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2019.10.17 01:24|環境 / エネルギーを考える
私にとって、日々の暮らしの中で常に悩みの種となっているのがプラスチックです。
ここ数年世界中で深刻な環境問題として取り上げられているプラスチックは、私たちの日常生活で見かけない日はありません。

なるべくプラスチックでできたものは買わないようにしていますが、それでも私の脇をすり抜けて我が家に入り込むさまざまな形状をしたプラスチック。
数年居座るプラスチックもあれば、わずか数時間でごみ箱行きのプラスチックもありますね。いずれにしても、プラスチックをごみとして捨てる時の罪悪感と言ったら!表現のしようがありません。ああ~~。

家にあるプラスチックを今すぐすべて駆除することは不可能としても、まずはほぼ使い捨て=短命のプラスチックを使わないようにする必要がある。消費者としてできることは、今日からでも始めなければなりません。
アイルランドでは、スーパーで買い物をする際ほぼ100%の人々がショッピングバッグを持参するので、スーパーのビニール袋が増えることはまずありません。ここは少なくともクリアしていたいところ。

まず私がタックルを考えたのが、お肉屋さんです。
我が家では週に一度だけお肉を使ったディナーを食べます(お肉を食べないパットさんを除く)。このために、木曜日になると私は行きつけのお肉屋リアムのところに行き、その週にいただくお肉を求めます。ついでに週末の朝食で子どもたちと食べる自家製ソーセージも何本か。決して大きな買い物ではないはずなのに、ディナー分のお肉がビニール袋に、ソーセージが別のビニール袋に、さらにその2袋を今度は手提げのビニール袋に入れてリアムは手渡してくれちゃうのです。手提げ袋は別にして、残りの2つのビニール袋は汚れるのでアイルランドではリサイクルごみに入れることはできません。

くしゃくしゃになってシンクに沈むビニール袋を毎週眺めては落ち込み、「これどうにかならないものかしらん」とため息。

自宅までのたった10分という距離を運ぶだけのために、この代償を払うのはあまりに理不尽。
そこで考えたのが、「もしコンテナを持参したらそこにお肉を入れてくれないかな」ということです。
昔、お豆腐屋さんが来るとみんなお椀を持って買いに行ったそうですが、それと同じ発想ですね。

りんごの木2012-5

でも、そんなことリアムに提案したら困惑させてしまうかな。気ちがいだと思われたら嫌だしなあ。そもそも、商品の衛生的にやらせてもらえることなんだろうか。ここが最大の難関かも。

そんなことを考えながら、何となくずるずるとこのアイディアを実行できずにいたある日のことです。

いつも通り、タラの町で唯一のリアムのお肉屋さんに入ると、ここから歩いて数分の町中に暮らすケヴィンさんに会いました。ケヴィンさんの奥さまメアリーはこの地域で伝統音楽を教えるミュージックスクールを運営しており、とても多忙な生活を送っています。そのため銀行で働いていたケヴィンさんはある時から仕事を辞め、一家の主夫をしています。家事の一切はケヴィンさんの仕事で、家の前を通りかかると窓を拭いているケヴィンさんと目が合ったり、こうして買い物をしている最中にばったり会ったりするのです。

「今日は冬のように寒いよね。風が冷たくて凍えそう」
「お葬式に行くのに朝一番でダブリンまで行って来たんだけどね、ダブリンは晴れててぽかぽかだったよ」
「いつものことだわね、東海岸は好天で西部はこれ。不公平だよ」

などとあいさつ代わりのおしゃべりをしていると・・・。
ケヴィンさんは持っていたショッピングバッグから大きめのプラスチックのコンテナを出し、リアムに「ポークチョップ4つね。ここに入れてね」
それから私に向かってウィンクすると「ノープラスチック!」

・・・ケヴィンさんに先を越された!!!

