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2021.06.18 07:09|アイルランドで子育て
もう一つ、ミルクの話をしましょう。
4月で1歳になった我が家の3児、ダロックくん。授乳の回数も自然と減ってきて、そろそろほかのミルク、牛乳などを飲ませはじめてもいい頃だなあと思っていました。

近所の有機農家さんから直接買っている生乳は、煮沸消毒をしていません。念のため、モーナに「赤ちゃんダロックにこの牛乳飲ませても大丈夫だよね?」と訊いてみました。

「Yes, もちろんよ!」

「でもね、ヤギのミルクのほうが消化しやすいよ」

おお!そうでした、そうでした。牛のミルクよりもヤギのミルクのほうがお腹にやさしく、特に赤ちゃんにあげるのに適しているという話は以前にも聞いたことがあったのです。実際に、4人の子どもを育てた私の義姉もヤギのミルクをスーパーで買って、子どもたちに飲ませていました。そう、アイルランドではヤギのミルクがちゃんと商品化されてスーパーの棚に並んでいるのですよ。

ゴーツミルク&ヨーグルト

ヤギのミルクでできたヨーグルト、子どもたちが小さかった頃はよくランチに持たせていましたっけ。

そんなわけで、牛乳を買いに行ったついでに、今度はヤギのミルクも一瓶購入してきました。牛乳とはだいぶ違うお味なので、ダロックくんどうかなあ。拒否されるかなあとも思っていたのですが、杞憂に終わりました。

ぐびぐびぐびぐび。

ヤギのミルクで子育て (1)

皆さんはヤギという動物のにおいをご存知でしょうか。数メートル先からにおう、人によっては鼻につくと感じる強烈なにおいです。ヤギのミルクにも、この独特の風味があります。ヤギのミルクで作ったチーズなども、好みの分かれる食品かもしれませんね。
ヤギのミルクと聞くと「ああ私は飲めない!匂いがダメ!」という反応をする人が多いのですが、私の近所の農家さんのヤギのミルクは、不思議とこのくさみがありません。ミルクが新鮮であればあるほど、この独特のにおいはマイルドなのです。
ちなみに、牛のミルクのほうが甘みがあるそうですよ。

これがミルクの提供者さんたち。

ヤギのミルクで子育て (2)

ありがとう~。
この農家では、朝と夕方にヤギのミルクを手搾りしています。そういえば、昔こんな記事も書きましたね→「ママ、ヤギの乳しぼりで遅くなるから」
私の著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」でも触れています。

我が家は、幸いなことに夫パットも私も、また上の子どもたち二人も食物アレルギーがありません。ダロックくんも今のところ何の問題もなく何でも食べてくれる赤ちゃんで、ホッとしました。
食物アレルギーにならないように、小さい頃から何でも食べさせるといいのよ。特定の食品を与えないとか、ある食べ物や飲み物を過多にあげるのもよくないのよ。私の信頼する、自然食に詳しい友人からもらったアドバイスです。

これからしばらく、このヤギさんたちのお世話になりそうです。

望月えりか 初著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」
オンラインほか、全国の書店にて販売中
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2021.06.10 08:02|食文化/食事情
我が家では牛乳をスーパーで買うことがなくなりました。近所の有機農家さんで新鮮な生乳を買っているからです。(「搾りたての牛乳を買いに」)

この農家さんには牝牛が5頭いて、毎年仔牛を産んだり産まなかったりしています。名前までついている牛婦人たちは、自家製の干し草をおいしそうに咀嚼しながら、角も生え放題。納屋の中を自由に歩き回ったり、気持ちよさそうに藁に寝っ転がったりしています。

牛乳にも旬がある (1)

ある冬の日のこと。
リサイクルをしているガラス瓶を持って、いつも通り牛乳を買いに出かけると、「あれ、ごめん、エリカ!今ね、ミルク切らしてるのよ。たぶん来年の2月末ぐらいまでないかなあ」

えっ!なになに、牛乳がないってどういうこと?

