2015.11.06 23:30|アイルランド的生活
前回の記事で、私の暮らす地域の近所づきあいの様子を少し書きました。
普段は特に何もない静かな土地ですが、今年の夏に私たちの隣人が近所の人たちに向けたホームパーティーを開いたことがありました。

ホームパーティーというのは我が家でも時折やることがあり、アイルランド不定期便でも過去に取り上げたことがありますが、アイルランドのホームパーティーは「かしこまっておもてなしする」ものとはかなり違います。
もっとカジュアルで、気楽で、フレンドリーで楽しいもの。
身構えずに自分たちの家を開放できるというのが私はとても好きで、外でだけ会っている友人たちとの距離もぐんと縮むように感じます。

今日は、この隣人が開いたホームパーティーの様子と共に、アイルランド流ホームパーティーの表裏も見てみましょう。
成功の鍵は、ホストに負担をかけないこと、でしょうか。あくまで自然体で、おおらかに。
皆さんも、ぜひご自宅で試してみてくださいね。

こちらの隣人は、テキストメッセージやEメールは苦手。「デジタルのものじゃなくて、招待状を作って印刷して配る方がいいな」というわけで、私が文面を手伝い、彼女が印刷をして近所の家々を回って招待状を配りました。
「○月○日、○時からパーティーします。みんなでシェアできる食べ物、飲み物歓迎します。楽器ができる人はよろしく」といった簡素な内容だった気がします。

パーティーの会場は、古い干し草小屋。
屋根があるから万が一雨が降っても大丈夫だし、たき火もできる。パーティーの数日前に地面をきれいにならして、木のボードなどを並べてベンチ代わりにしました。

Glendree Garden Party 2015 (4)

「6時から」ということだったと思いますが、アイルランドの場合はこの時間きっかりに来る人はまずいません。むしろ、個人のパーティーのような席に時間通りに現れることは、ホストを急かしているようなかっこうにもなりかねず、敬遠されます。この辺りの心配りも、私はとても好きなのですが。
そんなわけで皆さん、自分の都合のよい時間にふらりと現れます。

さて、パーティーと言っても特に何かプログラムがあるわけではありません。必要なのは、集まってくれる人と飲食類ぐらいでしょうか。
ホストとなった女性が紙皿、紙コップやフォーク類、そして数品の手料理を用意していました。「一品持参」というお触れがなかったとしても、ホームパーティーに手ぶらで来る人はまずいません。用意された長テーブルは、あっという間にサラダやパン、ケーキ、タルトなどの食べ物でいっぱいに。

Glendree Garden Party 2015 (8)

飲み物も、お酒を飲みたい人は基本的に持参します。ホストが用意している場合もありますが、「このビール最近見つけて、おいしいの。ぜひ飲んで!」とケースで持ってくる人、ホームメイドのジュースやワインをみんなでシェアするのに持参する人もいます。その結果、ホストの人は飲食類が足りなくなるどころか、パーティーのあとにはみんなが置いていったあれこれでキッチンがいっぱい!ということになります。
「余っても仕方がないから、持っていってよ」とホストが声をかけて手土産にするケースもよくありますが、基本的には自分が持っていったものはホストの人への気持ちです。

地元の農家のひとたち、ここに移り住んだ新しい人たち、アメリカ人、ドイツ人、イギリス人、オランダ人。さまざまなバックグラウンドの人たちが集まりました。大人だけでも30人超でしょうか。
ホームパーティー、とりわけこうした近所の人たちが中心のパーティーは、その地域に暮らす者としての「顔出しておかないと」という義務感もあるので、参加率はとても高くなります。「あのお宅、電気もついているし家にいるようだけど、パーティーには出てこない様子ね」なんていうのはちょっと理解に苦しみますね。家にいるなら、30分でも顔を出す。この顔合わせが、いざという時の力になることがあります。

Glendree Garden Party 2015 (9)

たき火のそばで、フィドルとハープの音楽が始まりました。その場にいた人たちも、時折聴き入ったり拍手をしたり、またおしゃべりに戻ったり。私もあとからフィドルで参加させてもらいました。

近所の子どもたちはみんな走り回って遊びます。子ども向けの何かが用意されているわけではありませんが、子どもは複数集まれば遊び始めるものです。夜遅くまで外で遊んでいい、というのは子どもたちにとっても特別な時間。木に登ったり追いかけっこをしたり、一年で最も日の長い6月の夜を楽しんでいました。

Glendree Garden Party 2015 (5)
(あちらこちらにさり気なく置いてあったロウソク。要らなくなった空き瓶に水を入れてロウソクを浮かばせたもの)

ホームパーティーのスタイルはいろいろです。
寛容なホストが豪勢な料理を山ほど用意している場合もあれば、各自一品持ち寄りでより親しみのあるパーティーを作ることもあります。ミュージシャンたちが集まって演奏するセッションパーティーやダンスパーティー、キャンプファイヤーということもあり、それぞれ面白いですね。