ふんふんと鼻歌を歌いながら店を出ていくケヴィンさんを横目に、リアムに「あの、もし私も同じようにコンテナを持って来たら、そこに入れてもらえるの?」と確認すると「もちろんノープロブレムですよ」。あっさり問題解決です。

ケヴィンさんも私も結局プラスチック素材のコンテナを使っていることに変わりはありませんが、それでも使い捨てのビニール袋を毎週消費するよりもはるかにましです。

それからは、木曜日になるとショーンをティンホイッスルの個人レッスンに送り届けてからコンテナを二つ抱えてリアムの店まで歩き、プラスチックバッグゼロの買い物を済ませるごきげんの私。

消費者にはどうすることもできない、コントロールのできないプラスチック梱包のほうが多い世の中。
せめて自分たちにできることはやっておきたい。
皆さんの身の回りでは、どんなことができますか?

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2014.05.02 06:28|環境 / エネルギーを考える
家を建てた時にまず夫と話して決めたのが、ソーラーパネルの設置でした。
初期費用はかかっても、私たちにできる範囲で少しでも環境への負担を減らしたい。太陽光という、パネルさえあれば誰でも自由に得られるエネルギーを使わない手はありません。

できることから2
(我が家の屋根に設置された、チューブ式のソーラーパネル)

アイルランドでは、ここ数年で環境問題やエネルギー問題への関心がいっそう高まっています。そこに政府からの補助金制度が加わって、この流れを更に後押ししています。
補助金制度を利用してソーラーパネルを設置する家、壁や屋根裏に最新の断熱材を入れる古い家が、目に見えて増えています。
家の断熱効果が上がれば、ガスやオイル、電気などのエネルギー使用量を減らすことができます。環境にとっていいどころか、各家庭の光熱費もぐんと減ります。

さて、このソーラーパネル。実は電気を作ってくれるわけではありません。
アイルランドで見かけるソーラーパネルは、もっぱら「お湯を作る」のが専門です。

アイルランドの暖房設備は、以前の記事(「できることからはじめよう ストーブとお湯の暖房」)に書いた通りお湯を使うので、お湯を作ってくれるソーラーパネルは理に適っているのです。

私が日本に住んでいた頃は、ガスを点火してお湯を作っていました。ガスがついている限り、お湯は永久に出すことができます。
よくアイルランドに旅行に来て、B&Bなどの宿泊施設でシャワーを浴びている最中に急にお湯が冷水に変わって慌てて浴室を出た、なんていう経験をされた方は多いのではないでしょうか。
これは、アイルランドのお湯事情によるものです。
アイルランドの一般家庭には、普通お湯をためておくタンクがあります。
ガスやオイル、または電気を使って家の中に設置されたタンクの中の水を温めることでお湯を作るのです。が、日本のようにインスタントではありません。つまり、ガスやオイルのスイッチを入れてからお湯が温まるまで時間がかかるので、しばらく待たなければなりません。また、タンクのお湯の量には限りがあるので、途中で使い切ってしまうとだんだんお湯がぬるくなってくる、冷水に変わる、ということが起きます。

旧式の家だと、このタンクが驚くほど小さくてあっという間にお湯を使い切ってしまいます。

お湯用タンク
(旧式のお湯用タンク。断熱用ジャケットで覆われている)

我が家のような新しい家には大型のタンクが設置されているのが普通で、我が家の2階にある保温性にも優れたタンクには600リットル分のお湯が入ります。
我が家の場合は、冬になって薪ストーブを使うようになると、ストーブに内蔵されたボイラーが火力によってお湯を作ってくれます。ストーブをつけない春や夏は、ソーラーパネルを利用してお湯を温めます。
そんなわけでほとんど一年中、いつでも使えるお湯があるのです。

このソーラーパネル、日の短い冬を除いて一年の半分以上の期間、活躍してくれます。
今日などは朝から一日中晴れていたのと、この季節のアイルランドは夜の9時を過ぎてもまだ薄暗い程度で日が長く、ソーラーパネルは少なくとも10時間以上動いていたはずです。
おかげで蛇口をひねると、熱湯が絶え間なく出てきます。
朝、私がシャワーを浴び、夫が夕方に浴び、夜は子どもたち二人をお風呂に入れましたが、まだまだお湯はあり余っています。なんてありがたいことでしょう。

