FC2ブログ
2019.11.13 12:42|我が家の食卓
我が家の庭に、一本の梨の木があります。
地域にあるIrish Seed Saversに勤めていた友人が、何年も前にくれた梨の木です。
「何かの病気にかかっていて販売できないから。でもいずれは回復して健康な木になると思う」ということで、畑の隅にあるコンポスト置き場の横に、パットさんが植えました。

友人の言った通り病気は1~2年で消滅、それからは毎年ぐんぐん枝を伸ばし、秋になると見事な梨をたくさん実らせてくれます。

一本の梨の木から2019 (7)

「たくさん」とは、20個、30個という数ではありません。もしかして、100個前後できてる?

一本の梨の木から2019 (5)

実の重さで枝が地面に不時着してしまうほど。たった一本の木に、こんなたくさんの梨ができるなんて。果樹というのは、なんて寛容なのでしょう。
9月の終わりぐらいから梨の実が少しずつ地面にぽとりぽとりと落ち始めました。枝に残る梨を一つずつひねってみて、簡単に枝から離れれば収穫していきます。これはりんごの収穫と同じ手法。

一本の梨の木から2019 (4)

バケツいっぱいの梨。むろん、これで全部ではありません。収穫した梨は段ボール箱に入れて、風通しのいい納屋に保存しています。
収穫直後はややかためだった梨ですが、日を置くごとに柔らかく甘くなっていきました。このまま行くと、どんどん熟れてしまう!近いうちに大量の梨を使い切らねば。

まずは手始めに、我が家の定番タルトに梨を使ってみました。

一本の梨の木から2019 (3)

これは焼く前の写真。うーん、絶対おいしくなること間違いなし。

そして。

一本の梨の木から2019 (2)

じゃーん。旬の味が詰まった絶品の梨タルトが完成です。

このほかにも、今年は梨のジャムをたくさん作って瓶詰めしました。1回目のジャムは梨とカルダモン、そして2回目のジャムは梨とバニラビーンズ。どちらも最高のお味。

我が家に大きな果樹園は必要ありません。
この一本の梨の木が与えてくれる恵みに、感謝する秋です。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」
オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2019.11.06 22:53|アイルランド的生活
12歳になる息子のショーンは、2年ほど前から床屋さんに行くようになりました。それまでは自宅でパットさんがショーンのヘアカットを担当していたのですが、「ほかの子たちと違う」だの「長すぎる」だのと不平を言うようになり、髪を切る日になると必ずと言っていいほど親子でけんかモードです。

仕方なく、親しくしているママ友さんに「ねえ、近くでおすすめの理髪店があったら教えてくれない?」と訊いてみると、「エニスに行けば、腕のいいバーバーがいくつかあるわよ」ということで、2軒ほど名前を教えてもらいました。

images.jpg

そのうちの一つはどうやらエニスの町に入っていく途中にあるらしい。それなら便利だわという理由でここに入店して以来、ショーンも気に入り、ずっと通い続けています。
町中から少し離れた住宅街の近くにあるこの床屋さん、その名もハウス・オブ・ハンサム(House of Handsome ハンサムくんの家)。

ここは美容院ではありません。男性向けの小ぢんまりとした理髪店で、私たちが行く土曜日にはたいてい2人の若い男性スタッフが働いています。日曜日と月曜日はお休み。シャンプー台はなく、あくまで髪の毛(と、成人男性の場合はひげ)を切るのが彼らの仕事。良い意味で、シンプル極まりないビジネスです。
事前予約は一切なく、入店した順番で切ってくれるのもいたって合理的。

ショーンのヘアカットを担当してくれるのは、両腕に大きなタトゥーの入ったこわもての大柄な男性です。ぱつんぱつんのTシャツにスキニージーンズ、一見ぶっきらぼうですが、初めて入った時にはショーンと一緒に私のことも呼んでくれ、「頭のぐるりはこのぐらいの短さかなと思うんだけど、いいですか。てっぺんの髪の毛はこうやって切って、前髪は横に流す感じを考えてますけど」と、とてもていねいに説明をしてくれました。

