アイルランド不定期便
のどかな田舎の暮らしの中にも、大小さまざまな発見や喜びがあります。 家族や友人とのつきあい、子育て、その他もろもろの日常の出来事を不定期に綴っていきます。
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アイルランドに住み始めてから、いつの間にかこちら流になってしまった生活習慣がいくつかあります。食生活などどうしても変わらない習慣もありますが、気候も違えば生活様式も違う国に暮らしていると、これは当然のことかもしれません。

その一つはお風呂です。
日本では、春夏秋冬どんな季節でも一日一回はお風呂に入っていました。それは一日三回ご飯を食べるのと同じで、毎日の生活習慣だったのですが、アイルランドに来て間もなく私のお風呂習慣は「毎日」から「二日に一回」に変わりました。
涼しい気候なので汗をかくこともなく、ただ単純に毎日お風呂に入る必要がなくなったからというのが一番の原因だと思いますが、日本のようにお湯が即出るわけでもなく、また永遠に出るものでもないという不便さも手伝っていると思います。

お風呂は一日の疲れを癒すものですが、その感覚も日本人ならではのもののようです。
お風呂は体をきれいにするもの、という本来の目的がそのままアイルランド人のお風呂の目的ですので、たいていの人は手早くシャワーで済ませます。

ではどのくらいの頻度でアイルランド人はお風呂に入っているのでしょう。先日日本人の友だちがこんな話をしてくれました。彼女の住む町の美容院に髪を切りに行った時のこと、美容師さんに「何日おきに髪洗ってます?」と聞かれたそうです。その際すかさず美容師さんは「3日おき?」と聞いてきたので、彼女は「いいえ、2日おきに洗ってます」と答えると一瞬驚いたような顔をされたそうです。彼女曰く「3日おきが標準ってことなんだろうね」とのこと。と言ってもこっちに住んでいると道ですれ違った途端「むっ、ちょっと臭う!」という人も結構いるので、3日おきが標準というよりは3日おきが理想ということなのかもしれません。

なので、私の二日にいっぺんのお風呂習慣もそれほど悪くはないのかな。
不思議なもので、これは日本に帰省すると途端にもとの一日一回のお風呂習慣に戻ります。
今週末は、少し特別な週末でした。地元の村で小さな音楽のイベントが開かれていたためです。
数年前に他界したフィドル奏者、Pジョー・ヘイズ(P Joe Hayes)を追悼するもので、教会でのミサの後フィークルの村のパブでいくつか音楽セッションと、村はずれのパブ、ペパーズにある大型テントでケーリーというダンスの集いがありました。Pジョーは、アイルランドでは名の通ったタラケーリーバンド(The Tulla Ceili Band)というダンサーのための音楽を演奏するバンドのリーダーだったためです。
家族の希望もあってイベントの規模は小さく地元の人が中心ですが、久し振りに質の高いアイルランド音楽を聴くことができました。

夫は土曜の夜、日曜の夜と演奏があったので、私は日曜の午後に外出しました。セッションは既に後半を迎えていましたが、予想外に参加ミュージシャンも多すぎず、聴いているお客さんの反応も良し、こうなると自然にミュージシャンたちのノリも良くなり、奏でられる音楽も勢いを増してきます。
時間はあっという間に過ぎてセッションは1時間ほどで終わってしまいましたが、息を呑むような、胸の躍るような音楽に感激のやまない午後となりました。

土曜の夜から友達が泊まりに来ていたので懲りずに朝までしゃべり続け、日曜日はそんな感じで一日外出、夜は友人のホームパーティーにお呼ばれまでしたせいで、月曜日の今夜になってもまだ疲れがとれません。
それでも、昨日聴いた音楽のことを思うと今でもため息の出る、特別な週末となったのでした。