牛乳って、そもそもどうして出るのでしょう。
牝牛が仔牛を産むのは、たいてい春。仔牛を育てるために牝牛はミルクを生成し、これを搾乳したのが牛乳(正しくは生乳)です。仔牛が大きくなるにつれてミルクの量は少しずつ減っていき、この農家では12月頃になると完全に牛乳が切れてしまうのです。

牛乳にも旬がある (3)

そうかあ。ということは、牛乳にも旬があるっていうことだわね。
牛乳っていつでも手に入るものだと思っていたけど、自然に寄り添ったかたちにならえば牛乳がない季節というのが実はあるんですね。

「育ち盛りの子どもたちに飲ませてるから。どうしよう」

「毎日飲ませようと思わなくても、冬の間だけ休憩してもいいんじゃない?」
というのが、モーナの提案。

「食べ物って何でもそうだと思うけど、特に乳製品なんかは2~3か月休むと胃腸もリニューアルされて体にもいいと思うのよ」

納得しました。
食物アレルギー症状の原因のひとつはその食品の摂取過多によるものとも言われますね。そう考えると、季節に合った旬のものを食べる暮らしや、逆に旬でないものは簡単に手に入るとしてもあえて買わない、食べないという食生活が、私たちの体には一番無理がなく、お腹にもやさしい気がします。

牛乳にも旬がある (2)

四季をまったく無視して、年間を通していつでもスーパーで手に入る食品を基準に提案される、バランスのいい食事。体にいい食事。コップ一杯の牛乳を毎日子どもに飲ませましょうということも含めて、本当にそれが正解なのかな?そんな栄養の考え方って、何かおかしいんじゃないかな?と考え直すきっかけになりました。

モーナによると、牝牛ステラの予定日が2月末だから、出産後には仔牛一頭では飲みきれないほどのミルクを何リットルも出してくれるはずとのこと。

ああそうか。この牛乳は、実はおすそ分けなんですね。牛乳を作ってくれる牛たちにも、無理をさせない酪農のありかた。これをクオリティーというのではないかなあ。
こんな食の暮らしを支えてくれる土地があるということ。この土地に根を張ることができ、私は幸せだなあ。

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2021.06.03 07:46|ワイルドフード
6月になると、我が家の周りはワイルドフラワーでいっぱいになります。
可憐な白のデイジー、元気な黄色のバターカップ、背高ピンクのカッコウセンノウ。
いろいろな種類の野草と共存しながら風にそよぐ花たちは、本当にきれいで自由。アイルランドの短い夏の始まりを教えてくれます。

レッドクローバー

眺めているだけで十分幸せなのですが、この季節になると私はいつもある花を摘みます。これこれ。

レッドクローバー (9)

英語ではレッドクローバーと呼ばれますが、これ、赤なのかなあ。日本ではムラサキツメクサ、アカツメクサ、赤クローバーなどの呼称で親しまれているそうです。赤?うーん。

数年前に友人の家でレッドクローバーのお茶をいただいたことがあり、これがとてもおいしかったので、それ以来レッドクローバーが満開になると両手にいっぱいの花を摘んでいます。
そこらじゅうに咲いているので手軽に収穫できて嬉しい。さあ、摘もう!
あれ?誰かいる?

レッドクローバー (11)

使うのは花の部分のみ。これだけあれば、今年はもう十分かな。

レッドクローバー (7)

摘みたてをポットに入れて、お湯を注ぐだけでレッドクローバーティーのできあがり。これこそまさにハーブティー。
保存するためには花を乾燥させます。気がついた時にひっくり返しながら、数日間風通しの良いところで乾かしました。

レッドクローバー (5)

それにしてもきれいだな~。
ピンク色の花は、乾燥させると色が濃くなって紫に近い色に。これを空き缶に入れて、一年分のお茶が完成です。

レッドクローバー (4)

お気に入りのココナツのビスケットと一緒に午後のティータイム。6月の明るい日差しがリビングルームに入ってきます。

レッドクローバー (2)