会費や食費など、金銭のやり取りは嫌がられるどころか絶対のタブー。ホストの人も招かれた人も、お互いに気持ちよく過ごせるように、かしこまらず、おおらかに。
パーティーは、人の集まりそのものを楽しむもの。
この夜も、そんなゆったりとしたパーティーを大いに楽しんだのでした。


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2015.04.01 08:37|アイルランド的生活
アイルランドのジュエリーと言えば「クラダリング(Claddagh Ring)」が有名ですね。
クラダリングとはアイルランドの伝統的な工芸品の一つで、その愛らしいデザインから世界中にファンを持つ指輪です。
クラダリング
クラダリングの歴史は古く、由来にはいくつかの説がありはっきりしていませんが、アイルランド西部のゴールウェイが発祥の地で、今でもゴールウェイに行くとクラダリングの専門店があったりします。
クラダ(Claddagh)はアイルランドに古くからあった漁村の名前で、今ではゴールウェイ市に統合され都心の一部となっています。

アメリカ人の中年女性の観光客が「昨日ギフトショップで買いました!」というようなコテコテのアランセーターなどを着て歩いていたりすると、私はなぜかちょっと恥ずかしくなってしまうんですが、クラダリングも同じような危うさをはらんだアイルランドのお土産品の一つです。
なかなか着こなせないというのでしょうか、さまにならないんですね。

しかし。
クラダリングをごく自然でさり気なく身につけられる人たちが、アイルランドにはちゃんといます。

私の義母も、その一人です。
亡くなった義父からもらったクラダリングをいつもしています。
何を主張するでもなく、ただ彼女の指にはまっているクラダリング。言われなければ気づかないほど、当たり前にそこにある。そんなクラダリングです。

さて、こうしたアイルランド人のクラダリングは、シルバーではいけません。
クラダリングと言えば、当然ゴールドでしょう。

クラダリングに限らず、アイルランドのジュエリーは基本的にゴールドです。ネックレスもピアスも指輪も、ゴールドのものが圧倒的に多いです。アイルランド人の肌色にも、シルバーよりゴールドが合うように思います。

また、クラダリングにはいろいろなデザインがあり、ハートの部分に天然石の入った華やかなものもあります。しかし、アイルランド人がしているクラダリングは、これとは裏腹にいたってシンプルなものが多いです。
クラダリングゴールド
こういうのですね。

飾り気のないクラダリングをさり気なくしているアイルランドの人々は、概して上の世代の人が多いです。
あまりに普通の人々がしている指輪なので、「クラダリングはおしゃれ」という印象を正直まったく受けません。
むしろ、クラダリングをしているアイルランド人はオールドファッションな人が多いです。

さて、私が個人的に一番クラダリングが似合うと思っている人たち。
それは、アイルランドの男性たちです。

先日も、一人見つけてしまいました、クラダリングの似合う男(ひと)。

年は50代中盤。ゴールウェイ出身。
アイルランド語が堪能で、熱心なカトリック教徒。アイルランドの伝統音楽をバンジョーで演奏します。

そんな彼の指に、ゴールドのハートがやたら大きい平べったい作りのクラダリングを発見。

・・・か、かっこいいわね~。

私は、ちょっと古風で本当の意味で最も典型的なアイルランドの男性がしているクラダリングが、一番好きです。
彼らをのぞいて、クラダリングのこんなに似合う人たちはほかにいません。

さて、クラダリングはつけかたによって意味が変わるとはアイルランド好きの方のよく知るところかもしれません。
王冠を下に向けてはめると「独身」または「恋人募集中」という意味になるということで、「あら面白い」とつい試したくなりますが、実際にこの向きでクラダリングをつけているアイルランド人に、私は会ったことがありません。逆さにつけているのはほぼ100%外国人というのは、クラダリングにまつわる話が一人歩きしてしまった結果なのでしょうか。

アイルランドでクラダリングをさり気なく身につける。こんな難しいことって、なかなかありません。



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2015.03.06 09:14|アイルランド的生活
車で10分ほどの町タラ(Tulla)にある小さなスーパーマーケット。ここにある掲示板を何気なく見ていたら、こんな貼り紙が。

田舎 (1)

あらまあ大変、牛が3頭盗まれたようです。誰か見てませんか~、この3頭。

町の中心には、ほかにもお店が数軒あります。

田舎 (2)

昔からある建物を、つぶさずに修復しながら使っています。

レジの近くにはこんなものも。

田舎 (3)

昔はこの秤とおもりで商品を量って売っていたのでしょうね。
お店はいずれも農機具や工具を扱っています。こんな田舎だと、それぐらいしか商売になるものがないのです。あとはパブでしょうか。

こんな田舎って、どんな田舎?こんな田舎です。

田舎道 (2)

数日前に少し雪が降りました。近所に住む女性に相談ごとがあったので、雪道を一人で歩きます。

農家のマクナマラ家のポーチで、農夫のジェイピーとマイケルがおしゃべりしています。私に気がついて手を振るお二人。おはようございます。

田舎道 (10)