           ペパーズでのアフタヌーンセッション。珍しく写真を撮りました
ペパーズでのアフタヌーンセッション
今月の初め、夫が2週間アメリカに行っていました。相棒とも言えるアコーディオン奏者オーインさんと二人で東海岸を中心に演奏旅行をしてきたのです。

その間、オーインさんの奥さんは私たちの家に滞在していました。と言っても、オーインさんの奥さんも日本人で、しかも彼女と私は高校3年間を同じ教室で過ごした大の親友なのです。高校生の頃に二人一緒にアイルランドの音楽に興味を持ち始め、一緒にアイルランドを旅行しました。でも、その時はまさか15年後に自分たちがこうしてアイルランド人の夫をそれぞれ持ち、アイルランドに暮らしているなんて考えもしませんでした。しかもその夫たちが二人とも音楽を演奏し、更にはお互い気が合うなんて、彼女と私は本当に運が良いとしか言いようがありません。

ともかく、夫たちがアメリカで楽しい時間を過ごしている間、私たちもとびっきり楽しい休暇が持てたのでした。和食をたくさん作って、新しいレシピにも挑戦して、子どもたちを連れてエニスにショッピング、友人も何人か遊びに来てくれたし、ガーデンに出て畑を耕したり薪を集めたり、大したことはしなかったわけですが、何をする時でも彼女と日本語でぺらぺらぺらぺら、おしゃべりをとにかく楽しみました。これは高校時代から全く変わっていなくて、我ながら笑ってしまうほどです。
日本の話、高校時代の友達の話、アイルランドの家族の話、テレビ、インテリア、ガーデン、私たちはとにかく何でもかんでも思いついたことから話すので、口の筋肉がこの2週間で鍛えられたぐらいです。

驚いたのは、娘のリラがものすごいスピードで日本語を吸収し始めたことでした。母が来た時もそうでしたが、今回は2週間という長さよりも私たちの尽きないおしゃべりが功を奏したようです。1歳半の息子のショーンまでも「ニュウニュウ(ミルクのこと)飲むぅ、ショーン」などと日本語の文章が出てきた時にはちょっと感動的でした。

また、ある夜は彼女に子どもたちを任せて私はイタリア人の友人に誘われて村のパブに外出する機会があり、これもまたとても楽しかった!音楽あり、地元の変わらない顔、久々のギネスの味と夢のような夜でした。夫と二人の頃は毎週のようにパブに行っていたのに、こんな風に外出したのは3,4年ぶりでした。

後半は子どもたちが体調を崩したりして大変でしたが、いつか夫たちにアメリカにでもどこへでも行ってもらって、私たちはまたこんな機会があればいいねえ、などと不届きなことを言っていたのでした。
彼女に夢中だった子どもたちですが、夫が帰って来た時の喜びようは想像以上でした。私もほっとしましたが、夫によじ登って甘えている子どもたちを見ていたら、母親、父親のそれぞれの役割があるんだなあとつくづく感じました。

そんなわけで、明日の夜は夫に子どもを任せてまたパブに行きます・・!
数週間にわたって行われていた6ネイションズチャンピオンシップ(6 Nations Champion Ship)が先週末、幕を閉じました。
アイルランドに来る前はルールも知らなかったラグビーでしたが、夫のラグビー熱に影響を受けて今では家事もしないで夢中で見るようになりました。
この6ネイションズとはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリアの6つの国と地域のことで、毎年2月から3月にかけて行われます。ラグビーはイングランド発祥のスポーツなだけあって、南アフリカやオーストラリアなどを含めた英語圏の国ではとりわけ盛んです。

今年は、アイルランドがチャンピオンに輝きました。
これは61年ぶりの快挙で、優勝が決まったウェールズ戦直後はラグビー好きの人から普段はラグビーに興味のない人まで、アイルランド中が一斉にわきました。後日帰国したアイルランド代表チームを5万人以上の観衆が迎えたというのですから、アイルランド国民の熱狂ぶりが想像できます。ラグビーはお隣のリムリックで根強い人気があり、当日はものすごいお祭り騒ぎだったそうです。これは、リムリックがアイルランドにいくつかあるクラブチームの一つ、マンスター(Munster)の中核的な町であること、また去年からアイルランドの新監督となったデクラン・キドニーが長年マンスターの監督をしていたことも大きいようです。
今回のアイルランド優勝は彼の功績であることに間違いなく、有力な若手選手も育ってきているので、これからますますアイルランドのラグビーに期待がかかります。