レッドクローバーは薬草(ハーブ)のひとつで、女性の更年期障害やぜんそく、咳に効くことで知られています。
お茶としてたまに飲むぐらいならまったく問題ないそうですが、サプリメントなどによっては強力なことがあるので、妊娠中の方や授乳中の方は控えるのが無難とのことです。

よく思うことですが、こんな風に植物一つ一つの名前を知って、効用を学んでいくと、「雑草」なんていうものはこの世にないんではないでしょうか。雑草というのは私たちの観念であり、身勝手な人間がつけたレッテルのように思えてなりません。
一般的に言われる雑草というリストから、少しずつ植物の名前が消えていく感覚が心地よい、アイルランドの田舎生活です。

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2021.05.27 07:50|毛糸と私
日頃から家で過ごすことの多い私ですが、去年の2020年は特に外出する機会が極端に減りました。同じような経験をされた方や、今でもそんな状況が続いている皆さんも多いことと思います。
特に厳しい規制がしかれたアイルランドのロックダウン。私はこの機会をポジティブにとらえて、自分にとっての創作の期間にしようと決めました。おかげで、今まで形にできなかったことや自分の中で中途半端だったことに集中して、編み物と紡ぎの手仕事にまた一歩踏み込むことができました。今でもダロックくんのお世話が中心の生活ですが、10分でも時間があれば編み針か紡ぎ車に向かっています。
自分だけの時間がなくなってしまったら、私はきっとすごくつらいんだろうなあ。

その延長で、前々からもっと知りたいな、掘り下げてみたいなと思っていた毛糸の染色を少しずつはじめています。私は羊の自然な毛の色がとても好きで、白やグレイや茶や黒というナチュラルな色だけで十分に幸せなのですが、家の周りで育つ植物を使った染めという手仕事も、やはりとっても楽しいんですね。

オンライントークの時に、私が手に持ってご紹介した染色糸がありました。反響をたくさんいただいたので、不定期便でもぜひご紹介したく思います。

私にとって初めての手紡ぎ毛糸の染色は、玉ねぎの皮を使ったものでした(「初めての毛糸の染色」)。とてもきれいなオレンジ色に染まったので、これはまたぜひやってみようとそれ以来玉ねぎの皮は捨てずに保存しています。
我が家の畑では、数は少ないのですが赤玉ねぎも育てていて、この皮も料理で使うたび捨てずに別の袋にとってありました。普通の玉ねぎの皮とはまた違う色になるらしいのです。
今回は、この赤玉ねぎの皮を使っての染色です。

参考にしたのは、今回もこちらの本。

染色の本

本には、こげ茶もしくは限りなく黒に近い茶色になるとありました。赤玉ねぎの色から、何となく想像のできる色ですよね。
皮の量は少ないので、染める毛糸も今回は少しだけにしました。

赤玉ねぎの染色 (1)

白い羊の毛糸と、ややベージュがかったアルパカの毛糸。いずれも私が紡いだ毛糸です。前日に焼きミョウバンを入れた水で媒染の処理をしてあります。

赤玉ねぎの染色 (2)

赤玉ねぎの皮はこれだけ。レギュラーの大きさの鍋で十分な量です。
皮を1時間ほどぐつぐつ煮て、色を出します。

赤玉ねぎの染色 (4)

こんな色になりました!
ここに毛糸を投入。再び火にかけて、コトコトまた1時間。火を止めてからは鍋に毛糸を入れたまま一晩放置します。
染色液の色からして、やはり本の通り、こげ茶になりそう。・・・と思いますよね・・・!

翌日、サンルームのフロアに置いておいた鍋のふたを開け、ドキドキしながら毛糸を取り出してみると・・・

赤玉ねぎの染色 (5)

えーーー?!
こ、こげ茶どころか、茶色でもないし黒でもない!
これは・・・何とも美しい黄緑色というのでしょうか、オリーブ色というのでしょうか。

赤玉ねぎの染色 (3)

左の濃い色のほうが羊、右がアルパカです。
アルパカファームの友人によると、アルパカのウールは羊毛に比べ色がやや褪せるそう。でも私、どちらも好きです!