牧草地に放たれたジェイピーの牛は、ちょっと寒そうですね。まだ草は生えてきていないので、干し草がディナー代わり。でも、風よけにしてるわね。

反対側の牧草地にも、遠くに2頭の牛の姿が。歩く私の姿を見て「誰だろう?」と首をかしげています。

田舎道 (6)

用事も済んだし、家に帰ろう。この道に入ればもう数分で我が家です。

田舎道 (1)

この村に暮らし始めて、12年目の春を迎えています。



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2014.12.27 22:57|アイルランド的生活
12月21日は冬至でした。
冬至は一年で最も日が短い日ですね。アイルランドの冬は始まったばかりですが、人々の心の中には「冬至を過ぎれば少しずつ日も長くなり、春が近づく」という思いがあるようです。

今年の冬至の日は雨も降らなかったので、久しぶりに外に出て作業をしました。
向かったのは私たちが植林をしている土地。

冬至の日の作業2014 (1)

夫のパットさんは、いよいよ大きくなってきた木の下枝を剪定し、その枝を集める作業をしていました。枯れた枝が多く、もう少し乾かせばストーブに火を焚きつけるのに使えます。

冬至の日の作業2014 (10)

林の木々は見事に葉を落として、冬らしい姿に。

冬至の日の作業2014 (8)

よく降る雨のせいでいつも濡れているアイルランドの落葉。表面をかき集めると下から真っ黒の腐葉土が顔をのぞかせます。

冬至の日の作業2014 (7)

私はこの日、毎年恒例の落葉集めの作業をしました。水分が多いので、バッグはずっしりと重いです。力作業ですが、これをうんうんと引きずって畑のコンポストに次々投入していきます。ありがたや。

作業をしていると、夫が「その木の枝に、鳥の巣があるよ」と指差して教えてくれました。
あ、本当だ。

冬至の日の作業2014 (5)

草や苔を上手に使って、丁寧に作られた鳥の巣。春にはここに卵が入っていたのかと想像するだけで嬉しくなります。

冬至の日の作業2014 (4)

私たちの林で鳥の巣を見つけたのはこれが初めて。もともと人の手によって植えられた木々ですが、林が大きくなるにつれ、こうした自然界の生き物も利用するようになってきたのかもしれません。

さて、2014年の投稿はこれが最後です。
皆さんも、良いお年をお迎えくださいね。


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2014.11.24 20:33|アイルランド的生活
3週間以上留守にしていたので、家の雑事がたまっています。
雑事とは、緊急ではないけれどやっておかなければならないこと。いつも頭の片隅にあって、片づけなければなあと思っていることですね。

私の場合はそんな雑事が常にいくつも頭の中をぐるぐるしている状態で、やっと片づいたと思ってもまたすぐに次のものがやって来ます。
さて、そんな私の雑事。一つ一つ片づけていくとしましょうか。

まずはこれこれ。

ニンニク保存2014

納屋の2階にずっと放置していたニンニクを、しっかり束ねて家の中に持ち込みたいと思っていたのです。
束ね方は簡単。
ニンニクの球を下にして、茎を3本の三つ編みにします。それから少しずつ複数のニンニクをこの三つ編みに編みこんでいくだけ。私は大ざっぱに束ねましたが、これだけで自家製ニンニクのオーナメントにもなります。
風通しの良い場所に吊るしましょう。我が家はキッチンの棚に麻ひもで吊るしました。ここから料理に必要な分だけ取っていきます。

雑事に追われる (2)

日本から帰宅してみると、裏庭の畑はすっかり冬の様相。霜が降りたために枯れてしまったものを取り除く作業をしています。これも急ぎではないけれど、本格的な冬が来る前に終えておきたい雑事です。
ニンジンやキャベツ、それに私の大好きなエルサレムアーティチョークなどの野菜を収穫しながら、畑を少しずつ整えていきます。採れた野菜は食卓へ。

そうそう、保存食作りも忘れてはなりません。

雑事に追われる (1)

今年最後のジャムを作り終えました。
夏の間から少しずつ収穫したラズベリーを冷凍保存しておいたのを、やっと片づけることができました。ふう。
ラズベリージャムは私の一番好きなジャムの一つ。
子どもたちが毎日のようにおやつ代わりとしてラズベリーを取って(盗って!?)いたので収穫量は少なく、できたジャムもわずか4瓶。貴重な我が家のラズベリージャムです。

ほかにも自家製ワインを点検しなければならないし、黒スグリをジンに漬け込む作業もしたい。今年こそは挑戦したい手芸もあるし、パソコンでの仕事もある。ああ、考え始めたら雑事の波にのまれてしまいそう。
こんなことをしているうちに、あっという間に11月が過ぎていきます。



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発信者の紹介

望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎをしているほか、アイルランド伝統音楽の魅力を紹介するプロジェクト「ブラックバードミュージック」を運営しています。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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