2018.07.14 00:26|ごあいさつ / ご案内
2週間ほど前に不定期便でご案内をさせていただきました、東京の台所の番外編「アイルランドの台所」@朝日新聞デジタル。
我が家の台所が取り上げられ、おかげさまで大変な反響をいただいているそうです。読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
さて、隔週で更新される大平一枝さんの記事、我が家の台所の後編が今週水曜日、7月11日(水)付でデジタル掲載されました!
引き続き、ご拝読いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

東京の台所 番外編:<アイルランドの台所 2>

台所、という言葉が好きです。
私はアイルランドという英語圏に暮らしているせいなのか、日本語で話す時でも無意識に「キッチン」と呼んでしまうことが多いのですが、最近は気づいたら「台所」という言葉を使うようにしています。
台所というのは、その人のなりや暮らしが反映される空間のようです。家の中にはリビングスペースやバスルーム、寝室などほかにも部屋がありますが、台所は最も生活の匂いのする場所ではないでしょうか。
どんな家族構成なのか、普段どんな料理をするのか、誰が食事を作るのか、どんな好みなのか、何を大切にしているのか。

大平さん写真

英語でよく「You are what you eat」というフレーズを聞きます。
あなたが食べているものがあなたという人そのものなのだ、食べ物があなた自身を作っている、というような意味ですね。転じて、自分を大切にしたいなら自分の食べているものに注意を払いなさい、という教訓でもあります。

最近は料理ができない人や忙しい人たちのためのサービスも多様化が進み、料理代行やらテイクアウト、出来合いのおかずなどがお金を出せばすぐに買えるそうですね。

失われつつあるが失ってはいけないもの。忘れられそうで忘れてはならないこと。

大平さんの記事を一つ一つゆっくり読んでいくと、そんなことが確信にも近い力で迫ってきます。
今後のご活躍に期待させていただくと同時に、今回このような形でお会いできましたことに心から感謝しています。

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村の公園で子どもたちを遊ばせていると、近所に暮らすモーラさんが孫のコリンを連れて公園に入ってきました。お天気のいい日で公園には私たち以外誰もおらず、モーラさんはベンチに座る私に「こんにちは、お元気?」とあいさつをしてくれて、横に座りました。
コリンと私の子どもたちは同じ小学校に通っているので、学校の話や先生の話、ハーリングの話などしていると、いつの間にかモーラさんが昔話をはじめます。

ほら、この道の角にはね、昔小さなよろず屋があったのよ。あなたが来るずっと前になくなってしまったけど。私たち夫婦は二人ともラウス州の人間でしょう?それがアイルランド西部のこんな小さな村に突然住むことになって、戸惑うことも多かったわよ。
この角のよろず屋に初めて入った時もそう。
私はボールペンを探していて、店番をしていたミセス・ドネランに「ペン(Pen)はありますか?」と訊いたの。そうしたら、彼女ったらぶっきらぼうにこんなことを言うのよ。
「ペン?あなた今ペン、って言ったの?あなた、ペイズリーの国から来た人間じゃない?この国ではね、ペンのことはバイロ(Biro)と呼ぶのよ!」
よそ者扱いもいいところでね。慣れるまでに苦労した。

モーラさんと旦那さんの故ショーンはラウス州(Co. Louth)の出身です。ショーンの仕事の関係でクレアに引っ越してきたのだそう。日本語で言う転勤、ですね。アイルランドではかなり珍しいことです。

さて、ラウス州はダブリン州からさらに北に行ったところにある東海岸沿いの州で、いわゆる北アイルランドとの国境に隣接しています。そんな土地柄ですので北との関係も深く、昔はトラブルも多かった地域です。

ミセス・ドネランが言った「ペイズリー」とは当時の北アイルランド自治政府の首相イアン・ペイズリー(Ian Paisley)のこと。
プロテスタント系で連合王国派の最右派である民主連合党(DUP)を創設した人物です。そんな政治的背景のあるペイズリーは、共和国側のカトリックのアイルランド人たちにとっては悪魔そのもの、大の嫌われ者でした。ミセス・ドネランは、プロテスタントという含み(嫌味)を表現して「ペイズリーの国」と言っていたのですね。

正しい英語では確かにボールペンはペン。鉛筆はペンシルと呼ばれますね。
しかし。アイルランドではペンという言葉をほとんど聞きません。
じゃあボールペンのことをアイルランド人は何と呼ぶのでしょう?これが前述の「バイロ(Biro)」です。私はアイルランドに来た当初、バイロの意味が分からずに戸惑いました。何その単語?初めて聞いた!っていうか日本人は英語を習う時に「This is a pen.」から始めるのに、そのペンがペンじゃないってどういうこと?!