ものの15分ほどで見事にヘアカットを仕上げると、ドライヤーとワックスを使ってきれいに髪を整えてくれます。さすがプロ!これで10ユーロなり。支払いを済ませると、「ロリポップ(小ぶりの棒付きキャンディー)ほしい?ほら、そこに座ってる君の姉ちゃんにも1個」と言って透明の大きなコンテナから手渡してくれるのがお決まりです。

最初の頃は会話なし。ショーンは黙りこくり、理髪師くんは黙々と散髪に専念。しかし何度か通ううちに「今日はどこの学校に行ってるのか訊かれた」「ハーリングはするのか、って訊かれた」など少しずつ話すようになってきたようです。
今では顔をおぼえてくれているので、相変わらず笑顔はありませんが、あごをしゃくって「ほら、君の番だよ、こっちに来いよ」サインをよこすようになりました。それに従い、しなしなと理髪師くんのもとへ歩いていくショーンの後ろ姿。まだまだかわいいなあ。

ある時などは理髪師くんのお友だちと思しきメンバーが2~3人ぞろぞろと店に入ってきたかと思うと、コカ・コーラのペットボトルなどを飲みながら窓際に腰かけて仕事中の理髪師くんとおしゃべり。エニスのサッカークラブの話、昨夜みんなでディスコに飲みに行って誰がどうした、などという話を楽しそうにしています。髪を切られているお客さんももう一人の男性スタッフも、気にかける風はありません。節操のあるお友だちは長居せず、しばらくすると「じゃーねー」と去っていきました。
お堅いことは言いっこなし。誰に迷惑をかけているでもなし、何より仕事はきちんとこなすので誰も文句は言わないのですね。

床に散乱した髪の毛は、ヘアドライヤーで適当にぶぅんぶぅんと店の隅っこに飛ばしたり、足で蹴って脇にまとめ、あとで処分する様子。お店全体は明るく清潔だし、大ざっぱだけどこれもよし。

ハウス・オブ・ハンサムには、お母さんに手を引かれた2歳か3歳ぐらいの小さな男の子から年輩の男性まで、あらゆる年齢層が髪を切ってもらいにやってきます。ほとんどみんな常連客らしく、親しげにずっとおしゃべりをしていることも。客足が途絶える様子はありません。繁盛しているのです。

サービスを受ける時というのは、改まった接客をされればされるほど私などは身構えてしまいがち。かえってこの放ったらかし加減がとても開放的で快適に感じます。シンプルによい仕事をしてくれれば、お客さんも気持ちがいいもの。マニュアル第一のごとく、歯の浮くような会話を強要されるほど苦痛なことはありません。

好きだなあ、この自然なスタイル。

世の中には、無駄なサービス、なくなったほうがいいサービスがきっとたくさんあるんだろうな・・。それに費やすお金と時間と労力。

効率よくいい仕事をするって、どういうことなんだろう。

理髪師くんたちの仕事ぶりを何気なく眺めながら、そんなことを考えてしまうのでした。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2019.10.30 23:24|我が家の食卓
いよいよハロウィーンですね。
ハロウィーンは、ここアイルランドでも古くから伝わる年間行事です。不定期便で過去にハロウィーンに関する記事をいくつか書いています(「ハロウィーンはアイルランドが発祥?」、「ケーキの中の指輪」、「11月は死者の月」などなど)。

今日はちょっと変わって、今やハロウィーンの代名詞とも言えるかぼちゃ、それもかぼちゃの種をおいしく食べる方法をご紹介したいと思います。

ハロウィーンの時期に登場するかぼちゃは、日本ではジャックランタンと表記されるようですね。英語ではJack o'-Lantern(ジャック・オー・ランタン)と綴られ、もともとアイルランドやスコットランドに伝わるかぶの中に住む鬼火のようなものとされています。かぼちゃではなかったのです。

「提灯を持った男」という意味のジャック・オー・ランタン。悪霊を遠ざけると言われ、ハロウィーンになるとしばしば家の玄関前などに飾られます。

ハロウィーンが近づくと、鮮やかなオレンジ色のかぼちゃがスーパーや八百屋の店先で売られるようになり、我が家もこれを毎年2つか3つ買ってきては子どもたちと一緒にくり抜き、中にロウソクをともして家の前に並べます。

かぼちゃの種の食べ方 (1)

デコレーション用のかぼちゃなので、くり抜く前に中のわたや種をスプーンでかき取るのですが、毎度驚くのがこの時に出る種の量。

かぼちゃの種の食べ方 (8)

これをどうにかしておいしく食べられないものかしら。
調べてみると・・・いましたいました、私と同じようなことを考えている人たちが!

