2017.02.15 22:53|アイルランドの食生活
瓶の中のこれ。一見何だか分からないですよね?

ジョカニのハチミツ2017 (1)

実は、ハチミツなんです。
よく遊びに行く村のパブ、ここでボタンアコーディオンを演奏する親しい友人からもらいました。彼は趣味で養蜂をやっていて、養蜂ビギナーズの私たちの良きアドバイザーとなっています。
(過去の記事→「ようこそミツバチ!」)
パブで一緒に音楽を楽しませてもらった夜、「帰るから、じゃあね」と声をかけると「あ、エリカ、ちょっと待って。僕も一緒に外に行く。車の中に渡したいものがあるから」と言って、くれたのがこのハチミツです。

ジョカニのハチミツ2017 (3)

「ワックスもそのまま入ってるから好きかどうか分からないけど。前に話してたアイヴィーハニーだよ」

アイヴィーハニー(Ivy Honey)とは、文字通りツタのハチミツ。
アイビー(ツタ)は、アイルランドの田舎でそこら中に自生するつる性の植物で、よく木の幹などに絡まっていますね。秋になると白い地味な花を咲かせますが、ミツバチにとってはこれが冬支度前の貴重な資源と言われています。
夏に収穫するハチミツとは違い、アイヴィーの花をもとに作られるハチミツは色も香りも味も独特で、昔から薬として使われてきた歴史があるそうです。

ジョンからもらったアイヴィーハニーは、とろりとしたいつものハチミツとは違い六角形の形のまま結晶化しています。
パンなどには塗れないけれど、スプーンで少しずつ砕いて口にすると・・・

なんておいしいハチミツでしょう!!!

夫も「これはすごい」と大絶賛、娘のリラも「今まで食べたハチミツで一番おいしい!」と言って週末の朝食時には必ず一口、二口・・。甘いだけではない、口に含んだ途端そのパワフルな味に圧倒されます。

ジョカニのハチミツ2017 (2)

我が家のミツバチたちは、冬の今も穏やかな日は忙しそうに巣箱を出入りしています。
アイルランドでは、2月がミツバチにとって最も過酷な月と言われています。でも今年は暖冬で厳しい寒さがないのと、数週間前からはハリエニシダの黄色い花も咲きはじめました。
ミツバチがいるだけで、こんな風に私たちも自然の変化に敏感になっていきます。また少し成長させてもらったような、嬉しい気持ちです。

今月を乗り切れば、ゆっくり春がやって来る。
我が家のミツバチたちからハチミツのおすそ分けをいただく日も、ゆっくりやって来そうです。


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2017.02.06 08:57|毛糸と私
ウールと一言でいっても、いろいろなウールがこの世界にはあります。
セーターや帽子、手袋といったウール商品を購入する際に、どんな素材でできているのかラベル表示を必ず見てから・・という方は多いのではないでしょうか。

本日は、意外に知らない(かもしれない)ウール素材のいろいろを見ていきたいと思います。

一般的なウールの代表格と言えばやはり羊毛でしょうか。言うまでもなく、これは羊の毛のことですね。
中には、特定の羊の種類まで明記してあることもあります。例えば「メリノウール100%」。メリノはオーストラリア原産の高品質なウールで有名な羊です。

アルパカウールも、とても人気のある天然素材ですね。こちらのブログでも以前ご紹介しましたが、アルパカは南米のひょうきんな風貌をした動物で、ウールはとても柔らかく高級とのこと。(過去の記事→「アルパカも、紡いでいます」

アルパカにやや似た動物でラマというのもいて、ラマのウールも手触りの良さで知られています。

さて、お次はモヘア。
ふわふわと軽く柔らかく、細かい毛に覆われたようなデリケートな素材ですが、「モヘアはなんの動物の毛でしょうか?」と訊かれると、「えっ、何だっけ?」と知らない方が多いかもしれません。
正解はアンゴラゴートという名前のヤギ、の毛。

アンゴラゴート

見るからに柔らかそうなもしゃもしゃの毛!つ、紡いでみたい・・・!