草木染めでグリーン系の色を出すのは難しいと聞いたこともあります。
こんなきれいな色に染まることが分かっていたら、もっとたくさん毛糸を入れていたのになあ。

染色は、時に予測していなかった結果になることがあるそうです。媒染剤、使った鍋の材質や水質などの組み合わせで、発色は繊細に微妙に変わってくるのですね。思わぬ色に染め上がる、その意外さも楽しい!

赤玉ねぎの染色 (6)

わずかな量だからセーターは編めないけれど。セーターの編み込みに使えばアクセントになるかもしれない。どんな色と一緒に編もうかな。どんな模様にしようかしら。わくわくわくわく。
想像を膨らませながら、今でもうっとりとこの毛糸を眺めています。

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2021.05.20 19:45|ワイルドフード
アイルランドの春は、わらびやゼンマイ、イラクサなど山菜が豊富です。知らなければ通り過ぎてしまいますが、食べられる自然の恵みが身近にあることに気づくと嬉しいものですし、摘んでいるとまるで自然の一部になれたような気分になってワクワクしてしまいます。
自分の口に入れるものだから、この植物はきれいな場所で育っているよね、大丈夫だよね、とどこかで確認している自分がいて、それが、きれいな空気やきれいな水を守っていかないといけないなあという意識に自然とつながっていく感覚。私にとっては、これが一番の収穫かなあ。

アイルランドの山菜の代表格と言えば、ワイルドガーリックではないでしょうか。(こんな記事も昔書いていました!→「ワイルドガーリックの移植」)
日本語ではラムソン、クマネギなどと呼ばれるそうで、アイルランドでは4月になると葉の部分を収穫してペストを作ります。

ワイルドガーリックのペストは私が友人たちとやっているガーデンクラブのランチで持ってくる人がいたりして、食べたことは何度もあるものの、自分ではこれまで作ったことがありませんでした。
我が家から歩いて5分ほどのところに、ワイルドガーリックが群生する場所があるのですが、ここはカトリーナというご近所さんの私道。気軽に散歩したり、自由に行き来してよね、とは言ってくれているものの、プライベートの道端でせっせとワイルドガーリックを摘むのはやはりどうもずうずうしい。
今年になって見に行ってみるとカトリーナのワイルドガーリックは更に繁殖していて、今がまさに収穫時。それでも。ね~、と思いながら眺めていると、カトリーナの近くに住むジャッキーとセッジが歩いてきました。

「ここのワイルドガーリック、どんどん増えてるわよね」

「本当に!収穫してペストを作ってみたいなとは思うけど、勝手に摘むのは心苦しくてね」

「全然(カトリーナは)気にしないと思うわよ!」
「むしろ、誰かが摘んでくれたほうがいいんじゃない?これだけあるんだから」

というような会話をしました。

そうだよね。摘めたらいいよね。思い切って、カトリーナに訊いてみればいいんだよね。

そして数日後。

ワイルドガーリック2021 (2)

カトリーナの道はブナの大木が並び、ただでさえ美しいので私はよくダロックくんをボギーに乗せて散歩に行くのですが、ここでカトリーナに会うことができました。
彼女はステンドグラス作家で、我が家の土地の隣にかわいらしい木造の工房を持っています。彼女は今、アイルランドステンドグラス協会に所属する作家たちのコラボレート作品を作るため、集められたグラスアートの一つ一つをつなぎとめていくデリケートな作業の真っ最中。
「ああエリカ、みんなから集まった作品がね、とっても美しいのよ!ちょっと時間あるならぜひ見に入って、こっちこっち」と工房に案内してくれました。