中でも、お醤油とごま油を和えてオーブンでカリカリにローストするというレシピの響きが気に入り、さっそく試してみることに。

まずは種にくっついているわたをなるべくきれいに取り除き、沸騰したお湯に種を投入、10分間しっかり茹でます。

かぼちゃの種の食べ方 (6)

ゆであがったら水気をティータオルなどで取り、ボウルに一度入れてからしょうゆ、ごま油、サラダ油、塩こしょうを混ぜ合わせます。

かぼちゃの種の食べ方 (5)

まんべんなく和えたら、オーブントレイにシートを敷き、種を平らに並べ、あとは180度のオーブンで25分間ロースト。

するとすると・・・

かぼちゃの種の食べ方 (3)

お醤油の香ばしさいっぱい、かりかりのかぼちゃの種のローストが完成!

これが癖になるおいしさで、食べ始めると止まりません!最近はこの種を食べるためにかぼちゃをくり抜いているのではと思えてくるほど、大好物となってしまいました。

かぼちゃの種の食べ方 (2)

材料は以下の通り。
かぼちゃの種 1カップ
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1/2
サラダ油 小さじ2
塩こしょう 少々

オーブンのある皆さん、ぜひ試してみてくださいね。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2019.10.17 01:24|環境 / エネルギーを考える
私にとって、日々の暮らしの中で常に悩みの種となっているのがプラスチックです。
ここ数年世界中で深刻な環境問題として取り上げられているプラスチックは、私たちの日常生活で見かけない日はありません。

なるべくプラスチックでできたものは買わないようにしていますが、それでも私の脇をすり抜けて我が家に入り込むさまざまな形状をしたプラスチック。
数年居座るプラスチックもあれば、わずか数時間でごみ箱行きのプラスチックもありますね。いずれにしても、プラスチックをごみとして捨てる時の罪悪感と言ったら!表現のしようがありません。ああ~~。

家にあるプラスチックを今すぐすべて駆除することは不可能としても、まずはほぼ使い捨て=短命のプラスチックを使わないようにする必要がある。消費者としてできることは、今日からでも始めなければなりません。
アイルランドでは、スーパーで買い物をする際ほぼ100%の人々がショッピングバッグを持参するので、スーパーのビニール袋が増えることはまずありません。ここは少なくともクリアしていたいところ。

まず私がタックルを考えたのが、お肉屋さんです。
我が家では週に一度だけお肉を使ったディナーを食べます(お肉を食べないパットさんを除く)。このために、木曜日になると私は行きつけのお肉屋リアムのところに行き、その週にいただくお肉を求めます。ついでに週末の朝食で子どもたちと食べる自家製ソーセージも何本か。決して大きな買い物ではないはずなのに、ディナー分のお肉がビニール袋に、ソーセージが別のビニール袋に、さらにその2袋を今度は手提げのビニール袋に入れてリアムは手渡してくれちゃうのです。手提げ袋は別にして、残りの2つのビニール袋は汚れるのでアイルランドではリサイクルごみに入れることはできません。

くしゃくしゃになってシンクに沈むビニール袋を毎週眺めては落ち込み、「これどうにかならないものかしらん」とため息。

自宅までのたった10分という距離を運ぶだけのために、この代償を払うのはあまりに理不尽。
そこで考えたのが、「もしコンテナを持参したらそこにお肉を入れてくれないかな」ということです。
昔、お豆腐屋さんが来るとみんなお椀を持って買いに行ったそうですが、それと同じ発想ですね。

りんごの木2012-5

でも、そんなことリアムに提案したら困惑させてしまうかな。気ちがいだと思われたら嫌だしなあ。そもそも、商品の衛生的にやらせてもらえることなんだろうか。ここが最大の難関かも。