面白いのは、ソーラーパネルのある暮らしによって、お天気とお風呂の関係がより直結していることです。
「昨日はずっと晴れていたから、お湯がたくさんあるはず。よし、子どもをお風呂に入れちゃおう!」という具合に、お風呂のタイミングはお天気に左右されるという、面白い構図です。
そして、曇りの日でお湯が足りないであろう時には「ま、いっか。明日は晴れるみたいだし、シャワーは明日にしよう」とのんびり考えます。そんな暮らしは、私にとって贅沢なものです。

このお湯を作るのが専門のソーラーパネル。日本で本格的に普及すれば、ガスがほとんど不要になりますね。
曇りの日が多いアイルランドでこれだけ活躍するのですから、お天気に恵まれた日本なら冬場も含め、毎日のようにお湯が作れるのではないでしょうか。

さあ、あなたは何からはじめますか?



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2013.12.02 05:46|環境 / エネルギーを考える
我が家は電気こそ通っていますが、暖房用のガスとオイルはありません。
では、どうやって家をあたためているか。

薪ストーブです。

できることから2 (3)

薪ストーブは「素敵よね~」というだけではありません。効率的に熱を部屋へ放ってくれる優れもので、とても実用的かつ環境にも優しいのです。

薪ストーブは、こうした理由から今アイルランドで最も人気のある暖房器具です。

更には、薪ストーブのタイプによって内部にボイラーが組み込まれており、ストーブが熱くなるとこのボイラーが熱を持ち、2階にあるお湯用タンクを温めてくれます。このタンクは保温性が高く、翌日の朝になっても前日の夜のストーブの熱でシャワーが浴びられます。

ボイラーが温めているのは蛇口用のお湯だけではありません。
各寝室、バスルームなどの壁際に設置されているラジエーターをも温めてくれます。ラジエーターの中には特殊な水が入っており、ストーブのボイラーとすべてのラジエーターは配管ですべてつながっています。つまり、こうしたアイルランドの家には配管が家中に張りめぐらされており、お湯の熱で家を温めているのです。

ラジエーター
(各ラジエーターにはコントローラーがついており、熱の加減を調整できる)

ボイラーのついた大型のストーブが一つリビングルームにあれば、家中を温めることができる。なんて優れたシステムでしょうか。

エネルギーの問題は、地域や国全体のエネルギー消費量だけを見ていてもなかなか前進しないものです。
「一般家庭がどう頑張ってもねえ」といったネガティブ思考にもつながり、悪循環です。

自分に今できること。身の回りで簡単に始められること。それは何だろう?
それがどんなに些細なことであっても、みんなで実践すれば社会にとってものすごい変化をもたらします。
まずは私たち一人ひとりの意識を高めることから、すべてが始まるのだと思います。



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2012.03.27 07:59|環境 / エネルギーを考える
アイルランドだけでなくヨーロッパのほとんど全域で、サマータイムが導入されて何年も経ちます。

今年も、先週の土曜日の夜12時からサマータイムが始まりました。3月の最後の日曜日から10月最後の日曜日までがヨーロッパにおけるサマータイムです。
実際にどういうことが起こるかというと、夜の12時になった途端、これが1時になります。
私のパソコンも携帯電話も気がつけば自動で時計がサマータイムに変更されていました。
テレビのニュースなどでもこの日は番組の最後に時計が表示されて、「今夜の12時には~」のようなお知らせがあります。
家族でも友達でも誰かとコンタクトを取っていれば必ずこの時期に出る話題なので、よっぽどのことでない限り「うっかり」なんていうことはありません。

日本も試してみたらいいのにと思ってウィキペディアで調べてみたら、日本は「実施していたが廃止した国」に入っていたので驚きました。日本にもサマータイムがあったとは知りませんでした。でもよく読むと敗戦後、進駐軍の施政下にあった4年間実施されていただけのようです。
今のようにテレビやラジオ、インターネットもない時代ですからかなり混乱があったのではと想像しますが、どうだったのでしょうか。