じゃあ高級素材として有名なカシミアは?
カシミアも、カシミアゴート、カシミアヤギという品種のこれまたヤギの毛なんですね。こんな動物です。

カシミアゴート

モヘアがアンゴラヤギなら、「アンゴラ」もアンゴラヤギ?かと思いきや。
紛らわしいようですが、「アンゴラ」と表示されている場合は普通アンゴララビットのウールを指します。そう、アンゴラはウサギの毛なんですね!びっくり。ついでにアンゴララビットの容姿にもびっくりします。

アンゴララビット

はははっ!

ほかにもヤク、ジャコウウシ、バイソンのウールというものもあるようで、ウールを紡ぐ私としては試してみたい動物の毛がたくさんあるわけです。

どのウールも、その土地の風土とそこに寄り添って生きてきた人々の生活様式、そして彼らが育んだ知恵によって「衣」として生まれ変わってきた歴史があり、面白いなと思います。

それにしても、持ち服の表示ラベルにある素材としてしか知らないというのは、なんて悲しいことだろうと思いませんか。
原形としての自然素材とそれを使って作られた商品を着ている私たちとの間に、どうしようもない距離ができてしまっているのも、消費社会の結果なのかなと思います。

私たちと衣との関係が、他人行儀でコネクションのない味気ないものになってしまっている。
衣類は毎日まとうものなのに、それが一体どんな素材でできていて、どこから来て、誰が作ったのか、私たちは知ろうとしません。そうした想像力をかきたててくれる衣が、私たちの生活の中にもはや存在すらしなくなっているということなのかもしれません。

ジャナの手編みベスト2017 (1)

この子ども用のベストは、私の近所に住む女性がお孫さんのために編んだものです。
羊毛100%で、この女性の娘さんのパートナーが飼育する羊の毛を私が紡ぎました。オレンジ色の毛糸は、紡いだ糸を更に玉ねぎの皮で私が染めたものです。
このベストは、どこに飼育されている羊の毛を使って、誰が紡ぎ、誰が編んだのか、ストーリーを1ページ目からすべてたどることができます。
洗うたびにウールが柔らかくなり、糸の集合体から一枚の衣へと変化していった、特別なベストです。
「草木染めだからどんどん色褪せるかと思っていたけど、鮮やかな玉ねぎ色が今でも見事なのよ!」と言って見せに来てくれたのでした。

私たちと衣の関係は、昔はみんなこんな感じだったんだろうな。

一枚一枚が貴重で、思いが込められているから、穴が空いても直しながら、いつまでも大切に使い込んでいく。
「使い捨て」のない暮らし。
こんな風に忘れ去られた暮らしの在り方を発見することが、私は好きです。そしてその視点を書き留めることで一人でも多くの皆さんと思いを共有することができたら。少しずつ何かが変わっていくかもしれません。


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2017.01.26 02:52|毛糸と私
さて、この冬も飽きることなくいそいそと毛糸に向かっている私。

この前の冬にハンドメイドのオンライン通販「iichi(いいち)」さんにて出店をスタートし、ゆっくりではありますが私の手作りした品が日本の方のお手元に届いています。何という幸せでしょうか。
日々の生活をこなしながら新作を次々と出していくことは私には難しく、膨大な時間を要します。このたび、1年ぶりに指なし手袋の新作を完成させることができましたので、本日はこちらのご紹介をさせてください。

アイルランドで紡がれる伝統的なツイード毛糸(羊毛100%)を使った、葉っぱ模様の指なし手袋「リーフ」のシリーズ(全3色)です。

加工済みDSCF6945

手を通すと甲に揺れる葉がきれいに浮かび上がるエレガントなデザインで、3種類の木の実の色をご用意しています。
(クリックするとそれぞれの作品ページにジャンプします。写真左より)