前述のように、モーラさんご夫婦の出身地であるラウス州は、アイルランド共和国の中にあります。更には、モーラさんご自身熱心なカトリック教徒です。北アイルランドの人でもなければ、ペイズリーの指揮するプロテスタント系でもないのに、フィークルの村に来た途端このような扱いを受けたご夫妻。さぞかし大変だったことでしょう。
ラウス州は国としてはアイルランド共和国でも、アイルランド人たちの感覚としては共和国と北のちょうど中間地点にあるような感覚の州なのかもしれません。

その発端となった「ペン対バイロ」。
皆さんもアイルランドにいらした際には、ぜひ使ってみてくださいね。

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2018.07.04 11:25|我が家の食卓
冷蔵庫を開けたら、牛乳を切らしていることに気が付きました。もう夕刻、パットが「今から車でひとっ走りしてお店で買ってくる」と言います。フィークルの村に行くにせよタラの町に出るにせよ、我が家から最寄りの店までは車で10分はかかります。
そんな状況に陥った矢先、ある名案が浮かびました。

「ちょっと待って。それだったら近所のオーガニックファームに牛乳を買いに行く方が早いんじゃない?」

このオーガニックファームでは、数年前から絞りたての牛乳とヤギのミルクを近隣の人々に直接販売しています。
それは私たちも知っていたのに、これまで便利さに何となく流されてスーパーでオーガニックの牛乳を買っていたのでした。
こんなきっかけがない限り、なかなか変化を起こさないのが人の常なのかもしれません。

この日以来、スーパーで牛乳を買うことをやめました。

ファームの牛乳は搾りたてです。
数週間前には、娘がこのファームに遊びに行くと言うのでお使いを頼むと手ぶらで帰宅し、「今牛乳切らしてるんだって。今日の夕方また絞るから、8時以降に来てくれたらあるって」という日もありました。
それからは、事前に有無を確認してから向かうようにしています。

とにかく近くにあるファームなので、せっかくなら車で行くより歩いていきたいもの。時間は作ればいくらでもあります。

今日も搾りたての牛乳を買いに出かけました。

搾りたての牛乳を買いに (1)

さあさあ、こっち!

搾りたての牛乳を買いに (4)

道路からも行けますが、このファーム、実は牧草地を越えて行くほうがずっと近道なのです。
このゲートをまずはよじ登ります。よいしょ。
ゲートの先は高い草の生い茂る道なき道。コットンのドレスにブラックベリーのとげが時折ひっかかります。

搾りたての牛乳を買いに (10)

ああ、やっとフィールドが見えてきました。この木の柵も乗り越えなければ。

搾りたての牛乳を買いに (6)

あと少し。ここまで来るのに、農業用のゲートがいくつあったのかしらん。
到着すると、モーナがちょうど牛乳を瓶詰めしているところでした。
お金を払って、持ってきたバッグに牛乳を入れていきます。
牛乳は1リットルのガラス瓶に入っています。瓶は常に返却し、彼らが消毒をして再利用しています。ゴミが出ないのも嬉しいのです。

搾りたての牛乳を買いに (7)

割れては大変。タオルで包んで自宅まで持って帰ります。

搾りたての牛乳を買いに (2)

牛乳に加えて、今日はガーリックとバジルの入ったチーズも購入。これがまたおいしい!

さて、この牛乳、よーく見ると瓶の上部にある牛乳は色がやや濃く、固まっているようです。
これが、本来のクリームなんですね。ちなみにクリームを練って固めたものがバター。
ちょっと待って。これがクリームだとすると、お店で売られている牛乳ってそもそも何なのでしょう?クリームの下にあるものが牛乳?
調べてみると、一般的に市販されている牛乳は生乳(牛の乳を搾ったままのもの)を加熱殺菌処理し、更にはホモジナイズと呼ばれる成分の均質化の工程を踏むことでクリームとの分離を防いだもの、なのだそうです。