どのスポーツも同じでしょうが、ラグビーを見ていると国や地域でプレイの仕方に特徴があるのも面白みの一つです。見ていてつまらないラグビーをするチームもあれば、ドキドキするようなプレイを何度も見せてくれるチームもあり、上手い下手では表現しきれない醍醐味があります。だからアイルランド流ラグビーというのも当然あります。それが、自分が住んでいる国だからなのではなく、面白いし好ましいのです。特に今回のアイルランドは個人が技を見せながらも、チームが一丸となって戦っており、素晴らしかったです。

また、これはいつも思うことですが、アイルランドで行われる試合の観衆のマナーの良さは感動的です。緊迫したペナルティーキックの時、アイルランドの観衆は野次を飛ばしません。自国のキックの時だけでなく、相手国のペナルティーの際でも、観衆は水を打ったように静かになります。他の国での試合で、ここまでの静寂さを得られることはまずありません。
このアイルランド人の精神が、ラグビーの人気と質の良さを支えているのかなと思います。
我が家のブラウンブレッド

我が家では、夫がブラウンブレッドを焼くのが習慣になっています。夫は長年自分の家のレンジに薪をくべて、そのオーブンでブラウンブレッドを焼いています。新しい家に引越してからも、この習慣は変わっていません。

レンジ(Range)というのは、イギリスやアイルランドに古くからあるもので人によってはクッカー(Cooker)とも呼びます。最近ではオイルで熱くなるレンジもあるようですが、昔ながらのものは単純に火をおこして、その熱でオーブンで調理をしたり、レンジの上が熱くなるのでここに鍋を置いて料理をしたりすることができます。

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我が家のレンジは夫の弟が妻の叔母から譲り受けた1960年代のレイバーン(Rayburn)というイングランド製のレンジで、左のドアを開けてそこで火を起こし、右の扉を開くと二段式のオーブンがあるという作りです。煙は煙突を通って外に出て行きます。50年以上経った今でも何の支障もなく、アイルランドで一番おいしいブラウンブレッドが焼ける自慢のレンジです。

ブラウンブレッドとはその名の通り茶色いパンなのですが、アイルランドの定番のパンです。「ソーダブレッド」という名の方が浸透しているかもしれません。見た目はごつごつしていますが、食べてみると意外に柔らかくほのかな甘味のあるパンですが、日本のパン屋さんでは見たことがありません。

我が家のブラウンブレッドは、小麦粉、オートムギ、オリーブ油、塩、ブラウンシュガー、バターミルクを夫の長年の勘を頼りに目分量で順に混ぜて、一気に3つ焼き上げます。
バターミルクは、日本では見たことがなかった気がします。バターを精製する時に残るミルクで強い酸味があり、アイルランドではスーパーで普通に買えます。
こだわりがあるようで、小麦粉やオートムギはすべてオーガニックのものを使います。

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出来上がったブラウンブレッドは、表面がこんがりと茶色に輝き、食欲をそそります。焼きたてのパンをスライスして、バターを塗っていただくのが最高においしいです。
朝は、このブラウンブレッドを焼き色がつくまでしっかりトーストして、バターがスライスの底から染み出てくるぐらいたっぷり塗って食べます。更に、ここに自家製のブラックベリージャムを塗って食べるブラウンブレッドは、まさに天下一品です。

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Author:アイルランド田舎生活
アイルランド人の夫と一姫(リラ)二太郎(ショーン)とアイルランドの田舎に暮らしています。

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