そんなことを考えながら、何となくずるずるとこのアイディアを実行できずにいたある日のことです。

いつも通り、タラの町で唯一のリアムのお肉屋さんに入ると、ここから歩いて数分の町中に暮らすケヴィンさんに会いました。ケヴィンさんの奥さまメアリーはこの地域で伝統音楽を教えるミュージックスクールを運営しており、とても多忙な生活を送っています。そのため銀行で働いていたケヴィンさんはある時から仕事を辞め、一家の主夫をしています。家事の一切はケヴィンさんの仕事で、家の前を通りかかると窓を拭いているケヴィンさんと目が合ったり、こうして買い物をしている最中にばったり会ったりするのです。

「今日は冬のように寒いよね。風が冷たくて凍えそう」
「お葬式に行くのに朝一番でダブリンまで行って来たんだけどね、ダブリンは晴れててぽかぽかだったよ」
「いつものことだわね、東海岸は好天で西部はこれ。不公平だよ」

などとあいさつ代わりのおしゃべりをしていると・・・。
ケヴィンさんは持っていたショッピングバッグから大きめのプラスチックのコンテナを出し、リアムに「ポークチョップ4つね。ここに入れてね」
それから私に向かってウィンクすると「ノープラスチック!」

・・・ケヴィンさんに先を越された!!!

ふんふんと鼻歌を歌いながら店を出ていくケヴィンさんを横目に、リアムに「あの、もし私も同じようにコンテナを持って来たら、そこに入れてもらえるの?」と確認すると「もちろんノープロブレムですよ」。あっさり問題解決です。

ケヴィンさんも私も結局プラスチック素材のコンテナを使っていることに変わりはありませんが、それでも使い捨てのビニール袋を毎週消費するよりもはるかにましです。

それからは、木曜日になるとショーンをティンホイッスルの個人レッスンに送り届けてからコンテナを二つ抱えてリアムの店まで歩き、プラスチックバッグゼロの買い物を済ませるごきげんの私。

消費者にはどうすることもできない、コントロールのできないプラスチック梱包のほうが多い世の中。
せめて自分たちにできることはやっておきたい。
皆さんの身の回りでは、どんなことができますか?

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

2019.10.09 23:05|アイルランドの自然
つい先週のことです。外でハーリングの練習をしていた息子のショーンが裏口から顔だけ出して、「マミー、サム(犬)がさっきからずっと鳴いてるの、聞こえるでしょう?裏庭の木に向かって吠えてるんだよ。木の上に猫がいるのかと思って見てみたんだけど何もいないんだよね。なんだろう?」
我が家の犬サムは、飼い猫たちと追いかけっこをするのが大好きです。一方的に追いかけまわしているのではなく、時には猫がサムを追いかけていることも。こうして家の周りの広い庭を遊びながら駆け回っているのです。夜は納屋に保管してある藁の中で一緒に寝ていたりして、仲良しこよしの犬猫たち。

しかしこの時ばかりは猫との追いかけっこではないようで、ショーンの言う通りサムが木の周りをうろうろしながら吠えているのが見えます。

「ちょっと見に行ってみよう」

それほど大きくはない木の枝のどこを見回しても、猫の気配はありません。

「サム~、何をそんなに吠えてるのよ~」と足元でしっぽを振るサムに話しかけた時、木の下の地面に何かが転がっているのが目に入りました。

「あっ!」

なんと、ハリネズミではありませんか。

ハリネズミ2019 (2)

しゃがみこんで、おそるおそる近づいてみます。一見ボール状のたわしのように見えるハリネズミは防御態勢に入っており、顔や手足は見えません。体に無数に生える茶色やグレイのトゲはいかにも鋭く、これではどんな天敵も寄せつけないことでしょう。

私がまじまじと観察している間、ハリネズミはピクリとも動きません。もしかして、死んでる?それにしては目立った外傷もありません。目を凝らして見ていると、呼吸をしているせいでほんのわずかですが体が上下に動いています。よかった、生きてる!