Sloe(リンボク)
Blackberry(ブラックベリー)
Hawthorn(サンザシ)

アイルランドに住んでいながらこんなことを言うのもおかしいのですが、実は私、ケーブル模様のたくさん入ったコテコテのアラン模様に抵抗があります。アラン模様は好きなのですよ、とっても。が、おそらくデザインによっては存在感があり過ぎたり模様と模様の連鎖にストーリーを感じられなくて、「ああ残念!」と思ってしまうのですね。

でも、このリーフ模様というのはさり気なくて、それでいてエレガントで、季節が感じられとても好きです。葉の模様編みにもいくつかパターンがありますが、今回は左右から葉が重なっていくようなイメージをほどこしたこちらの手袋シリーズが完成し、大満足です。

加工済みDSCF6827

私の作品づくりに欠かせないこちらの毛糸、ところどころ色の異なるネップがランダムにちりばめられたツイードヤーンと呼ばれる伝統的な毛糸です。フェルト地にも近い柔らかな手触りで、アイルランドの大小の織物メーカーでも素材として頻繁に使われている、Made in IRELANDの毛糸です。

加工済みDSCF6934

指なし手袋は英語で「Fingerless Mittens」などと呼ばれます。ちょっと前まで「指先が出ているなんて寒いじゃない!」とバカにしていたのですが・・いざ使い始めるとその意外なまでの保温性と着け心地の良さに、手放せなくなりました。自分用の指なし手袋をいくつか持っている私ですが、今や冬の外出時の必須アイテム、手は温かいのに指が出ているからとても便利なんですね。

ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてくださいね。
アイルランド田舎生活の小さなお店@iichi(いいち)


せっかく冬なのだし、もう少し毛糸にまつわる記事を書きたいな、と思っています。次回もお楽しみに。


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2017.01.24 08:57|アイルランドで畑仕事
皆さんご無沙汰しておりました。クリスマスが終わって、お正月も終わって、気がつけば久々のブログ更新となってしまいました。
まあこれも「アイルランド不定期便」ということで・・・良しとしましょう。

年初めには毎年気持ちを引き締めて、やや生真面目なごあいさつをするのがここ数年の恒例となっていました。
今年は何を書こう・・・としばらく考えてはいたものの、変に説教臭くなるのも嫌だしなあ・・。
直接的なことを一方通行で主張するよりは、年間を通して、四季を通して、またアイルランドの自然や私の身の回りの出来事を通して、読者の皆さんに思い思いの形で読んでもらい、皆さんそれぞれの感性でもって受け止めてもらえれば、それが一番いいのかなと思っています。

そんなわけで、2017年最初の記事です。

この冬、我が家の畑はまだまだ頼もしく食卓に野菜を提供してくれています。
ゆうに10年以上畑仕事をしている私ですが、毎年新たな発見があり、未だ多くを学ぶ日々です。ガーデニングはゴールがないからこそ、失敗も含め楽しいのかもしれません。
去年の夏と秋に蒔いた種のタイミングが良かったのか、はたまた土が大幅に改良されたせいなのか。冬になっても食べるものが畑にあるというのは嬉しいものです。

そのメインの野菜の一つがこちら。

根菜2016 (3)

大きく太ったカブ。それも頭の部分がピンクがかったアイルランドの定番カブです。切ると中は真っ白で、やや辛みのある味は生でサラダとしてももおいしくいただけるしスープに入れても良し、炒めものもよく合い大変重宝する野菜です。

根菜2016 (2)

今年はニンジンも豊富です。
ニンジンって、スーパーで買うものはオーガニックと書いてあっても味気なくておいしくないなと思ってしまいます。が、自分で育てるニンジンはまるで別物の野菜のよう。

ニンジンって、こういう香りでこういう味だったよね!本当は、野菜はみんなこうでなくちゃいけないよね。

ニンジン使おう、という時には裏口からパパッと外に出て2~3本掘り起こす。
完璧な形のものばかりではありませんが、この味をしめたらもうやめられません。子どもたちは生のニンジンをそのままかじるのが好きで、こんな小さな頃からニンジン本来の味を知っているとはなんて幸せなのだろうと思います。