ですから、私がファームから買っているこの牛乳は正しくは「生乳」。分離しているので「シェイクさせてから飲んでね」とのことです。

さてそのお味やいかに。
・・・さっぱり、おいしい!
癖のまったくない、すっきりとした飲み心地に驚きました。

牛乳、生クリーム、バターやヨーグルト。いわゆる乳製品と呼ばれるものは私たちにとって身近です。それなのに、これらの食品が何を使ってどのように作られるのかを知らず、何の疑問も持たずに口にしていた時代が私にもありました。よく考えれば不思議なことです。ファームの牛乳を買うようになると、頭の中にある知識としてでなくやっと初めて「分かった」気がしました。自分の目で見るって大事なんですね。

そろそろ最後のガラス瓶の中のミルクがなくなりそうです。明日の朝、またえっちらおっちら牛乳を買いに行ってきます。

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2018.06.28 09:21|ごあいさつ / ご案内
アイルランド好きの皆さんの中には既に読まれた方もいらっしゃるようですが、2018年6月27日(水)付、朝日新聞デジタルの人気連載コラム「東京の台所」にて、我が家の台所が取り上げられましたので皆さんにご報告です!

今回は番外編ということで、<アイルランドの台所> という副題のもと、在アイルランドの日本人6名を取材されたとのこと。
私の回がトップバッター、更には前編後編と2回に分けての掲載だそうです。今週はその前編。
ライター大平一枝さんの素敵な文章が、きれいな写真と共にお楽しみいただけます。

東京の台所 番外編:<アイルランドの台所 1>

私の回に付けていただいたテーマは「住まい、食。半自給自足の暮らしの起点は伝統音楽」。

半自給自足!そうかあ、そんな言葉もあるんですよね!
普段自分たちがやっていること、毎日の暮らしの営みというのは本人たちにとっては当たり前のことであり、特別視する機会がありません。ですので今回取材を受け、こうして第三者の方に記事を書いていただくことで私自身の言葉では語ることのできない多くの発見がありました。
それに、いつも自分たちが暮らしている家が、プロの方に撮影してもらうとこんな風に映るんですね!写真の持つ鮮やかさ、説得力。感激しました。

大平さんの視点は、おこがましいながらも私がこのアイルランド不定期便で書いている内容と重なる部分がとても多いように感じます。
失われつつあるが失ってはいけないもの。
これをどうにかして捉え、言葉にし、写真に記録し、多くの人々に伝えていく。そんなライフワークとも言える力強いメッセージに深く共感します。

後編は7月11日更新予定だそうです。私もとても楽しみにしています。
今回のご縁に感謝して。ありがとうございました。

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2018.06.19 21:34|アイルランドで英語
ある日、パットさんが何かの申込書に自分の生年月日を書きこむのに「あれ?僕の誕生月って・・・」と指で数えてから「・・8。”08”か」と口の中で何やらもごもご言っています。

日本人の私は「え、どうして自分の誕生月が分からないの?!」ととっさに思ってしまいました。Augustは8月に決まってるじゃないの!
でもよく考えてみると、英語圏の人々にとってこれは起こり得ることなのかもしれません。
日本語では12ヶ月がそれぞれ1月、2月というように数字によって呼ばれているので、○○(日)/○○(月)/○○○○(年)という記入箇所があっても何ら問題なくスラスラと書きこんでいけます。
しかし彼らにとっては4月はエイプリル(April)、10月はオクトーバー(October)ですから、頭の中で一瞬考えないと月の番号が出てこなかったりするのでしょう。

そうか、そういうことだったのね。

デイジーのわだち2014 (2)

日本にも旧暦の時代には和風月名という美しい12の月の名前がありました。ここでちょっとおさらいしてみます。

1月  睦月(ムツキ)
2月  如月(キサラギ)
3月  弥生(ヤヨイ)
4月 卯月(ウヅキ)
5月 皐月(サツキ)
6月 水無月(ミナヅキ)
7月 文月(フヅキ)
8月 葉月(ハヅキ)
9月 長月(ナガツキ)
10月 神無月(カンナヅキ)
11月 霜月(シモツキ)
12月 師走(シワス)

こんなにきれいな日本の言葉が、もうほとんど使われなくなっているのは残念なことです。月を番号で呼ぶよりもずっと趣があると思いませんか。
新暦になり、月の名と実際の季節が合わなくとも、ぜひとも残しておけばいいのにと私などは勝手に思ってしまいます。

もし私たちが今でも和風月名を使っていたら、英語圏の人たちと同様に「あれ?私の誕生月は7?8?」と一瞬考え込んでしまうのでしょうかね。

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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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