繊細で、さまざまなメッセージのこもったグラスのかけらたちは、光にかざすと色も表情もまた変わって、ほれぼれする美しさ。それぞれの作品について熱心に説明してくれるカトリーナを見ていると、ああ、この人は本当にこの仕事が好きなのだなあということが伝わってきます。ほかにも、子どもの話、ガーデニングの話、私の糸紡ぎの話、カトリーナも昔没頭していたという染色の話で盛り上がりました。そして、ワイルドガーリックのこともこの時、訊いてみたのです。
「まったく構わないわよ!自由に摘んでちょうだい。私もときどき料理に使うけどトッピング程度だから全然減らないの」

と快いYesをいただきました。わー、嬉しい。
彼女の工房をあとにし、そのまた数日後。紙袋をボギーに入れ、自転車に乗るショーンも連れて、念願のワイルドガーリック摘みに出かけました。

ワイルドガーリック2021 (3)

生い茂ってる!!!
大きくて元気な葉を選んで、収穫していきます。5月になると白くてきれいな花を咲かせるワイルドガーリックですが、収穫は花が出てくる前が望ましいそうです。

袋にいっぱいのワイルドガーリックを収穫させてもらいましたが、振り返って見ると私が摘んだ形跡は見事にゼロ。よかった。これなら来年も元気に増えてくれそうです。

ワイルドガーリック2021 (5)

さっと洗って、オリーブオイル、ナッツ、パルメザンチーズ、塩こしょうと一緒にブレンダーにかけるだけで出来上がります。
パインナッツを使うレシピが多いようですが、私はキッチンにあったウォールナッツを使いました。2回目に作った時は、オーブンであらかじめローストしておいたヘーゼルナッツで。風味が微妙に異なり、こちらも美味。
ブレンダーという機械はあると便利なのですが、音もうるさいし私はあまり好きではありません。電気を使わず、包丁やペスト作り用のナイフで根気よくすべての材料を細かくしていったほうが、風味が損なわれずおいしくできると書いてある本もあります。時間のある時にやってみよう。

ワイルドガーリック2021 (4)

煮沸消毒したガラス瓶にペストを入れ、ペストが空気に触れないようオリーブオイルをたっぷり上にかけてからふたをして、ワイルドガーリックのペストが完成です。冷蔵庫で保存して、もう3週間ほど経っていますがまだ食べられます。

ワイルドガーリック2021 (7)

定番はなんと言ってもパスタ。ゆで上がったパスタに絡め、塩加減を調整するだけで簡単なランチになります。我が家のビニールハウスで収穫したサラダと一緒に。
クラッカーに乗せて食べたら、こちらも感動的なおいしさでした。作ってよかったー!

5月に入った今でも、夕方の時間帯によくカトリーナの私道を散歩します。
西日を受けたワイルドガーリックは、美しい白い花を咲かせ、それは見事です。

ワイルドガーリック2021 (1)

なんてきれいなんでしょう!

ワイルドガーリック2021 (6)

自然が織りなす美を見つめながら、カトリーナの工房で見た人の手が織りなすグラスアートの美しさも重ねていました。
どちらも劣らず美しい。

たくさん作ったワイルドガーリックのペストは、カトリーナにおすそ分け、ジャッキーとセッジにも。どうせなら仲良くしているほかのご近所さんにもと配っていたら、結局手元に半分ぐらいしか残りませんでした。
でもいいのです。
カトリーナはメッセージをくれて、ペストがあまりにおいしくて、2日間ほどで食べ切ってしまったとのこと。そんなに喜んでもらえたのならと、もう一瓶届けてきました。

同じ土地に暮らす人たちで、その土地に育つ食べ物を共有できること。これって、すごく幸せなことだと思いませんか。
また来年、こんな風に収穫して、こんな風におすそ分けしながらペストを楽しめたらいいなと思います。

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望月えりか

Author:望月えりか
書く人。日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。
2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と5人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。
アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながらオーガニックな野菜作りと食生活、農家さんの羊毛で糸紡ぎ。アイルランド伝統音楽プロジェクト「ブラックバードミュージック」運営。フィドルを弾いたりフルートを吹いたり。
著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)
新聞、雑誌等プレスへの寄稿文依頼はirishcountrylife@gmail.comまでお問い合わせください。

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