根菜2016 (1)

今年はしゃきしゃきの大根もできました。
これらの野菜は、葉っぱももちろんおいしくいただきます。

さて。今晩のおかずに・・と思って収穫したものを並べてみたら、根菜だらけなことに気がつきました。

そうか、「冬は根菜」とはこういうことなのか!
「根菜は冬が旬」ということを、今まで頭でしか分かっていなかったんだなあとつくづく感じます。

暦を見れば、既に1月も後半にさしかかっています。
ビニールハウスを持つ身の私は、今月中にナスの種を蒔かねばなりません。来月になればトマト、ピーマン・・とどんどん忙しくなります。冬真っ只中のアイルランドですが、春が確実に近づいていることを感じさせてくれるのも畑仕事のある暮らしのおかげなのです。


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2016.12.29 11:08|動物と暮らす
朝食を済ませてから、小屋の中のニワトリを放して餌をやるのが私の日課です。
今年の春に初めて飼い始めた2羽のニワトリは今も元気に・・とご報告したいところですが、その後ちょっとしたハプニングがありました。キツネに獲られたのです。
我が家では2羽のカモも含めて基本的には放し飼いで飼っていましたが、どうやら賢いキツネに在りかを突き止められたようです。初めの1羽を獲られたあともハプニングは相次ぎ、買い足しては失って・・を二度ほど繰り返したでしょうか。ハプニングのあとはいつでも残酷な光景ですので、そのたびにニワトリの飼育を諦めようかとためらいました。
田舎生活は何一つ楽ではありません。

ニワトリを数年飼い続ける友人らに尋ねると、「唯一の防御法はニワトリ用の電気柵だよ」とのこと。
既に購入はしてあったものの、使ったり使わなかったりの電気柵を本格的に設置し、今では欠かせないアイテムとなりました。

ニワトリ201612月 (3)

ニワトリ用の電気柵はキツネなどが飛び越えられない高さのネット上のもので、専用のバッテリーをつないである状態で触ると微弱の電気ショックを受けるというもの。ポータブルなので設置場所を簡単に変えることができるのと、かなりの広範囲を囲えるので鳥へのストレスも心配せずにすみます。

できれば自由に放して飼いたいところですが、アイルランドのキツネは近年増加の一途をたどっており、残念ながら電気柵なしに安全に鳥を飼育することが難しくなっているのだそうです。

ニワトリ201612月 (7)

あれ、3羽になってる。
我が家は4人家族なので、3羽いるとちょうどいい塩梅に卵を供給してくれることが分かりました。

ニワトリ201612月 (5)

ほら、今日も卵を3つ産んでくれましたよ。

ニワトリ201612月 (8)

彼女たちはまだ若いから、頼もしいほどに産んでくれます。
ニワトリは日照時間が短くなると卵を産まなくなりますが、12月になっても問題なし。

時にはとんでもなく大きな卵を発見することもあります。

巨大卵 (1)

ははは!
あまりに巨大なので、面白半分で冷蔵庫のエッグケースに他の卵と一緒におさめてみました。

巨大卵 (2)

これはジョークですな。
巨大卵の主は彼女です。

ニワトリ201612月 (6)

我が家の元祖ニワトリ、チコレッタ。
最も大柄な彼女はチームのボスです。

それにしても、ニワトリって見事な容姿をしていると思いませんか?
多くの画家によるニワトリの絵画やニワトリの形の工芸品が残っているのも頷けますよね。
美人さんたち、もうハプニングに合いませんように。


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望月えりか

Author:望月えりか
ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版です。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫(リラ)+二太郎(ショーン)と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながら、オーガニックな野菜作りと食生活、地域の農家さんからいただく羊毛を使った糸紡ぎをしています。
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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