アイルランドに住んでいると、緯度が高いので夏場は夜10時でもまだ明るく調子が狂います。それどころか、実際は真夜中になっても真っ暗にならずにそのまま夜明けが来る感じなのです。だからサマータイムの施行は理にかなっています。日本では近年また導入するとかしないとかで話題になった時期もありましたが、実施した場合果たしてどれだけの効果があるのか、私には分かりません。

混乱はないですが、サマータイムが始まる時には1時間睡眠時間が減ります。10月のサマータイムが終わる時にはちょっと得をした気分。
それに家の壁時計などの時間を手動で直さなければいけないという手間はあります。
日本との時差ももちろん変わります。サマータイム時は8時間、冬は9時間です。
大人は大丈夫ですが、子どもの様子を見ていると翌朝の起床やベッドに行く時間で1時間時差があるな~とよく感じます。

そんなサマータイムですが、照明の節約はかなりのものではないかと思います。我が家でさえ、サマータイムになってからは電気をつけている時間が減っています。少々手間はかかっても、エネルギーのことを考えれば朝飯前の何でもないことです。

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2012.03.13 00:08|環境 / エネルギーを考える
震災から一年が経ちました。この数週間は震災とその後の日本という自分の国について考えている時間が多いように感じます。今日は私なりの考えをまとめてみたいと思って記事を書きました。少々堅い文章になってしまいますが、読んでいただけたら幸いです。

皆さんはエネルギーについて考えたことがありますか。
電気やガスなどは当たり前に私たちに供給され、私たちはそれを日常的に消費しながら暮らしています。

震災が起きた時、日本人の誰もが感じた思いがありました。
「私たちに今何ができるだろう?」

被災地の現状は今でも厳しく、多くの難題を抱え、辛い思いをしている方々がたくさんおられます。
そんな中、私たち日本人一人ひとりにできることは今でもたくさんあると思います。
原発について考える、脱原発に向けてアクションを起こすことも、この震災が残した私たちにできることの一つではないかと思います。

震災直後の原発事故で、私たちはどんなに恐ろしい思いをしたか。あの国民一人ひとりが肌で感じた恐怖、明日どうなるかも分からない不安、あの精神的負担。私は食事ものどを通らなかった、不安で眠れなかったあの数日間を絶対に忘れません。あんな経験は二度としたくないと思います。

電力が足りないから原発を再稼動させよというのは的外れに感じます。
原発の問題は経済の問題ではないからです。国民が健やかに生活をしていく上で、むしろ経済活動のほうが歩み寄らなければならない問題ではないでしょうか。
経済を最優先にして成長してきた日本。今、そのつけがまわってきている気がします。

電力をもとの量に増やすことを考えるのではなく、消費する電力を減らすことを考えていきたいと思います。
そのためには私たちの生活、ビジネス、経済の流れなど社会の仕組み全体を見直さなければなりません。

アイルランドに住んでいると、日本の電力の消費量が以下に莫大かを実感します。
新宿や渋谷のような真夜中でもネオンでピカピカの町はもちろん、自動販売機、昼間から照明の明るい薬局、パチンコ屋さん、コンビニ。これらのものはアイルランドにはありません。
一歩田舎に出れば道路は真っ暗ですし、町中でさえ薄暗いのが普通です。

無駄なネオン、過剰な電力消費には法律を作って規制していくことはできないのでしょうか。日本人には最先端の技術があります。真面目に努力する国民がいます。
仮に原発の問題がなかったとしても、モノやエネルギーを使って満足する消費社会はもう時代遅れだと思うのです。

エネルギー
アイルランドで積極的に取り組まれている風力発電

今でも山積みの問題を抱え、情報の混乱の続く日本の姿は痛々しくもあります。
そんな中、エネルギーについて考え、アクションを起こしていくことは日本の未来につながっていくと信じて、自分にできることを模索していきたいと思います。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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