サムはハリネズミを攻撃する様子もむろんなく、「ね?すごいもの見つけたでしょう?」とでも言わんばかりの笑顔で私を見上げています。一度家に戻って家族全員に「あのね、やっぱり猫じゃなかった。別のもの。サムがハリネズミを発見したんだよ」と報告すると「ハリネズミ!どれどれ」と言ってパットも娘のリラもショーンもみんなわらわらと外に出てきます。
依然として同じ場所から動いていないハリネズミは、どうやらこの木の根元にパットが積んだ干し草の小山の中にいたようです。鼻のよいサムがこれを発見し、掘り起こしてしまったというわけ。

「うわー、本当だ。」
「あんまり大きいほうではないね」
「顔はどっちにあるんだろう?やっぱりこっち?」

などと言いながら、ハリネズミの周りにしゃがみこむ野次馬のごときオコナー家。
サムは自らの発見による私たちの反響に満足したようで、もう吠えません。

ハリネズミ2019 (1)

数分後にショーンがもう一度長靴をつっかけて見に行くと、ハリネズミの姿はもうそこにはありませんでした。取り巻きがいなくなり静かになったところで、より安全な場所へ移動していったのでしょう。

ハリネズミは夜行性の小動物で、英語ではヘッジホッグ(Hedgehog)と呼ばれます。Hedgeというのは「垣根」の意で、名前の通り石や低木で作られた垣根を棲み家にしていたり、森や牧草地にも好んで住みつくそうです。
この辺りでは決して珍しい動物ではないにしても、野生ですからそうひんぱんに見られるわけでもありません。
秋になると果物やベリーも食べるそうですが、ナメクジなど畑にとっての害虫も好んで食べることから、ガーデンにハリネズミが来ることはとてもいいこととされています。

我が家の庭でハリネズミを見たのは今回が初めて。

パットは「ハリネズミが来てくれた」と大喜びです。
確かに、3エーカーある我が家の土地で動物や虫が住みやすいようにとパットはいろいろなことを試しています。
少しずつ剪定をしてきれいにしている林では、この前初めてリスを見たそうです。
ショベルひとつで掘って作った小池には毎年カエルが卵を産みにやってきますし、そのほかの水生昆虫の姿も見かけるようになりました。今年の夏には色鮮やかな大小のトンボがやってきて、それは見事なものでした。
林の剪定で出た小枝の山はわざとそのままにしておきます。「ネズミやハリネズミが棲み家にするかもしれないからね」
落ちたりんごや梨も、放っておけば虫が食べたり、キツネなどの動物が夜間食しにやってきます。

人の手ですべての自然環境が整備できるとは思いません。でも、身近なところでできることはあります。我が家では除草剤も使わないので、その分ナメクジやいもむしに悩まされたりもしますが、虫が増えればそれを食べにくる小動物も増える。この循環は大事です。
そんな生物の多様性を家のすぐ外で感じられる私たちの暮らしは贅沢です。子どもたちにとってもいいことだし、私にとっては私たち人間の立ち位置を改めて確認させてもらえる機会のように感じています。

ハリネズミ、また来てね。
サムや猫たちに見つかったら・・・ちょっとやっかいですけどね。

ハリネズミ

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」オンラインほか、全国の書店にて販売中
jig-01_帯付き_RGB
望月えりか@Instagram ―暮らしの中の美しいものを記録しています―
望月えりか @Twitter ―心に浮かんだこと、何気ない出来事や印象に残った瞬間を言葉にしています―
↓クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。
にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ
アイルランド田舎生活のフェイスブックページへGo!

オンラインショップ「アイルランド田舎生活の小さなお店」はこちらです。
DSCF9221.jpgバリーズティー画像 (11)キャンベルズティー (7)
「ハンドメイド、手仕事のマーケットプレイスCreema(クリーマ)」にてアイルランドの毛糸を販売しています。
DSCF8878.jpgDSCF8815.jpgDSCF8816.jpg
オンラインショップ「ハンドメイド通販 iichi(いいち)」にて毛糸を使った作品を出品しています。
加工済みDSCF6934iichiに出店 (2)iichiに出店 (3)

テーマ:アイルランド不定期便
ジャンル:海外情報

10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
About Me

望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

Latest Articles

Twitter

facebook

Instagram

Categories

Click, please!

クリックすると不定期便の読者さんが増える!そうです。

にほんブログ村 海外生活ブログ アイルランド情報へ

Visitors

Monthly Archives

ブログ内を検索する

Links