまとまった色合い、ティーポットの大きさはもちろんのこと、蓋を閉めた時の感触やハンドルのカーブ。すべてが気持ちいい、すべてがていねいに考慮され、デザインされた、ハンドメイドならではの優しさに満ちています。

私はハーブティーを作る時には、必ずこのティーポットを使います。使えば使うほど、手になじんでいく気がします。

贈りものであるという事実も、このティーポットに対して愛着がわく理由の一つです。
使うたびに、彼女のことを思い出します。彼女の友人の陶芸家の人は、一体どんな人だろうと想像したりします。

たったひとつのティーポットについて、こんなに語れるというのは幸せなことだなあ、と思うのです。

ものにあふれたこの時代。ものは使い捨てるもの、という感覚を、知らず知らずのうちに擦り込まれている気がしませんか?
キッチン用品も雑貨も、自分の服も家電製品も、みんな古くなったら捨てる。飽きたら捨てる。新しいバージョンが出たら捨てる。

私は、このティーポットに飽きることなんて一生ない気がします。このティーポットを捨ててしまうなんて、絶対にあり得ません。古くなってもいい。いいえ、古ければ尚一層いいではないですか。

「たかがものじゃない」と言ってしまえば、それまでです。でも、生活に最低限必要なものというのはあって、私たちはそれらのものに囲まれ、それらを使い、それらに助けられて毎日生きています。
我が家も、そんなものたちにあふれています。不必要なものだって、たくさんあります。愛着の全くないものも、たくさんあります。

このティーポットは、手作りです。
どこにあるのかも分からない工場で、機械によって大量生産されたものとは違います。
今、市場に出回っている多くのものが量産品です。私たちはこれを何らかの理由でもって気に入り、買います。量産品だから、すごく安く買えます。
このアメリカからやってきたティーポットは手作りだから、もしお金で買ったら本当はすごく高いのかもしれません。
買う時には、悩みますね。「う~ん、かわいいけど高いなあ、どうしようかなあ」

そんな時、考えてみてください。手作りのものの価値。
不思議なほどに手になじむ、作り手の思いが伝わるような存在感を放つ、ハンドメイドのものの価値。
その時は高くついても、あなたの生活の中でいつまでも愛され、使いこなされ、いつの間にか生活の一部になっている。
そんな、大切なものになるはずです。


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発信者の紹介

望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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